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Das Heldenlied   ヘルデンリート 20 Die Hymne  作者: Siberius
シエルの章
3/59

シエル――武闘大会

セレネは教会で財務諸表を見ながら頭をかかえていた。

そしてため息を出す。

「はあ……頭が痛いわ」

セレネは聖職者ではなかったが26歳でクヴィンツ教会を任されていた責任者だった。

ゆえに教会を維持・管理する財務問題に頭をもたげていたのである。

教会の管理費は原則、その教会自体が負わねばならない。

基本的には信徒からの収入だが、各教会が独自に資金調達してもよい。

主に出版業を営むことが多い。

「セレネ、どうしたんだ?」

「ああ、セリオンね。教会の財政についてチェックしていたのよ。今のところ信徒の寄付でやっていけるけど、地味な活動以外で資金を使うのは難しいわね」

「どうしてだ?」

「シベリウス教徒とはいっても主に、労働者からの収入だからよ。お金持ちからドーンと寄付されているわけじゃないもの。もっとも、おカネが潤沢になればなったで、問題も発生するだろうけれど……」

「そんなに悪いのか?」

「今はまだ切り詰めれば十分やっていけるわ。あなたが心配する必要はないわよ。でも、一時的に教会の補修とかで使うおカネはほしいわね」

「そうか。なら、俺が稼いでくるよ。フラウィウム闘技場で今度武術大会が開かれる。そこでの報酬を教会の資金にしよう」




武闘大会当日。

クヴィンツの市民たちはフラウィウム闘技場に集まっていた。

多くの人々で観客席は埋まっていた。

この日をクヴィンツ市民は楽しみにしていたのだ。

セレネとシエルはセリオンの応援のため、観客席にいた。

「セリオンさん……大丈夫かなあ……」

「大丈夫よ、シエルちゃん。彼は強いから」

「それでは試合開始です! セリオン対ゴンズ(Gondz)始め!」

セリオンは冷ややかにゴンズを見上げた。

ゴンズは筋骨たくましいマッチョだった。

ゴンズは上半身裸で、下には青いズボンをはいていた。

「くっくっく! 一回戦の相手がこんなガキとはな。ラッキーだぜ!」

ゴンズは斧を構えた。

「くっくっく! 一分で終わらせてやるぜ、小僧!」

ゴンズは余裕の表情だ。

「…………」

セリオンはだんまりと大剣を構える。

「おらあ!」

ゴンズが斧でセリオンを攻撃した。

しかし、斧はセリオンが手にした大剣にあっさりと止められた。

「なん、だと!? この俺の斧が!?」

ゴンズは驚愕した。

目を大きく見開く。

「けっ! さっきのは何かの間違いだぜ! 今度こそやるぜえ! おらああ!」

ゴンズが再びセリオンを攻撃した。

しかし、斧は空を切った。

「なっ!?」

「一分たったな?」

「このガキ! なめてんじゃねえぞ!」

「斧の使い方がまるでなっていないな。パワー、スピード、技術すべてにおいて斧をうまく扱えてないない」

「しゃらくせ……!?」

言葉を言い終わる前にゴンズの体が宙を舞った。

たった一撃で、ゴンズはセリオンに敗れた。

ゴンズの体が地面に落下する。

ゴンズはぴくぴくと震えていた。

「セリオン選手の勝利です!」



セリオンの次の試合は刀使いサフィロ(Safiro)とだった。

「おまえが私の相手か? フフフ……この私の美しい剣が見切れるかな?」

刀使いサフィロは美しい剣の使い手として、少しは名が通っていた。

彼の剣は実戦的というより、優美な剣といえようか。

「セリオン対サフィロ、始め!」

「フッフッフ! 一瞬にして終わりにしてやろう! しゃあ!」

サフィロがセリオンに刀で斬りつけた。

……サフィロの刀は何かを斬ったはずだった。

「残像だ」

「なっ!?」

そしてセリオンは今の一撃でサフィロの剣を見切った。

「おまえの剣は美しいがそれだけだ。鮮やかに見えるがパワーが全くない。スピードも見かけ倒しだ」

セリオンはサフィロの剣を酷評した。

「ほざけえ! ごほうっ!?」

サフィロは宙を舞った。

サフィロはおのれの敗北を知ることなく倒れた。

サフィロは地面に落下し、けいれんして動かなくなった。

観客は一瞬息をのんだ。

強い――そう一同は思った。

セリオンはサフィロに背を向けて控室へと戻った。



ある道の上で。

セリオンはフードをかぶった女性とすれ違った。

セリオンは一目でこの女性が強いことを見破った。

「あなた」

「?」

フードの女性はセリオンをそのまま行かせはしなかった。

「そこのあなた、強いな。武闘大会であなたの試合を見た」

「君は誰だ?」

「失礼した」

女性がフードを取る。

その女性はエルフで金髪のロングヘアだった。

「私はベラトリクス(Bellatrix)。「電光のベラトリクス」と呼ばれている。武闘大会ではあなたのような強い者と戦いたい。以上だ、セリオン殿。それでは失礼する」

