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天使の探究者  作者: はなり
第三章 動乱平定

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演目(悲劇と再生)

対峙する二人、涼香と六花。二人は静かに互いを見やる。そんな空気の中、か細く掻き消えそうな声でルミが口を開いた。


「六花さん・・・ルナは・・」


「あぁ、わかってるよ。すまんないね、本当に・・」


六花は、未だルミの亡骸を抱き抱え蹲るルナの頭をそっと撫でた。それはまるで母のような優しい顔で。


「六花さん、いったい何が目的ですの?」


「目的・・わからないな」


「は?」


「私は知らない。この街での計画は宗谷が進めた計画だ、私は今回タダの駒に過ぎない。だから深くは知らない。ただ、今回の演目は悲劇と再生だそうだ」


「宗谷さんらしい、訳がわからないふざけた話ですね。しかし六花さん、あなたともあろうものが、何故そちら側に?」

 

「お前の言う、そちらっていうのはどう言う意味だ。私にとってはそっちもこっちも変わらんのだが、私はただ宗谷の思想に賛同しただけだ」

 

「賛同って・・・いったい彼の思想とは何ですの?彼はこれから何をするというのですか?」


「質問が多いな・・つまらない問いに答える時間はない、力づくで聞いてみろ。それがお前の本職だろ?」

 

「たしかにそうですわね。ならそうしますわ」


六花は静かに手をあげると大広間の天井が吹き飛んだ。跡形もなく粉々に、まるで最初からなかったかのように。その瓦礫の小さな粒を固めて涼香へと飛ばした。しかしその無数の小さな弾丸を悠々と躱わす涼香。

 

「それは力ですか?創造ですか?つまらない攻撃ですよ」


「さぁ、どっちだったか。もう、忘れた。これはお遊びだよ涼香」


そう言った六花は涼香の目と鼻の先に現れた。最初からそこにいたような、錯覚ではなく現実。六花は涼香の肩に腕を優しく回す。その先の手は鋭く鋭利な刃物へと変形していた。


サクッ


涼香は声を上げることもなく背中から引き裂かれた。


「どこかな?・・早く出てこないと、ここに横たわる子供を殺・・」


シュンッ


六花の肩の上に涼香は煙のように現れてそのまま氷の刃で六花を切り裂く。


キンッ


それはもちろん鋭利な刃物で防がれる。二人の刃が激しく交わり、目にも止まらぬ速さで立ち回る。


「中々楽しめる。少し会わないうちに強くなったな」


「それはそうですわ。何年経ったと、思ってますの!」


涼香の蹴りが隙をついて六花の肋を砕く。六花は後方の壁へと激突し、砂煙を巻きながら壁が瓦解する。


「どうですか?私の数年ぶりの蹴りは?」


「いい蹴りだ、悪くないな、私でなけりゃ死んでる」

 

六花は砂煙の中ゆっくりと立ち上がり涼香へと歩く。体は無傷、その両手には千切られた腕があった。そして涼香の両腕は無くなっていた。


「なっ、なるほど。さすがは六花さん、気づきませんでした。それは、私でなきゃ泣き喚いていますわ」


「お互い様だな。さて・・」


グサッ


「カハッ!?」


涼香は自分の腕が体に突き刺さっていることに気がつく。


「なっ、なるほど・・さすがは吸血鬼の力。全く気づかない。本当に嫌になるくらいチートですわね」


「便利だろ?さぁ、これで終わりかな?」


「まさか・・」


涼香の体は氷となり砕け散り、また再び氷が形成されて体の形と成る。


「お互い、不死身だと埒があかないな。さぁ、どうしようか・・そうだな、そこの子供を先に殺すとするか」


「あなた、そこまで卑怯でしたっけ?」


「さぁ、忘れたな」


六花はまるでそこに元から居なかったように消えて、涼香の側で横たわるメイの側へと現れる。


(しまっ!?だから、この力は厄介で嫌いなんですわ!)


涼香は姿を煙のように消して、六花の元へと急ぐが、すでに六花の形成した刃がメイの喉元に狙いを定め、振り下ろされていた。


ドンッッッッ!!!!


「?」


(いったい、次は何ですか!?)


「はぁ、遅いですよ、全く。まぁでも間一髪ですわね」


そう、まさに間一髪。六花の刃は唐突に扉の崩壊とともに静止していた。前触れもなく大広間の扉は壊れた、否、壊された。その来訪者によって。


「あぁ、まーた怒られるな、こりゃ。はっはっは、まぁええか!こんな時やしなー、さてと!お待たせちゃん!」


そんな場違いな笑顔で扉を破壊して中へと入ってきた人物は、今まで寝ていたシャオリン、その人だった。

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