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あんずの神様 ~山波雷神幻想譚~  作者: ざくろべぇ
第壱章  山波神社の雷神巫女
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第二十話   ~山波神社の天道巫女~



「…………はぇあっ!?

 い、今どれぐらいの時間帯!? うっそぉ!?」


 おはようアンズ。

 あのびりっびりに破かれた服のまま、半裸同然の姿でだらしなく深い眠りについて、やっとぱちりと目を開けたのがお昼時。

 目覚めた時には家の中まで明るい。普段は日も昇らぬ時間に早起きな彼女だからこそ、目を覚ました瞬間にこの明るさは、瞬時に目も冴える緊急事態である。


 飛び起きるようにして、その恰好のまま草鞋も履かずに外に飛び出す。

 褌が前からも後ろからもちらついているのだが。さらしも鎖骨も丸見え。

 最近は参拝者が少ない山波神社だが、今そのおかげで外に誰もいなくて本当によかったものである。


「こ、これは……お昼ご飯ぐらいの時間帯ですかねぇ……」


『いくら遠い目で空を眺めても時間は戻らんぞ。

 そんなことより、そんな恰好で外に出るな』


「!?

 んっひゃああああああああああっ!?!?」


 唖然、呆然、頭真っ白で大寝坊の現実にお口ぽっかーんなアンズだったが、ぽふんと頭の上に姿を現したテンジン様の言葉に衝撃。

 今の私の有り様ひど過ぎ。一瞬で顔を真っ赤にして、胸と股を両手で隠して背を丸め、誰もそばにいないよね!? ときょろきょろ。

 わたわたどたばた、砂のついた足の裏のまま家の中に転がり込んで、敷布団を掴んで自分を簀巻きにして芋虫状態に。

 信じられないほどの痴態を天下に晒して、動転し過ぎた結果だ。


 朝っぱらから元気ですね。

 生き延びられた証として何よりである。










 朝からいきなり大失態だったアンズだが、彼女の受難にはもう一つ続きがある。

 昼過ぎになって玉依御殿に赴いたアンズは、ナルミに昨夜のことを報告していたのだが。


「大変だったのはわかるけれど、寝坊せずに早く顔を出して欲しかったなぁ。

 なかなか顔を出してくれないものだから、何かあったのかって心配するじゃない」

「巫女アンズなかなかの失態です。

 ここまで寝坊するとは思いませんでした。

 いや~、まいったまいった」


 正座こそしながらも、へらへらっと頬をかきながら親しんだ母と語らうアンズだが、やはりその表情は気まずさが隠しきれていない。

 巫女としての仕事を斡旋してくれているナルミに対しては、アンズも報告義務のようなものを意識しており、仕事を終えると必ずナルミの元へ報告に訪れる。

 命を懸けることも多い巫女アンズの仕事ゆえ、ナルミを心配させぬためにも、その報告は早ければ早いほどいい。

 理想を言えば昨夜とて、遅い時間であろうとも夜警門番のトキガネに一言伝えてから寝ればよかった。流石にあれほどへとへとでは出来なかっただけで。

 寝坊せずにちゃんと朝早くにここへ来れていればその次によく、最も妥当だっただろう。

 起きるのが遅くなって、やっぱりナルミを心配させてしまったことには、アンズも申し訳なさを感じている。


「嘘をつく子じゃないのはわかってるんだから、わざわざ証拠を持ってこなくていいのに。

 そんなもの無くても、言ってくれれば信じるよ?」

「んあ~、これでも気まずいんだよう。

 私も、お母さんが疑ってくるとは思ってないんだけどさ」


 アンズは昨日ぼろぼろにされた巫女服を持参し、ナルミにも見せていた。

 切り刻まれて、血が滲んでおり、昨夜の窮状を物語るにはこれ以上ない証拠だ。

 寝坊した言い訳として妥当と言うつもりもないが、寝過ごすぐらいには大変でへとへとだったんだよ、と主張するには好材料である。

 これぐらい明確に、眠りが深かった根拠を示したくなるぐらいには、アンズも遅参を気にしているという表れでもあろう。ちょっとは必死なのだ。

 言うまでもなく、いま身に纏っているのは新品の巫女服。コナツにも言っていたことだが、予備ならいくらでもある。


「ともかく、問題なくお仕事を終えられたのね?

 よかったわ」

「はーい、色々あったけど万事解決!

 頼もしい巫女だと周知されるに相応しい仕事ぶりを果たして生き延びました!」


 寝坊した後は頭を抱えつつも、ちゃんと朝太鼓(昼だが)して神力を回復させ、さっそくその神力で全身の傷も癒して綺麗な身体になっているアンズである。

 あれだけ細かくも深い傷でいっぱいだった全身も、今はすべすべである。流石は神様の力。

 本当に大変だったが、今となってはあの苦難も過去の話だ。

 元気な自分の姿を演じるのは、アンズなりにお母さんをほっとさせるための配慮でもあった。


「よし、こっちに来なさい」

「えっ!? おこられる!?」

「怒られるようなことしたの?」

「してない!