そう言うと、ベラトリクスはフードをかぶり直し、通りを歩いて行った。



「セリオンさん、強い!」

「セリオン、すばらしいわ!」

シエルとセレネが控室まで来てくれた。

「俺が強うというより、相手が弱すぎるんだ」

「セリオンさん、これ」

「これは?」

シエルが何か詰まっていそうな箱を差し出した。

「これは私からのお弁当です。暇なときに食べてください」

シエルはかすかにほおを赤らめていた。

「ありがとう、喜んでいただくよ」

「ヘイヘイヘヘーイ! 女性二人をはべらすとはやるじゃないか、ベイビー!」

そこに大剣を背負ったイケメン男が現れた。

「誰だ、おまえは?」

「俺は大剣使いコルド(Koldo)。君の次の対戦相手さ。今までの相手は弱すぎたみたいだけど、この俺はそうはいかないぜ、ベイビー! じゃあな!」

「大剣使い、か」




「では、次の試合を始めます! セリオン対コルド! 始め!」

「へい、ベイビー! カモン!」

コルドはセリオンを挑発した。

しかし、セリオンはその挑発に乗らなかった。

「へへっ! 来ないのかい? じゃあ、こっちから行くぜ! ウオオオオオ! ゴールデンパワー!」

コルドの体から黄金の気があふれた。

背後には黄金の竜まで現れた。

「はっはっはっは! 言っただろう? 俺は今までの相手とは違うって! そら! こっちから行くぜえ! でりゃ!」

コルドは大剣を振るって攻撃してきた。

が。

「ぶべっ!?」

コルドは宙を舞い、地面に落下した。

黄金の竜も消えていた。

コルドはセリオンによって一撃で倒された。



「さあ、この注目のカード、セリオン対ベラトリクス! 無名の新人セリオン選手と「電光」と名高いベラトリクス選手の対戦です! 私も乗ってきました! それでは試合開始です!」

「フッ、まさか、あなたと戦えるとは思わなかった。これも天命かもしれないな。私のすべてを持って、あなたとお相手しよう!」

ベラトリクスはフードの付いたマントを宙に放り投げた。

その美貌があらわになる。

観客たちはベラトリクスの美しさに見とれてしまった。

その美しさが多くの人を魅了する。

ベラトリクスが長剣を抜いた。

セリオンは大剣を構えた。

ベラトリクスは一瞬消えた。

その後ベラトリクスはセリオンに一撃必殺の突きを出した。

セリオンは大剣でガードした。

普通の人間なら今の一撃でやられていただろう。

それ程の一撃だった。

ベラトリクスはほくそ笑んだ。

「あなたが今の一撃を防ぐことができて私は、うれしい。今の一撃で私はあなたを試したつもりだ」

「すさまじい切れの突きだった。さすがは『電光』か」

ベラトリクスはほほえんだ。

ベラトリクスが斬りつける。

セリオンは片手でガードした。

ベラトリクスは後退した。

今度はセリオンがベラトリクスに斬りこんだ。

セリオンの攻撃はパワー、スピード、スキルのいずれも高いものだった。

ベラトリクスはセリオンの攻撃を受け流すように受け止めた。

「くっ!?」

ベラトリクスは歯をかんだ。

ベラトリクスはこれほどの斬撃を見たことがなかった。

セリオンはまず、斧、ハンマー、投槍などを訓練してから大剣の訓練を始めた。

そのため強力なパワーと同時に、洗練されたスキルを持っている。

ベラトリクスはセリオンの剣に舌を巻いた。

「すばらしい……あなたの剣はたくさんの修練を積んだものであることがわかる。今まで私は、あなたのような剣の使い手に出会ったことがない。神に感謝しよう、あなたと私が出会えたことを!」

