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そして、黒百合は手折られた  作者: 中年だんご
第5話 バッドガール・ミーツ・バッドボーイ
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おまけ設定:対ビームコーティング

●基本情報

 対ビームコーティング(英:Anti Beam Coating、以後ABCと省略)は、ビームを弾く性質を持つ金属塗料。


 プラズマ・スキンが磁場相違による反発現象でビームを弾くのに対して、ABCはもっと物理的な方法を用いている。熱反応による瞬間的金属剥離現象である。

 つまり、ABCが高熱と接触すると化学反応が起こり塗膜が剝がれ、その際の反発力を利用してビームを弾く。概念的にはリアクティブ・アーマーの一種と言える。

 プラズマ・スキンが(エネルギーが途切れない限り)無傷で半永久的にビームを弾けるのに対し、ABCは着弾する角度や威力によって何回防げるか、あるいは防げないかが変化する。


 金属塗膜であるためカメラレンズ部には塗布できない他、バーニア部を始めとする高熱部分帯や放熱部分帯は自発剝離してしまうため塗布する意味がなく、また構造が複雑化しやすい関節部などもビームの分散性が低いため効果は薄い。


 実弾やミサイルの着弾時の摩擦熱でも熱反応を起こすことはあるのだが、粒子状物質であるビームは着弾時に分散、面積当たりの質量が低下することで金属剥離でまとめて吹き飛ばせるのに対して、実弾やミサイルにはそのような特性が無く、面積当たりの質量が金属剥離で吹き飛ばせる量を大きく超過しているため、有効な防御効果を得ることが出来ない。


 なお、塗膜が薄いと対ビーム効果も減少するのだが、一定の厚みを超えると、どれだけ分厚く塗っても効果量の差異は誤差レベルでしか見られない。このような性質を持つのは、塗膜素材が熱伝導率の高い金属だからだと考えられている。



●ABCの効果がないビーム兵器

 ビーム・ソード、ビーム・バズーカやビーム・ランチャーといった大口径ビーム兵器、そしてブレイザー・システムなどによって超高濃度圧縮されたビーム粒子に対しては、ABCは有効な効果を発揮できない。


 ビーム・ソードはABCがビーム粒子を弾いたとしても、即座に次のビーム粒子が押し当てられるため。


 ビーム・バズーカやビーム・ランチャーはビーム弾に含まれる粒子総量が多く、ABCで吹き飛ばせる質量を大きく上回ることが原因。


 ブレイザー・システムなどで超高濃度圧縮されたビーム粒子は着弾してもビームの分散率が非常に低く、実弾が当たるのと同じようなものだから。



●基本的にABCが塗布されないもの

 一般的に、ミサイルと銃火器にはABCは施されない。


 まずミサイルについて。

 ABCが反応するのはビームの熱だけに限定されず、ミサイル類が爆発する際の高熱にももちろん反応する。結果、ミサイルにABCを施した場合、ミサイル起爆時の初速を大きく減衰させる効果が働き、威力を大幅に低下させてしまう。


 なお、ABCでミサイルは防げないと前述しているが、これはミサイル爆発時の『質量攻撃』を防げないという意味であり、ミサイル起爆時の高熱爆風にはある程度の有用性はある。……そもそもドール・マキナに対して高熱爆風によるダメージがどれだけあるか、という点に目をつむればだが。


 次に銃火器について。

 砲身の過発熱による自然剥離という理由もあるのだが、そちらは主要な原因ではない。

 銃火器は複雑な形状をしているものも多く、ビーム粒子の分散性が薄いためというのもあるが、やはりこちらも主要な理由ではない。

 最大の理由は、ABC発動時の作用は、ビームのみならず塗布した側にも発生するということである。

 つまり、ビームが命中してABCのおかげで銃が爆発しなかったとしても、ビームを弾いた時の衝撃は銃の内部に発生している。結果、見た目は無事だが内部的には破損しており、撃とうとした瞬間誘爆した、という事故が起きる。

 この事故を事前に防ぐため、ビームが銃火器に命中した場合、素直に爆発してしまった方が逆に安全ということである。

 もちろん爆発せずに無事なこともあるのだが、そもそも面積が小さく粒子分散性が低いため、ABCを施していたとしてもビームを防げないことが多く、仮に運よく耐えたとしても内部が損傷している可能性の方が高い、という状態に陥る。これらの問題も含めて、銃火器はABCが施されないのが一般的となっている。



●ABCの存在に対して、ビーム兵器の有用性についての補足

 まずビーム兵器は実弾兵器と比べて非常に安価であり、装弾数も非常に多い。


 実弾と異なり直線状に()()()性質を持つこともあり、ミサイル類を撃ち落とすのには実弾よりも適している。


 また前述した通り、カメラ類や推進装置付近、関節部などには有効である。


 高熱で燃焼性が高いこともあり、森林火災や木材家屋火災の発生につながりやすく、防衛側は火災を防ぐために身をていして被弾しなければならない場面も出てくる。


 ヨーロッパにはビームには弱いが実弾・実剣に強い耐性を持つドレス(装甲服)と呼ばれる追加装甲を標準装備した機体が存在し、その対策にビーム兵器が必要な場面も多い。ただし、ドレス搭載機は3年前にヨーロッパ全土を巻き込んだ戦争の際に、その大半が失われている。

 

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