 でもなんか怖い!」


 ナルミにこっちに来なさいと言われると、アンズは常に焦りがち。

 ひえぇと恐れるような手の動きと体のひねりは敢えての大袈裟だが、ナルミの"こっちに来なさい"は叱る時であった思い出が多すぎる。

 遅刻はやっぱりまずかっただろうか? いや、でも、ちゃんと説明したのだから流石にそれで怒ってくる人ではないと思うが……

 正座の姿勢から膝立ちになり、恐る恐るナルミに近付くアンズは、内心けっこう本気でびくびくしている。

 ちなみにそれはちょっと顔に出ているので、叱られるというか突っ込まれ得る心当たりの一つぐらいはあることを、その時点で白状したも同然ではあるのだが。


「めっ!!」

「いたいっ!?

 なんだかわからないけどごめんなさいっ!」

「何に謝ってるのか理解できないまま謝るのは駄目だって教えなかったかな~?」

「駄目ですね!

 反省しないまま謝るのは許して貰いたいだけですもんね!

 でもわかんない! おしえて!」


 ナルミに近付くや否や、額を指先でばっちーんと弾かれたアンズ。

 ナルミの額打(でこぴん)は強烈である。お怒りであることが、目の前に星が飛んだかと思うほどの痛みで確信するほどに。


 アンズは両手でおでこを押さえて目がきょろきょろ泳ぐ。

 寝坊したのに開き直ってのんびり朝食を摂っていたことは隠し通したい。


「あまり心配させないで頂戴。

 あなたは旦那様に恵まれなかった私の、たった一人の大事な娘。

 あなたに先立たれでもしたら、私がどれほど悲しむかはわかるでしょう?」

「ぁゎ…………お、お母さん……」

「大変だったことは重々理解したつもりよ。

 だけど、それでも、無茶をしてでも、少しでも早く来て欲しかったっていうのがお母さんの我が儘。

 あなたが巫女の道に進むことを認めたはずの今でも、私はどうしようもなく弱い母親のままなのよ」


 ナルミはアンズの背中に手を回し、きゅっと優しい力で抱きしめる。

 耳元で囁くようなナルミの声は、少し弱々しくさえアンズには聞こえた。

 それは、アンズの安否が確かめられない昨夜、心配で心配でたまらなかった彼女の心境を吐露したそのものでさえあるようで。

 親の心子知らずとはよく言われるが、これに触れて知らずにいられるほどアンズは鈍くないし、そんな子供もそうそういまい。

 血の繋がっていない愛娘を抱きしめるナルミの腕は温かく、愛されていることを実感するアンズは、あわや目にじわりと雫が溜まりそうですらあった。

 その気になれば嘘泣きの出来る大技を持つアンズだが、裏を返せば、彼女はそれだけ元から涙腺が弱いということでもある。

 要は泣き虫。嘘泣き出来ますよ、というのを案外隠さず明け透けに人に話すのは、そんな恥ずかしい自分を隠すやり方の一つなのかもしれない。


 温かく抱きしめてくれる母に、アンズはその手をナルミの背中に回して抱き返す……ようなことはしない。

 ナルミの両肩に手を置いて、そろそろいいよねと優しく離れようとする。

 が、離れられない。離れようとしたアンズの動きを察知して、なんだか急にナルミの抱きしめる力が強くなった。

 逃がしません。


「ち、違うっ! この抱きしめる強さは母の愛じゃないっ!

 お母さん離してっ! なんだか嫌な予感がするっ!」


「それはそうと、あなた起きてすぐ、ここに来た?