「おほめいただきありがとう。だが手は抜かないぞ?」

「あなたはまだ本気を出していない。私の本気を『電光』の異名の意味をみせるとしよう!」

とっさにベラトリクスは電光をまとった突きを、疾風のごとく繰り出した。

ベラトリクスの技「電光突」である。

ベラトリクスは雷属性の技を持っていた。

それが彼女の異名「電光」の真の意味なのだ。

一方、セリオンは神剣で、彼女の電光突を受け止めた。

普通の武器では感電するのだが、セリオンの大剣・神剣サンダルフォンには通じなかった。

ベラトリクスは電光を剣にまとった。

「はあああああ! 雷電閃らいでんせん!」

強力な雷電の一撃がセリオンに叩き込まれる。

セリオンはガードしたものの、吹き飛ばされてしまった。

くるりと回転し、着地する。

ベラトリクスが追撃してきた。

ベラトリクスは多連・雷電槍を形成した。

「これだけの雷電の槍を、あなたはどう防ぐ?」

ベラトリクスは一斉に雷電槍を放った。

セリオンに逃げる時間はない。

セリオンは蒼気を大剣にまとわせた。

セリオンは膨大な蒼気によって、一気に雷電槍を斬り払った。

ベラトリクスが左手から、電光の線を出した。

雷魔法「電光線」である。

セリオンは大剣でこの一撃を防いだ。

「雷の力がおまえだけのものだと思うな」

「何!?」

セリオンはベラトリクスに接近すると、雷電が荒れ狂う一撃を出した。

セリオンの技「雷鳴剣」である。

「ああああああああ!?」

雷電がベラトリクスを感電させる。

ベラトリクスは地面に崩れ落ちた。

ベラトリクスは自分が倒れていることを自覚した。

自分はセリオンに倒されたのだと実感する。

ベラトリクスは目を開けた。

そこには青い空と白い雲があった。

ベラトリクスの視線にセリオンが入った。

セリオンは手を差し出した。

ベラトリクスはフッと笑うと、その手を取り立ち上がった。

「私の想像以上の強さを、あなたは持っていた。私も慢心していたのかもしれないな。『電光』などという異名に幻惑されていたのかもしれない。私もまだ修業が足りないな」

観客は二人の戦いを声援でたたえた。

観客たちが声援を送る中、一人の男もまた二人の戦いを見ていた。

「セリオン・シベルスク……どうやらあいつがこの俺の対戦相手となったようだな。この俺の相手はベラトリクスと思ったが……青き狼様がこの俺と戦うようだ。さて、このベルジュ(Berzch)様とどこまでたたかえるかな? フフフ……」



