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双眸妖異譚  作者: 夜澄レイ


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1/4

平凡

 僕は平凡だった。起きて学校に向かい家へ帰宅し泥のように眠る日々。目立つことを嫌い、日に当たらないよう陰で生活してきた。


 この世に生を受けたのは17年前 神社の一人息子として産まれた僕は産まれた時から将来は決められていたようなものだった。母は僕を産むために死んだらしい。それくらいなんだったら産まなければ良かったのに。


でも父がどれだけ反対しても母は譲らなかったと聞いた。その話を聞いた時は嬉しいような悲しいようなそんな気持ちと馬鹿だなと思う気持ちでいっぱいだった。だってその所為で父に少なからず恨まれてると感じるからだ。


 父は当たりの強い人だった。元々そんな性格ではなかったと祖父から聞いたから、恨んでのことだろう。でも父には感謝してる部分だってある。育ててくれた恩は感じているから少なからず僕は父のことは好きだ。けれど当たりの強い人と長いこと生活するのは苦になり、祖父母の家に転がり込むことが増えた。


 祖母は不思議な力を使う人だった。怪我をしたとき、神力とやらを使い怪我を治してくれた。現実味は無かった。けれど違和感は無かった。


祖父母は昔のことを教えてくれた。祖母は神力の研究者を。祖父は祓魔師という職に着いていたらしい。あまり聞くことのない職だが現実に存在するそうで。


 妖を祓い人間を守る仕事。幼いながら祖父はヒーローのような存在だと感じた。祖父は「祓魔師と神力使いの血が入ってるから、伊織はもしかしたら神力を使える祓魔師になれるかもしれないねぇ」と頭を撫でながら言われたのを覚えている。


 僕でもヒーローになれるかもしれないと希望を抱え、小学校を卒業し中学校への入学をしてから僕はヒーローになることは出来ないんだと悟った。いじめだった。気が弱い僕は直ぐに標的にされた。靴の中に画鋲が入れられ、トイレに行けば水をかけられ、水だらけ血だらけで帰ることが多かった。家に帰ると父は一目だけこちらを見て見向きもしなくなった。幼くして僕への興味関心が存在しないんだと悟った。


いじめは一年間続いた。祖父母には迷惑を掛けたくなくて相談も出来ず、ずっと一人で苦しみ続けた。二年生になった時にいじめは止んだ。僕の事を守ってくれた男の子が居たからだ。その子は赫といった。赤い双眸をした体格の大きな男の子。何故かは分からないが赫に助けて貰ってからいじめはピタリと無くなった。


程なくして赫は学校から消えた。唯一の友人だと思っていた彼が消えてしまったのだ。理由を先生に聞いた。先生は答えられないの一点張りだった。連絡も入れた。けれど返ってくることはない。僕にうんざりしたのだろうか。そんな訳はないのに分かっているのにどこか、裏切られたような気がした。


 そこから今に至るまで赫と連絡が着くことは無かった。高校生2年生となった僕に友達と呼べる人は赫を最後に出来ることは無かった。どこか寂しかったんだと思う。高校に上がった頃祖母が亡くなり、祖父の元気がなくなってしまったから。


このまま生きていくんだと思っていた。何も無く、死んでゆく人を見て、僕も死ぬ。そんな人生。


神社へ祖父からの呼び出しがあった

あの日までは。

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