 あまりに寝坊したからって、今さら急いでもどうにもならないと思ってゆっくりしてきたんじゃない?」


 もがいていたアンズが硬直した。

 そう、寝坊したアンズはその時こそ顔面蒼白になったものの、落ち着いたら開き直って、ゆっくりご飯を炊いておすましを作り、のんびり朝食を摂ってきた。

 だってあれほど度を超した遅刻、今さら焦ってもしょうがないんだもの。

 人間、ちょっとの遅刻なら焦りもするが、四半日超の大寝坊ともなってしまえば、かえって今さら慌てたところでどうしようもないことを悟りがち。

 ご飯を食べて、落ち着いて朝太鼓して、傷を癒して、別に走りもせずのんびり歩いてここに来た次第である。

 絶対完全どうにもならないことなんて、わざわざ一切合切どうもしなくて良い。生き苦しくない生き方というのもある程度は重要だ。


 耳元で低い声で問い詰めてきたナルミは、アンズのそうしや寝起き後ののんびりっぷりを明らかに看破していた。

 すげえ。お母さんすげえ。なんでもお見通しだ。

 親というのは我が子の嘘をあっさり看破してくるものだが、喋ってもいない隠し事を勝手に見抜いてくる親も別に珍しいものではない。

 何年も、毎日見守り育ててきた我が子の普段の行動なんて、ちょっと真剣に考えれば容易に想像がつくのだから。

 これはやべえと焦って両手に力を入れ、自分を捕獲したナルミから逃れようとするアンズだが、ナルミの腕力はアンズを離さない。

 そりゃあ若くてばりばりに荒事をこなすアンズが、本気の全力でナルミを押し倒せば離れることも出来るが、大好きなお母さんにそんなこと出来るはずもなく。


「ご飯、食べてきた?」

「お、お腹いっぱいですぅ……

 あんまり全力で抱きしめてお腹圧迫されると吐いちゃうかも……てへへ……」

「ええ、昨日は頑張ったんですものね。

 随分をお腹を空かせていたでしょうから沢山食べたでしょうね。

 待たせれば待たせるほど私を心配させると知りながら。

 絶対完全どうにもならないことなんて、わざわざ一切合切どうもしなくて良い。賢いけれど誠意とは真逆の考え方よね」


 不誠実は、隠し通せなかった場合に大目玉である。

 アンズは諦めた。もう逆らいませんとばかりに、膝立ちで抱きしめられたまま両手をだらり。降参である。

 そうしたらナルミも強く逃がすまいと抱きしめていた手を離し、至近距離でアンズの顔を見上げてくる。

 にっこり。怖い笑顔というのは往々にしてよくあるもの。


「お仕置き。

 正座して神妙にして受けなさい」

「はい、すいませんでした」


 ころっと表情を変えたナルミの冷たい無表情は、それなりに怒っている時の顔。

 幼い頃はやんちゃだったこともあり、この人によく叱られて育ったアンズゆえ見慣れた、そしてよく知る顔でもある。

 ぴしっと背筋を正した正座をし、両手を腰の後ろに回して無抵抗を表すアンズの前で、ナルミが片膝立ちになってアンズを見下ろす。


 ナルミはその掌をアンズの顔にひたりとつける。 

 そしてその中指をもう片方の手でつまみ、弓を引く剛腕の如く、ぐぐっと引き絞る。

 片手でやるより遥かに威力の高い、引き絞った中指によるナルミの額打(でこぴん)は、粗相した我が子を強烈に躾けるお決まりの鉄槌である。


「…………」


「お、お母さぁん、早くしてぇぇ~……!

 こ、怖いんだからこれぇ……!」


「…………」


「今どうせちょっと笑ってるでしょぉ!?

 お母さんそういうとこあるからねぇ!」


 引き絞られる中指。アンズは眉間に皺を寄せてぎゅっと目を瞑っている。。

 やるんなら早くやって欲しい。めちゃくちゃ痛いのが経験上わかっているだけに、焦らされるこの時間がたまらなくきつい。

 それも含めて罰だと言われるなら呑むしかないが、ナルミはそういう悪戯心も持ち合わせている人物だと身内は存じており、当然アンズも承知の話である。


「喋ると舌を噛むわよ。

 黙ってじっとしてなさい」


「っ、っ……っ~~~~~…………!」


「…………………………………………」


「……………………ま、まだぁ!?

