起 アルファ①
①アウトサイドでは桜が散り インサイドは緑というよりも 黄金色に萌えたプラタナスが駐車場に紫色の影を落としていた その日陰に要領よくクルマを停め 運転席に両足を上げたまま寛ぐ どうやら一番乗りを果たしたらしい 分不相応だ辞めとけとマネージャーから再三再四注意されたシガーを燻らす 暫くすると三々五々と クルマが集まってきた 同様にして煙が各車ともに上がっていた皆のは普通にシガレットではあったが 型通りの挨拶と型通りの朝礼の後 また散っていく じぶんの担当は今のところ 駐車場の目の前の九階建てのタワーと近辺のもう一棟で変わりないらしい 午前中一棟 午後一棟 九階建ての建物はこの国では最大限の高さで これ以上の高さは法律で規制されているらしい まぁエアロプレインが飛んでいる真っ只中だしな 当然の措置と言えば当然だが 別にベースとは関係無しに町中では江戸でも難波でも 違反した建物は爆破解体されたと聞く スウィーパーとしての仕事は日常班と定期班とに分かれ 自分は日常班に配置されていた たまに 休みの日に定期班の仕事を手伝う まぁ空き家なり テラスハウスや各種施設 タワーの空き部屋の清掃だが ベース側のコレのチェックがちと厳しい 風呂場や冷蔵庫などのちょっとした染みなども揺るがせにしない 2度3度のやり直しも当たり前で真夜中過ぎまで掛り切りになることもざらにある その為コレに関わるチェック員はスウィーパー達から変態偏執狂と言われていた 一昨日はまいった 夜中に作業が終わり やれやれと思って帰ったのだが あの後溜まり場の駐車場で締めの反省会終礼とかがあって その場に自分がいなかったために捜索するハメになったという まだ自分が作業中現場に残っていると勘違いされたらしい エライ迷惑をかけたが 真夜中で現場から皆姿が消えてたから帰ったまでなのだか ソレが心得違い判断ミスだと言われた 何事もほうれん草 報告連絡相談 というわけだった やってられるかンなもん




