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第13話 舞踏会が始まった

 舞踏会当日。

 俺、アラン君、アリス、リナの何時もの四人で貴族側の舞踏会に参加する事になる。

 アラン君に謝り、事情を話すとすんなりと受け入れてくれた。二人よりも四人の方が楽しいからと。そして俺が騎士として戦いを披露する姿を見たいからと。

 一番の問題はアリスが舞踏会までに戻っているかだったが、案外すぐに何時ものアリスに戻った。

 逆に問題になったのはリナだった。

「変じゃない?変じゃない、かな?」

 何度も何度もリナは自身のドレス姿を確認する。

 舞踏会ということもあり、女子側はドレス姿で、アラン君はタキシード服だ。

 アリスは赤いドレス。リナは白のドレス。そして俺はこの前、ダリアさんから貰った青のドレス。

 皆んな綺麗で可愛い。アリスもリナも。いつもと雰囲気が大きく変わって、さらに魅力的に目に映ってしまう。

 周りは様々なドレス姿、そして貴金属に身を包んだ貴族の女性たちが多く、だからかリナは気後れしているみたいだった。

「大丈夫。リナは可愛いよ」

「リナさん、綺麗です」

「うん。リナちゃん大丈夫。どうせ皆んな、リナちゃんのこと見ないから」

「アリスちゃん、ひどい」

「リナちゃん、よーく見て」

 アリスとリナが俺の方を見てくる。

 そしてリナが何か納得したみたいだ。


「あの子は、この前の」

「なんて綺麗な子なのでしょう。一体どこの貴族なのかしら」

「…………美しい」


 なんか視線も感じる。

 俺は自分の姿がおかしいのだと思ってしまい、スカートの裾を持ち上げて、姿を確認する。

 問題はない。

「リヴァちゃんに隠れて、私たちは絶対に目立たないから」

「うん。そう見たい、だね」

 俺に隠れて?

「…………そんなに目立つかな?」

「リヴァさん、凄く綺麗です」

「そう? ありがとう?」

 アラン君に容姿を褒められる。

 よく分からない。

 アリスがふと舞踏会会場奥。そこにある壇上の方を見て、俺の服の裾を引っ張った。

「それよりも、リヴァちゃん。良いの?」

「何が?」

「壇上の方で、ダリアさんがソワソワしてるけども」

「…………あ」

 壇上でアルベール夫妻の姿が見えた。


「何故、ヨハン殿は彼女を先にあげたのでしょうか?」

「やはり、特別な方なのでしょうか?」

「どこの貴族なのだろうか。名前はなんて言うのだろうか」

「あなた、この後、声をかけて見たら?」

 そんな囁き声。

 目立っているのだろう。すごく恥ずかしい。

 視線を集める中、俺は一人で壇上へ行き。

 ヨハンさん、そしてダリアさんに挨拶をする。

「ヨハンさん、ダリアさん、お久しぶりです。そして友人をこちらへ参加することを許していただきありがとうございます」

 アルベール夫妻を守るように3人の騎士が立っていた。内一人はアレットさんだ。他の二人は見たことがない騎士だ。

 壇上近くで、挨拶待ちの貴族の列があったが、俺は何故かその貴族たちを無視して通された。

「こちらこそ、お久しぶりです。いや、何。こちら側のお願いを引き受けてくれたのですから、これぐらい構いません」

「リヴァさん、この前のドレスを着て来てくださったのですね。大変綺麗ですよ」

「ええ、本当に綺麗なドレス姿だ」

「そうですか? ありがとうございます。ダリアさんのドレス姿も、大変綺麗です。ヨハンさんも格好良く」

「まあ、ありがとうございます」

「そう言われると照れますな」

 二人は褒められたのが嬉しそうにそう言った。

 レオン君はダリアさんの横に、イリヤちゃんはダリアさんの腕の中にいる。

「レオン君とイリヤちゃんも可愛いね」

「可愛くない!」

 どちらも舞踏会用に着飾っていて、可愛らしい。レオン君に対して可愛いとか酷いかもしれないが、まだ歳が歳だからそう思っても仕方ない。

 レオン君が可愛いという言葉に抗議してくる。

「レオンはこれでも男なのです。気に触ったらすみません」

「いえ、こちらこそすみません」

 俺はレオン君に対して微笑みかけるとレオン君は恥ずかしがってダリアさんの影に隠れた。

 そんな微笑ましい光景に俺たちは微笑んだ。

「そうだ。今日の、騎士の舞、よろしくお願いしますね」

「はい」

 二人の女騎士が戦う見世物は騎士の舞と呼ばれているらしい。

 今になって恥ずかしくなってきた。

「お相手は誰なのですか?」

「そういえば、まだ話していませんでしたね」

「あなたのよく知る方です」

「よく知る方?」

 誰だろうか?

 なんて思っていたが、少し考えればすぐに分かることだった。


 ヨハンさんたちに挨拶を終え、アリスたちのところへ戻ったがすぐに老女が俺を迎えに来た。

 騎士の舞、その準備だ。

 騒がしい場所から一転して静かな更衣室で、俺はドレス姿から見慣れた騎士の服に着替える。下地の肌に張り付く服と体の至る所を守る鎧。そして剣を腰に携える。

 今まで出会った騎士たちが着ていた鎧。まだ着たことはない鎧だ。軽く、そして丈夫で動きやすく。そんな騎士のためにあるような鎧だった。

「もう少ししたら始まります」

「はい。着替えありがとうございます」

「いえいえ」

 俺の着替えを手伝ってくれた老女にそうお礼して、俺は騎士の舞へと向かう。

 舞踏会の会場は静かだった。貴族たちが皆壇上の方を見て騎士の舞が始まるのを待っている。

 俺は深呼吸をして、壇上の上に立つと奥の反対側を見る。

 しばらくするとお相手の姿が見えてきた。

「お久しぶりです」

「クロエさん?」

 お相手はクロエさんだった。

キャラ紹介17

モブ シャドウ

16歳少年。まだ登場していない騎士見習いの一人。

名前通り、影が物凄く薄い。主人公は自身含めて13人と思っているが実はシャドウが含まれておらず、本当は14人いる。

ルドルフやアレットからもその存在を忘れられているため、騎士見習いの数は13人として扱われていることに大変遺憾らしいが怒ってもその存在が確認されないため、今後も13人のままになる。

七不思議の一つ、幽霊騎士見習いとは彼のことである。

この影の薄さは訳があったりなかったり。

ちなみに主人公の実技試験を担当した騎士副隊長はシャドウの父である。

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