 お母さんいじわる……あいだぁ゛っ!?!?」


 ばっちーん。本当に音が出た。

 アンズがひっくり返るほどの威力である。両手で額を押さえて、ごろんとうずくまるアンズの姿からも見て取れる痛打。

 女の命である顔への強打など母にしか許されざることであり、それとて我が子が相当な粗相を仕出かした時にしか限られぬ所業であろう。

 残念ながらその条件には合致しており、アンズはこの苛烈な罰に対して、一切の抗弁の余地も無いのである。


「立派な巫女と呼ばれるものに近付いていることは認めましょう。

 だけど母として、あなたは娘として未だ未熟であると強調するわ。

 よく考えて頂戴ね」


「あ、あ゛ぁい……

 わかり、まひた……」


 愛情深き母のありがたいお言葉である。

 苦境を乗り越え生き延びた実績だけはちゃんと重ねて賞賛してくれているのだから、理解ある大人としての言葉の選び方に隙一つ無い。

 痛みのあまり声が濁るほどの返答で平伏するのが、今のアンズの精一杯であった。











「それで額がそんな風に赤くなってんのか」

「鏡で見てびっくりした。

 お母さん、年を重ねるごとに衰えるどころか指力(ゆびりょく)強くなってる気がする」

「指力なんて初めて聞いたわ」


 夕時前、アンズは昨日の約束どおり、山波村を訪れてくれたコナツと語らっていた。

 近いうちに遊びに行くと言っていた彼だが、さっそく今日来てくれたことにアンズは大喜びで、今は茶店(ちゃみせ)でお団子をついばみながらのお喋りだ。

 玉依御殿を出た後は、とある畑のお手伝いという御奉仕に勤しんでいた彼女、おろしたての巫女服もさっそく土で汚れている。

 山波村に遊びに来て、アンズを探して見つけた時、昨夜あれだけ大変な目に遭ったのに、もう元気に畑仕事をしている彼女を見たコナツもなんだか安心した。


「お前が成長したから手加減しなくなってるだけじゃねえの」

「あ、なるほど。

 その発想は無かった」

「その年になって母さんにそこまできつく叱られること自体がなかなかねえもんな。

 そりゃ発想することも少ねえだろうさ」

「うぐぐ、あんまりいじらないで。

 言われなくてもわかってることわざわざ言われるのつらい」


 笑いながらからかってくるコナツと、未だひりひりするおでこをさすりながら苦笑いするアンズが並び座る姿は、道行く人々には新鮮な光景だ。

 誰にでも優しく愛想の良いアンズがああして誰かと談笑するのは珍しくないが、山波村の村人以外の同い年の異性とあんなに楽しそうにお喋りする姿は珍しい。

 やや八方美人と見えながら神職者として身持ちも固いアンズは、人付き合いが広い割には浮いた話の一つどころかそんな気配すら見せてこなかった。

 もしかしてあのアンズにもついに春が? と、まさかなぁと思いつつ微笑ましく見守る村人達は、声をかけたりもせず一目見て素通りしていくばかり。

 コナツはそんな風に見られているとは露にも思わず、道行く人々に淑やかに手を振りながら自分と話すアンズに、愛されてる巫女なんだなぁと思うのみだが。


「それにしても、カムロの旦那なぁ。

 俺もあの人とは面識あるけど、そんなことする人だとは全然思えないんだが」

「私もおんなじ気持ちなんだけどなぁ。

 ただ、確定してるわけでもないんだけどね。

 顔を確認できてないし、声が似てたってだけ止まり。

 それに今にして思えばあの人、傷ついて余裕が無くなってきたら声変わってたような気もするんだよねぇ」

「声は似かしてただけの可能性もある、ってことか。

 まあ、あんまりそっちに考えを寄せすぎるのも良くないかもしれないけど。

 俺もおんなじ気持ちだけど、信じたくないってのが本音にあるんだろうし」

「そうなんだよね~。

 表向きと内心が必ずしも一致しないのは私もわかってるけど、あのカムロさんが実はあんな人だったなんて、信じたくない気持ちは未だに強いんだ」


 昨夜自分を追い詰めた相手がカムロであろうことは、アンズもナルミに報告してある。

 ただ、それに際しても、顔は見ていないから確定ではないことも強く推しておいた。

 カムロはわざわざ山波村に訪れてくれることも多かった商人であり、村にもたらしてくれた恩恵も多く、人格面でも高い評価を得ていた人物だ。

 ナルミですら、確定ではないことに少しほっとしたような顔であったほど。

 村の統治者としてアンズの証言を軽視することは無いだろうが、ナルミですら、カムロがアンズを手にかけるようなことをしたのであればひどく落胆する。

 カムロが山波村で築いてきた信頼というのはそれだけ大きかったのだ。


「まあ、考えても仕方ないしな。

 どっちにしたって、また敵対するようなことがあるんだったらその時は、今度こそ逃がさず徹底的にとっちめてやればいいだけの話だろ」

「んふ、そうだね。

 こんなことで気を揉んだってしょうがないよね」


 一応、明日にでもアンズは桑原村に赴いて、カムロが泊まったという旅籠にでも話を伺おうと思っている。

 昨夜のうちにそれが出来れば一番良かったが、あれだけ余裕も余力も無い状況で、藪の蛇をつつきに行くのも得策ではなかったという見方もある。

 それで得られた情報で、カムロについては後で考えればいいだけの話だ。


 所詮、有事の際にはその時の判断が全てである。

