↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アレクサンダー英雄戦記 ~最強の土魔術士~  作者: 大野半兵衛
十六章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

136/160

136_帝国激震

【書籍化】アレクサンダー英雄戦記

本作品が書籍化されることになりました。

発売予定は2020年12月2日の予定です( ^)o(^ )

Amazonで予約できますので、予約してやってください!

 


 一カ月ほどで領内の街道整備を終えたアレクは、ケストリス町のテオドシウス城に帰還した。街道整備の途中で気になったことがあったので、マリアとクリスを呼んで相談することにした。

「すると、セトニア町の北東に大きな存在感があったのね?」

「そうなんだ、クリス姉さん。あれは普通の土や石じゃないと思うんだ」

「鉄の鉱床かもしれないわね」

「うーん、鉄とは何か違った気がしたんだよ。なんと言うか、僕の魔力を弾く感じなんだよね」

「魔力を弾く? ミスリルなら吸収するわよね?」

「そうなんだよ。ミスリルとは真逆の性質の何かだと思うんだ」

「マリア。思い当たることはないの?」

 クリスが水を向けると、マリアはお茶で口の中の菓子を流し込んだ。

 デーゼマン五等勲民は今や中級貴族なのだが、その令嬢としては褒められた所作ではない。

「アダマンタイト」

「「え?」」

 マリアが呟いた言葉は、アレクとクリスを驚かせるに足るものだった。

 アダマンタイトはミスリルよりも貴重で、マーロ合金以上の強度を誇る金属だ。その名はアレクやクリスでも知っているが、ミスリルと違って市場に流通することは滅多にない。なぜなら、この大陸にアダマンタイトの鉱床はないとされているからだ。


「そ、それは本当なの?」

「調査すればいい」

「そうね、調査してみましょう」

 そこでマリアはまた菓子を食べ始めたので、アレクとクリスでアダマンタイトの調査について話し合う。

「ザクル兄さんは忙しいかな?」

「鉄製品の生産がやっと軌道に乗ってきたところだから、難しいわね……」

「それなら、ヘリオ町からハッタ・モッタさんを呼び寄せる?」

「あっちはあっちで、銀の精錬や銀製品の生産があるから、地元の鍛冶師と山師を集めるしかないわね」

「それじゃあ、僕がやるよ。近づけばすぐに分かると思うから、時間もそんなにかからないと思うし」

「でも、アレクも忙しいでしょ?」

「大丈夫だよ。ぱーっといって、ぱーっと帰ってくるから」

 最近のアレクは、ある意味諦めの境地に達しているかもしれない。

 十歳の頃から魔力を枯渇させる毎日だったが、最近は簡単に魔力が枯渇しなくなった。それでも、城壁を築いたり道を整備するのは大量の魔力を消費した。ちょっと前だと、ヘルネス砦を更地に変えた。

 そんなことをしていると、忙しさに感覚が麻痺するのかもしれない。


 アレクはさっそく城を出てセトニア町へと向かった。


 ▽▽▽


 王城内の宰相府の一角にある部屋では、部屋の主である藍色の髪の人物が窓の前をいったりきたりと、何やら考え事をしていた。

 眉間にシワを寄せたその人物は、宰相府のナンバーツーであるステイラム・オイゲンスである。

 先日、国王から気になることを聞いたステイラムは、時間があるとこうやってどうすればいいのか悩んでいるのだ。

「まさかカタリナ殿下が婿殿を……」

「ラーレはどうすれば……」

 ぶつぶつと呟きながら歩く。


「統括補佐官!」

「統括補佐官!」

「統括補佐官!」

「統括補佐官!」

「ん、何かね?」

 何度か秘書が声をかけて、やっと気づく始末である。

「王太子殿下がお越しになりました」

「何!? 早くそれを言わぬか! すぐにお通ししなさい」

 何度呼びかけてもぶつぶつ言って窓の前をいったりきたりしていたのはステイラムなのだが、ステイラムにそのことに気づくだけの余裕はない。


 ソファーに腰かけた王太子は、ステイラムのやつれ具合を見て一つ息を吐く。

「統括。酷い顔だぞ」

「お見苦しいものをお見せし、心苦しい限りにございます」

「いや、統括の気持ちも分からないではない」

 二人が苦笑する。

「本日、カタリナに会って、陛下の言葉の真意を聞いてこようと思っている」

「し、しかし……」

「ああ、統括が心配するのは分かる。もし、カタリナが英雄殿を思っているのであれば、陛下はカタリナを英雄殿に嫁がせるかもしれぬ」

 今でもカタリナを溺愛している国王は、最近のカタリナの様子を恋する乙女のそれだと考えている。

 王太子の言葉を聞き、ステイラムは口を一文字にする。

「だが、すでに英雄殿には統括の娘との間に嫡子が生まれている。そのことを盾に陛下を諫めるつもりだ」

「お手数をおかけいたします」


 この後、王太子はカタリナの元を訪れる。

 そこでカタリナが語ったことに、王太子は頭を抱えるのだった。


 

面白かったら評価してやってください。

☆☆☆☆☆ ⇒ ★★★★★


誤字脱字は誤字報告してくださると、助かります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。