決勝戦はセリオン対ベルジュだった。

ベルジュは戦士というより商人に近い格好をしていた。

ベルジュはセリオンの前で不敵な笑みを浮かべた。

ベルジュは長い髪に赤い瞳をしていた。

赤い刀を背負っている。

セリオンさーん! 絶対に勝ってねー!」

セリオンが観客席を見るとそこにはシエルがいた。

シエルの隣にはセレネがいた。

セリオンは二人に対して笑顔を浮かべ、手を振った。

「おいおい、ずいぶんと余裕があるんだな。目の前のこの俺のことを忘れてもらっては困るな。このベルジュ様をな」

セリオンはこのベルジュと対峙してどこかこの男の不気味さが気になった。

「それでは、セリオン対ベルジュ、始め!」

試合開始の合図がなった。

「行くぜえ!」

ベルジュは刀でセリオンを攻撃した。

双方、共に、片刃の武器を持つ者同士だった。

ベルジュの攻撃は鋭かった。

しかし、セリオンはその攻撃を容易に受け止めた。

ベルジュはさらに攻撃を続ける。

ベルジュは疾風のごとく刀を振るった。

ベルジュはセリオンの間合いの内側に入り、簡単に反撃を許さないようにしたのだ。

セリオンは大剣から蒼気を放った。

セリオンの蒼気はベルジュに圧力を与えた。

「なんだ? その力は?」

セリオンは蒼気を軽く発しつつ、自分の得意な間合いに戻した。

今度はセリオンの攻撃がベルジュを圧倒する。

「うおおおお!?」

ベルジュが苦悶にうめく。

セリオンの攻撃は強烈だった。

ましてや大剣の攻撃を刀で受け止めきれるものではない。

ベルジュはとっさに間合いを広げ、セリオンの斬撃が届かない距離を取った。

「認めてやるよ! おまえは俺が戦った中でも最強の奴だ! それに敬意を表して、俺も実力の一部を出すとしよう! 炎よ!」

ベルジュがそう言うと炎が赤々と刀を包み込んだ。

ベルジュの「火炎剣」である。

ベルジュは炎の刀でセリオンに斬りつける。

セリオンはガードするものの、ベルジュの攻撃の威力は普通の刀の比ではなかった。

炎の圧力がセリオンを襲った。

セリオンは一時後退した。

「逃がさねえぜ! くらいな!」

ベルジュは炎の刃を飛ばしてきた。

セリオンは氷結刃を出した。

氷の剣で炎の刃は斬り裂かれた。

ベルジュは炎の技を得意としていた。

それに対してセリオンは氷や冷たい闘気の扱いにたけていた。

セリオンは氷結刃でベルジュに斬りかかった。

ベルジュは火炎剣でセリオンと斬り合った。

「ちい!」

双方の差は意外と早くやってきた。

氷が炎を圧倒し始めたのだ。

ベルジュは自らの不利を悟り、一時後退した。

「剣の斬り合いではおまえのほうが優勢のようだな。だが、俺にはそれ以上の手がある!」

ベルジュは炎を手にまとわせた。

ベルジュは手から火炎槍を放った。

炎の槍は直線状にセリオンに飛んでいった。

セリオンは氷の剣で火炎槍を迎え撃った。

氷の剣は炎の槍をかき消した。

「ふん、それも防ぐか……なら、これはどうだ?」

ベルジュが手を上に上げた。

膨大な魔力が集中していく。

それは大きな火球だった。

火球は最もシンプルな炎魔法である。

それをここまで大きくできるとは、その魔力のすごさを物語っていた。

セリオンに大火球は向けられた。

セリオンは自ら火球に近づいた。

セリオンは氷星剣で火球を真っ二つにした。

「ちい! これもやり過ごすか……ならこいつはどうだ? 出ろ、炎獣えんじゅう!」

ベルジュが刀を上に上げると、炎が燃え上がった。

そして炎の姿をした獅子が現れた。

「もっと楽に終わらせてやるつもりだったのにな。そいつに襲われたら命は危ないぜ? さあ、炎獣! やっちまいな!」

ベルジュは絶対の自信を見せた。

炎獣がセリオンに躍りかかる。

セリオンは炎獣のわきを通り過ぎるように移動し、大剣を振るった。

そのとたんに炎獣は崩れ落ちて消滅した。

「なん、だと!?」

ベルジュの目がセリオンに対して見開かれた。

「どうした、これで終わりか?」

セリオンがクールに突き付ける。

「まだ、俺に勝ったと思うなよ! 俺には奥の手がある! 見せてやるぜ! 火焔乱舞かえんらんぶ!」

ベルジュが炎の刀で舞を踊った。

ベルジュの刃はすさまじい熱量を帯びて、セリオンを攻めた。

セリオンは蒼気を強く発して反撃した。

「うおあああっ!?」

ベルジュの手から刀が弾かれた。

ベルジュは地面に尻を突く。

「終わりだ」

そこにセリオンが蒼気の刃をベルジュに突き付ける。

「まいった。俺の負けだ」

その瞬間セリオンへの賞賛が会場全体にこだました。




「ぷっはー! やっぱ酒はいいねえ!」

大きなジョッキでベルジュが飲んだ。

ジョッキの中にはビールがいっぱい入っていた。

「おまえは飲まないのか? せっかくだ。パーっと行こうぜ!」

「いや、俺は水で割ったワインでいい」

セリオンが言った。

セリオンとベルジュは試合後、バーを訪れていた。

優勝のセリオンと準優勝のベルジュは共に賞金をたくさんもらった。

ベルジュは景気づけに一杯やっているわけである。

セリオンはあまり酒を飲まない。

そもそも酒に酔うということはセリオンにとって理性を失うことであり非人間的な野獣化に他ならない。

セリオンは優勝賞金はクヴィンツ教会に使うつもりだった。

「おい、おやっさん! 肉をもっと持ってきてくれ! おい、おまえも食べてもいいぞ?」

ベルジュがセリオンに促す。

「俺は腹は減っていない。このワインだけで十分だ。それにしても、おまえはここで賞金を使い果たすつもりか?」

「何言ってんだ。そんなわけないだろ? 俺だって計算して使っているさ」

「それにしても、いい加減にそろそろ話してもらおうか。儲かる話とやらを」

「ああ、いいぜ。ブールジュ(Bourzch)山って知っているか?」

「いや、俺はこのあたりの地理にはあまり詳しくない」

「そのブールジュ山にだ。お宝があるんだよ」

ベルジュは焼き鳥を食べた。

そして、ビールを流し込むように飲む。

「おやっさん! ビールを持ってきてくれ!」

「はいよ!」

「話の途中だぞ?」

「ああ、わかってるって」

そのブールジュ山のお宝がどうしたんだ?」

「ああ、そうそう。そのお宝ってのはクリスタルなんだ。それを俺とおまえの二人で手に入れよう。儲けは二人で割ってカネに変える。な? 悪い話じゃないだろ? それにおまえのほうもカネを必要としているらしいじゃないか? 教会だってカネは必要だろ?」

ベルジュがまじめな顔でセリオンを見た。

セリオンはため息をついた。

「確かに、クヴィンツ教会は資金不足だ。それは事実だ。確かにまとまったカネは欲しいところだ」

ベルジュはにやりと笑い。

「だろ? 武闘大会で優勝したおまえと、準優勝の俺とが手を組めば怖いものはない! この計画は成功したも同然だ! で? どうする?」

「…………」

「カネが欲しいんだろ?」

「はあ……わかった。おまえの計画とやらに乗ろうじゃないか。それでいつ出発するんだ?」

「明日だ」

「いいだろう」

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