 一瞬の判断に命を懸けてきた経験の多い二人にしてみれば、未だ遠き憂いに過ぎた苦悩を抱えても仕方なく、直面したその日に対応すれば充分という結論だ。

 二人に限ったことではないが、修羅場を踏んできた者の器は大きくなる。

 庶民ならば怖がるようなこととて、歴戦の者にとっては些事だなんてのはよく聞く話だ。


「まあ、なんにせよ元気そうでよかったよ。

 昨日は傷だらけだったけど、それも一夜で治ってるみたいだしさ。

 神様の力ってのはやっぱり凄いんだな」


「……あ、そうだ。

 コナツ、そう言えば今日は晦日だよね。

 ちょっとだけ神事あるんだけど見ていかない?」

「神事? なんかあるのか」

「うん、月末必ずやってることがあるんだ。

 思えば弥生も末日だし、今日はやっとかないとって思ってたんだ」


 決して娯楽も玩具も豊かでない世の中、神事というのは人々にとって貴重な楽しみの一つである。

 お祭りだってそうであるし、神事が予告されることあらば、人々はその日を楽しみに待ちながら日々を過ごす。

 明日の生存をも約束されていない者達にとって、未来の楽しみが約束されていることの尊さは言うに及ばない。

 信仰薄くなったとされる山波神社とて、山波村における存在感は未だ薄れておらず、それはアンズがしばしば"神事"を執り行うからでもあろう。


「人を集めてやるほどのものでもないんだけど、山波村ではみんなに褒めて貰えてるやつなんだ。

 ねね、是非見ていって。いいもの見せてあげられる自信あるから」

「うん、わかった。

 楽しみだな」

「やった!」


 コナツも心なしかわくわくする胸の高鳴りが笑顔に溢れている。

 アンズはそれ以上に、毎月自分が催しているその神事を、新しい友達に披露できることに胸を躍らせる。

 食べていたお団子を串から二個まとめて噛み抜いて立ち上がり、行こうとばかりに急かすアンズの無邪気さに、今の彼女の嬉しさはありありと表れていた。


 黙って見守るテンジンも微笑ましい。

 自身の信仰再興のために苦労をかけている我が子のような巫女が、こんなに楽しそうに神事を語る姿には胸が満たされる。

 苦しいことも多い神職者としての務めに、嫌々従事しているわけでない姿を見られるだけで、心の底からほっとするというものだ。











 山波神社の巫女であるアンズは、雷神様に仕える神職者ということで、神事の際には太鼓を叩く。


 朝太鼓(あさだいこ)。神力回復のために寝起き一番で打つ神事。

 真昼太鼓(まひるだいこ)。めでたいことが起こった時に真昼時に打つ神事。

 祭太鼓(まつりだいこ)。文字どおり、お祭りを開催した際に衆目を前にして太鼓を打つ神事。

 大奉太鼓(おおまつりだいこ)。未だアンズは経験が無いが、山波神社の神事の中でも最高峰のものであり、余程に特別な時にのみ行われるものである。


 そして、暮太鼓(くれだいこ)

 毎月月末、今月も皆様お疲れ様でした、来月も健やかで幸せな日々が続きますように、とアンズが祈りを込めて叩く神事である。

 決してそれが、神様の力と直結していて、何かを起こすわけではない。

 そもそも暮太鼓そのものが、昔からある伝統的な神事ではなく、アンズが望んで始めた比較的新しい習慣に過ぎないのだ。

 今日までの生存と明日以降の降伏を願い、アンズがその願いを込めて太鼓を叩くだけの神事に、テンジン様の御力そのものが何ら関わることもない。

 解釈のしようによっては、とある一人の神職者が、好きでやっているだけの行事と言い表しても間違いではない。


 その上で、暮太鼓は、山波村に住まう人々にとって、毎月最も楽しみな神事として定着している。

 神様の実在を心から信じなくはなった者達にとって、それは決してありがたみを期待する楽しみなどではない。

 心の底から山波村の、そしてそこに住まう人々の幸せを願うアンズの想いを、彼女の打つ太鼓の音から実感できるという楽しみ。

 そして何よりも、もっと単純明快な――


「始めるのか?

 神事って言うからには、人を集めてやるものじゃないのか」

「いいのいいの。

 太鼓の音はちゃんと村いっぱいに響くから。

 近くで見なくてもみんなの耳には届くんだ」

「それも、神様の力?」

「ふふ、これは本当なんだからね?

 次の機会があれば、神社の外で聞いてみてもいいよ。

 村の反対側にいても必ず聞こえるんだから」


 アンズは神社の境内の真ん中に茣蓙(ござ)を敷き、そこへ本殿から持ってきた太鼓を、組み木の上に置く。

 自分は砂地の上に地べた正座である。神事ゆえのしきたりなのか、草鞋を脱いで裸足にまでなって。

 傍から見るコナツには、膝が痛くないのかとも見えるのだが。


(テンジン様、今日もよろしくお願い致します。

 私の音、村の皆様みんなにお届け下さいね)

『うむ、お安い御用だ。

 私の神力を以って、村いっぱいにお前の太鼓を届けよう』


 脳裏でテンジンに願い出るアンズに、傾けた太鼓の上に腰かけたテンジンもまた快い返事をする。

 信仰薄き今のテンジンでも、その神力を以って、この村いっぱいにアンズの太鼓の音を届けることは叶えられる。

 雷神らしい神力の用途とは考えにくく思われがちながら、神事の開催を広く民に届けることもまた、神様の力で果たせる御力の一つ。

 きっと全盛期の信仰があれば、山波村や山波国のみならず、和大国全土までアンズの太鼓の音を届けることも可能なはずである。


「コナツ、ちゃんと見ててよね?

