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第7話 実技試験2

「ホン君強い」

 試験が始まり、一番最後に洞窟に入った俺は思わずそう言った。

 ルドルフさんの言葉通り、洞窟内には多くのモンスターがいた。オークやオーガクラスがほとんどで、数もそれほど多くはない。しかし壁にあらかじめかけられたのだろう松明を除き、明かりがない洞窟内は薄暗く。薄暗い中音もなく現れるモンスターを相手にするのは中々厳しいものがある。

 しかし、ホン君はたった一人でほとんどの敵を倒すのだ。

 俺の出る幕もない。

「ホン君強いんだね」

「そうでしょうか。リヴァよりも弱いと思いますが」

「それは分からないわよ。でも少なくともダン君よりも強い気がする」

「さあ。ダンと本気で決闘したことがないので分からないですね」

「そっか」

 なんて会話をして。

 そう言えばホン君と会話をしたことが全然ないことを思い出す。

 ずっと図書室で勉強をしているイメージがあったがために、運動はからっきしのイメージがあった。

 少しだけホン君へ対する評価が変わる。

「そう言えば、ホン君何歳?」

「17歳です」

「ということは私の、えっと…………1つ下か」

 危ない危ない。自分の年齢設定を忘れかけていた。

「今まで実力を隠していたの? どうして?」

「それはあなたも同じではないですか?」

「確かにそうだね」

 ディーナさんが少し離れた所で聞き耳を立てている。

 だからこれ以上この会話は良くないと思った。その気持ちを察してか、ホン君が会話を変えて来る。

「騎士見習いが現役の騎士でも倒せない相手を倒すなんて、おかしな話ですね。私の友人みたいです」

「友人?」

「彼も私たち同様同じ騎士見習いですが、実力はそこらの騎士よりも上です。この試験に合格すればお会いすることができるでしょうから、一度お話してみてください。彼は良い男ですよ」

「なんて名前?」

「アダンです」

「アダンさんですか?」

 すると暇そうにしていたアラン君が興味を示した。

「知っているの?」

「知っています。合同訓練で一度お会いしたことがあります。僕の憧れの一人です」

「へぇ」

 アラン君までそう言うなら、そういうすごい男なのだろう。

 カリスマがあり、実力があり。良い男なら女性からモテるに違いない。

「無駄話をする余裕があるのは良いことだが、お前たち。今は試験中だ。静かにしろ」

 そんなディーナさんのお叱りで俺たちの会話は止まった。



 どれだけ歩いただろうか。

 少しずつだがモンスターの数が増えて来る。

 ホン君一人では対応できなくなってくると、俺、そしてアラン君も戦い始める。

 アラン君には荷が重いらしく、俺が助ける形でモンスターを倒す。

 これが良い結果になるとは思えない。試験中であり、アラン君は試験官であるディーナさんとフィオナさんに良いところを見せないといけない。

 でも助けないのは個人的な正義に反した。

「アラン君大丈夫?」

「大丈夫です」

 長距離を歩いたことと、その道中の数度の戦闘でアラン君に疲労が見えてくる。

「そろそろ休憩にしましょうか?」

 そう俺は提案することにした。アラン君はふぅと大きな深呼吸とともに剣を床に置き地べたに座った。

 洞窟内のモンスターは可笑しなことにディーナさんとフィオナさんの二人を襲うような真似はしない。

 挑んで敗れるからとか、ディーナさんが放つ覇気にやられてとか、そんなわけではないはずだ。それならまずモンスターが出ない。

 少しだけこの試験に違和感を覚える。

 何かが可笑しい。

 なんて思っていると、ふと知らない男の顔が隣に見えた。

 驚いた俺はそのまま立ち上がり、その男と距離を取る。そして男を探すが見当たらない。

「どうしたのですか?」

「今、隣に誰かいたから」

「いませんでしたよ?」

「いや、絶対にいた」

 はっきりと男の顔が見えた。

「リヴァは見えるのか? いや、見えたが正しいか」

 するとディーナさんがそんなことを聞いてきた。

「どういうことですか?」

「いや、何。リヴァ。今、お前の評価が少しだけ上がっただけのことだ」

「はい?」

 意味が分からない。

「彼はシャイみたいだ。あまり気に留めないでやってほしい」

 違和感の正体にやっとで俺は気づく。

 今、確かに男が見えた。

 そしてこれまでのディーナさんの言葉から。

 その男はすぐ近くにいるのだ。

 いるはずなのに、見えない。そんな存在として。

「彼はなんて名前なのですか?」

「シャドウ。高度な魔法の被害に会い、誰からも認識されなくなった騎士見習いの一人だ」

「なるほど。だから私たちのチームは三人に見えたのですね」

 アラン君は意味が分からないと言った様子で首を傾げている。その隣でホン君は理解したらしく。

「さしずめ、このチームは問題児を集めたチームということですね」

「良く分かったな」

「あの、どういうことですか?」

「三人チームに見えて、実は四人チームだったということ」

「…………?」

 言葉足らずの説明にアラン君はさらにハテナマークを思い浮かべる。

「でも、私とそのシャドウ君が問題児として、何故アラン君とホン君も問題児なのですか?」

「ホンはリヴァ同様実力を隠していたからだ。そしてアラン、お前は最も弱いからだ」

 そんな身もふたもない言葉にアラン君は少しだけ落ち込んでいた。

モンスター紹介1

オーガ

赤い鬼みたいなモンスター。二足歩行出歩き、武器を扱う。頭は良くない。

強さ的には一般兵二人分、騎士十分の一ぐらいの強さ。

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