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スローライフ悪役令嬢は、王子の溺愛に気付かない。  作者: ラズベリーパイ@天安門事件


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私からお願いしましょう

 次の日。

 朝食をとり、支度をした私は昨日購入してきたサツマイモを幾つか手に取る。

 料理人が言うには、普通のサツマイモは堀りたてよりも、一月ほど涼しい場所で貯蔵すると甘みが増すが、試しに小さい芋を茹でて味見した所、すでに十分甘かったらしい。


 貯蔵したものを販売していたのか、掘りたてでも甘くて美味しい品種なのかは分からないが、それを使用することにした。

 泥付きのままの芋を三つほど、袋に入れて持っていく。

 今日もヘレンは私についてくるそうだ。


「やはり、あのシルフという人物は気になります。腹は真っ黒な気がするのです」

「そうかな……そこまで腹に一物、抱えているようには見えないけれど。優しいだけな気がするけれど……」

「優しいだけの人物なんていません。リズ様が恋愛脳になっているのでしょう」

「れ、恋愛……べ、別に私はそんなではなく、シルフとはただの友達で……」

「はいはい。それで今日は、そのシルフと森に行くそうで」

「え、ええ、そうだけれど」


 昨日のうちにヘレンには、明日はシルフと森に行こうと約束したことを事前に話していたのだ。

 するとヘレンが、


「リズ様は、午前中に菓子を作り、午後に、シルフと二人っきりでお出かけするおつもりですか?」

「ふ、二人っきりって……でも、クロトとサナの邪魔をしても申し訳ないし、シルフと二人でお出かけがいいかな。ヘレンも私にそこまで付き合わなくてもいいわよ?」


 そう私がヘレンに言うと、ヘレンに深々と嘆息されてから、


「皆で森に行くよう、サナ様とクロト様にも私からお願いしましょう」


 と言ったのだった。


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