 私が神職者として神事を果たす、かっこいいところ」

「聞いててね、じゃないんだな」

「ふふ、見ればわかってくれるって信じてる。

 私の全力と、どれだけ巫女というお仕事が好きなのか、そのすべてを」


 にかっと笑ったアンズは撥を握り、目の前で斜めに構えられた太鼓の横っ面に向き直る。

 息を大きく吸う。そして、はぁと深く吐く。

 友達に晴れ舞台を見てもらう少女の横顔が、神職者のそれに変わったことを見たコナツは、自らも砂地の上に腰かけてこの一幕を見届ける。


 撥を握る両手を一度大きく挙げ、一時の間を挟み、アンズがその撥で革張りの太鼓を叩き始めた。

 はじめは非常に速い律動で太鼓を叩き始め、徐々に速さを抑え、しばしば一瞬の間を挟み、まばらな拍子の叩きを敢えて作り。

 その序奏に続き、時にしてひとっ風呂ほどの長い時間、アンズが断続的に太鼓を打つ"暮太鼓"が続いていく運びとなる。




 古来より、打楽器と呼ばれるものは、人類に文化と呼ぶに値するものが実在したか怪しまれるほど太古の頃より、実在していたと見られる。

 何せ、今でも宴会の場では恰幅のいい男性が、裸のお腹をぽんぽこ叩いて芸をすることがあるほどだ。

 手を叩くだけで音は出る。嬉しいことがあれば、あるいは見事なものを見た時に、人は手を叩くことでその感情を表現する。

 打楽器の歴史というものを紐解けば、そこには必ずしも道具というものは存在しなくても構わない。

 人が人である限り、その手や足と地があるだけで、そこに"打楽器"が存在していると称して何ら差し支えないからだ。


 音は、娯楽であり、人々の感情を豊かにするものの一つにして、その存在感は並々ならない。

 琵琶が生まれ、尺八が流行り、鈴が神事にも使われるものとして名高くなっても。

 幸せな時に手を叩く人々の文化は廃れることなく、きっとアンズ達が生きる千年後になってもそれは途絶えない。

 いつか"音楽"という単語が人々の間に定着し、それが持つ力が人類史における大いなる文化と認知される日が訪れることあろうとも。

 音程も無く物を打つだけの律動が、人々の心と魂を揺さぶるものとして忘れ去られぬこともまた、打楽器の廃れぬ歴史からも明白な真理である。


 太鼓を打つ者は、叩くだけだ。

 尺八のように、指を操り高音と低温を使い分けて、聞く者の耳にわかりやすい変化を表現するわけではない。

 琵琶のように弾く弦と指使いで音階を刻み、節奏と併せて楽器一つで無限の音を奏でるわけではない。

 速く叩き続ける時間と遅く叩き続ける時間、時には不規則な拍子を挟むことで、その変化を聞く者の耳に届けるだけ。

 ただそれだけだ。きっと太鼓は、楽器として、他の楽器に比較すれば多くのことが出来る楽器ではないのだろう。

 その上で、打楽器が持つ魅力に心奪われ、それを打つ楽しみに心奪われた者も、その音を聞くことを至上の楽しみとする者は、必ずどの時代にも実在する。

 必ずだ。


 人々が集う雑踏の、不規則な足音。

 楽しみな何かに向けて足が流行る若者の駆け足。

 年老いて元気には走れなくなった老人の、しかしながら嬉しい時には十歳ほどは若返れたような心地よい足運び。

 何をするにも元気いっぱいな子供達の軽快なはしゃぎ足。

 昨日まではあまりいいことが無く、落ち込んだ歩みが癖になりながらも、今日が楽しい祭りだと思えば軽くなる足取り。

 さあ、どうだろう。

 神事と称して太鼓を打つ、速さに混ぜて不規則を叩くアンズの太鼓には、それがきっと表れている。

 今日は神事だ。今日までを生き延びた皆様のことを祝福し、明日以降の人々の幸福を心から願う、月末という名の大いなる境日。

 この日を迎えられた人々の喜びと、明るい明日を夢見る人々の、様々な希望ある足取りの音をそこに表すかのようでいて。

 決して半秒として途絶えることなく、そこに今ここにある人々の実在を謳うその律動は、彼女が訴えたい人の世の泰平を象徴する。


 テンジン様の力によって、山波村に住まう人々の耳には、アンズのその太鼓の音が届いている。

 道行く人々も。

 遊んでいた子供達も。

 やることが多く手の休まる暇の無い畑仕事に勤しんでいた農夫達も。

 接客の真っ只中であった局地的に忙しかった商人でさえも。

 その耳に、アンズの太鼓の音が届き始めるや否や、手を止め、足を止め、話すことすら一度は止めて、みな一様に山波神社のある方角を意識する。

 そして、口を開く者もいる。発せられる言葉は一色しかない。

 始まったね、だとか。そういえば月末だったね、だとか。

 すなわち、聞き慣れたアンズの暮太鼓のことを話題にし、大人も、子供も、耳に届くその音に聞き惚れながら、そばにいた者と談笑に耽るのだ。


 音楽の持つ力は底知れないと、やがては語られるようになるのだろう。

 それこそ、共通の言語を持たぬ異国の者達との間ですら、心震わせる音楽は共通の魅力を理解し合えるものだから。

 まばらな、気まぐれなようで、それでいて確かに、演奏者の意図を以って刻まれる太鼓の音程無き拍子が、耳に届いた人々を胸の底から楽しませる。

 音は、打楽器は底無しに魅力的だ。

 単純なことしか出来ないはずのそれが、何千もの人の心を揺り動かす実例がここにあった。




(……そうか、わかった。

 だから誰も、見にも来ないし、遠くから聞くだけなんだな)


 しばし聞いていただけで、コナツにもアンズの叩く暮太鼓が、儀式的な意味ではなく、聞く者の心を揺さぶるものだとは己の感性を以って確信できた。

 だからこそ、ふと思うのだ。

 どうして毎月晦日の夕時に、必ずやるとこの村では周知されるこの暮太鼓に、人が集まってこないのか。

 これはアンズがその気になれば、きっと商売盛んな隣国摂泉(せずみ)の地で、お金を稼ぐことすら出来るであろう見世物だ。

 ただでさえ彼女と親しみ、この音の魅力を最もよく知る村人達が、誰一人としてこの時間、神社に集わぬことがコナツには心底不思議にさえ思えていた。


 もう、わかった。アンズの横顔を見れば、みんな同じ気持ちになるのだろう。

 いつ速くなるのか、いつ遅くなるのか、アンズ以外の誰にもわからない、彼女が明確な意図を以って刻む太鼓の律動。

 時々、アンズは少し苦そうな顔をする。傍目にはわからなくても今、彼女の中でのみわかる、ほんの僅かな失敗があったのだろう。

 速い拍子で叩き続ける中、それを急減速させた瞬間に、やった、とばかりに目を輝かせる。難しいことを上手く達成出来た子供の顔だ。

 きっと彼女は、何百人もの衆目に晒された中で暮太鼓を打とうが、一切周りのことなど気になどなるまい。

 己の世界に没入し、心の底から、神事であり好きなことでもある暮太鼓を楽しむ姿は、その表情と、弾みの大きい肩の動きからも明白である。

 見た目にも可愛らしいアンズのこのような姿、目視できる機会とあらば村人はいっそう集まってきそうなものながら、そうならぬ理由もコナツには理解できる。


 邪魔をしたくない。

 一声も発さず、彼女の耳に届く音を生み出さず。

 忘我の中にある彼女の世界に、夢中を途切れさせるものを一筋たりとも差し込ませたくない想いが、自ずと胸に湧いてくる。

 あんなに楽しそうなのだ。あんなに、嬉しそうなのだ。

 アンズを見かければ彼女に手を振り、声をかけ、彼女が去った後も、今日も元気なあの子について隣人と語らう、アンズを愛する村人達。

 彼女の意識を遮らぬ神社の外で、この音を聞きながら、


 始める前に、アンズはコナツにも教えてくれた。暮太鼓とは、今月を生きて過ごせた人々への祝福と、来月もまた幸あらんと望む祈願を併せた神事だと。

 山波村は、ここにある。人々は、ここに過ごせている。

 それが如何に幸福であることなのか、妖魔や山賊の脅威に晒されて、滅びた村も数多ある現実を知るコナツにはよくわかる。

 こうして暮太鼓を執り行えることそのものが、そして村人がその音を楽しめることそのものが、今のアンズの喜びの源泉に他ならない。


「………………ん……?」


 ふと、コナツは目をこすらずにはいられなかった。

 見間違いだろうか。いや、目を拭ってもまだ見える。

 アンズが叩く太鼓の上に腰かけた、座敷童よりも小さな、朧気で形だけが認識できる程度の、しかし人の形をした何か。

 不思議と、わかる。傾けられた太鼓の上に胡坐座りのそれが、楽しそうなアンズの顔を眺めて微笑んでいることが。

 そしてアンズもまた、しばしばそれに目を送り、汗を拭いもせず、胸を張るような笑顔を浮かべているのだ。

 まるでそれは、成長し、こうして神事を下手せず執り行えるようになった自分を、最愛の父に誇る娘のそれのようだとコナツの目には映った。


(……神様、か?

 いや、まさかな……)


 神職者でもない自分に、神様の姿なんて目に出来るものか。

 頭ではそう確信めいたものを持ちながら、あれほどアンズが言葉無く、その目だけで幸せそうに対話する相手が、それ以外にいるのだろうかとも思い。

 もう一度目を拭ってみても、やはりそれは確かに実在する。

 不可思議な景色とは多くの場合、妖魔の表れる予兆であることが多く、そこには警戒心や不気味さを抱くのが、コナツのこれまでの生き方の上にある。

 そんな彼をして、これまた不可思議なことに、今の理に合わぬ光景が、得難いものを見られた幸運めいたものさえ感じる。

 人ならざるあれは妖魔ではない。確信できる。

 ならば、あれはやはり――


 ふ、と笑ってコナツは考えるのをやめた。

 余計なことを考えちゃ勿体ないじゃないか。

 今はただ、あの楽しそうに太鼓を打つ、無邪気な巫女の姿とそれが奏でる歓喜に満ちた音に耳を傾けようじゃないか。

 いつ終わるとも知れぬこれを楽しみきれず、また来月までもう一度はじめからじっくり聞きたいと、惜しむようなことを自ら招くこともあるまいとも。

 人々の安寧を心から望む、輝かしいほどの気位に満ちた巫女を、目を細めつつ眺めながら、コナツは彼女の演ずる暮太鼓に没入する。

 演者も、聞き手も、己の世界に意識を沈め、互いに遮らぬ最高の形で、最高のものをもたらし、授かり、双方の至福の時を為す。

 真に素晴らしき演奏は、それが何よりであることを言葉無く聞き手の耳に伝え、教えてくれる。


(……テンジン様)

『うむ』

(私は、立派な巫女として在れていますか?)


『誇らしい。

 当代、お前に代わる山波神社の神職者はいない』

(ふふっ……!

 嬉しいです、テンジン様……!)


 神様からのお褒めの言葉に、まず発すべき感謝の言葉よりも、込み上げてくる一番の想いを真っ先に伝えて。

 暮太鼓の締め、速く、長く、両手の撥で張りのある太鼓を連打する動きを、極めて冷静にしくじらぬよう打ち続け。

 そして、一度止めれば最後の拍子。

 ととん、とととん、ととん。

 初めて暮太鼓を聞くコナツにも、なんとなくそれが最後の音だとわかる拍子ののち、ふぅと息を吐いたアンズが撥を膝元に置いて消す。

 やっと額の汗を拭ったアンズが、正座したまま天を仰いで、両手をだらりと降ろした姿は、お疲れであることがよくわかる様子である。

 楽しんでいたように見えても、忘我すなわち極限の集中力。使うのが身体の一部に過ぎなくとも、心身共に疲弊するのは当然というものだ。


 彼方から、ぱち、ぱち、とかすかに聞こえる、手を叩く音。

 見世物を囲う観衆の万雷の拍手ではなく、良きものに触れた人が思わず少しだけ手を叩かずにいられない、ある意味で最も率直な賛辞。

 コナツもそれを聞いて、二度三度ほど手を叩き、アンズの暮太鼓に賛辞を贈ることを厭わない。

 それを受け、照れ臭そうに笑いながら、沈みゆく西日に顔を向け、今月の終わりの近付きを見届けると共に、新しい明日の始まりを意識するアンズの横顔は。

 己のみならずこの人の世に生きる、あまねく皆様の幸ある希望を追い求める巫女の姿として、その気高さを物語るかのよう。

 今一度流れる汗に煌めく彼女のその表情に、同い年のこいつに俺も負けてはいられないなとコナツも感じる。


(テンジン様。

 明日も、来月も、来年も、精進して参ります。

 お力添え、よろしくお願い致しますね)

『ふふ、望むところである』


 目を閉じ、改めて天を仰いで神様に脳裏で語りかけ、色よい返事を賜ったアンズ。

 そしてこの日、晴れ姿を見に赴いてくれた友達に体ごと向き直り、彼女が親しい相手によく見せる仕草。

 立っても座っても、この子が好きな相手にやることは変わらない。


「コナツ!

 見ててくれた? よかったでしょ!」

「ああ。

 来てよかった」


 腋を晒してでも、相手に好意いっぱいに呼びかける時、大きく手を振り満点の笑顔。

 コナツが今日この場に居合わせて知れた、最も得難い真実は。

 山波神社の巫女アンズは、どんな時でも前向きに、目指す道をひたむきに駆け抜けんとする、不屈の求道者であるということである。


 来てよかったとも。暮太鼓を聞けたことだけじゃない。

 友達の新しい魅力を改めて知れたことが、コナツは何よりも嬉しかった。

ここまでを第一章とします。

次話からが第2章で、一週間ほど準備期間を頂きます。

第21話の公開は5月10日とします。

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