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Das Heldenlied   ヘルデンリート 20 Die Hymne  作者: Siberius
シエルの章
13/59

シエル――ルチアーナ

セリオンはアンゲラ商会のもとを訪れた。

アンゲラ商会はクヴィンツに本部を置いている。

セレネの話では、アンゲラ商会は教団とつながっているという。

セリオンは本店の中を歩いていた。

多くの人がいて混みあっていた。

「へえ……コーヒーの豆も置いてあるんだな。後で買っていくか」

セリオンはコーヒーの豆に注目した。

コーヒーの豆が袋に入れられて、包装されて販売されている。

それは最高級品だった。

アンゲラ商会は高級品しか扱わないことで有名だ。

コーヒーはセリオンもセレネも、シエルも飲むので、買っておいて損はないだろう。

そんなことを考えながら、セリオンは店の中を巡っていた。

(それにしても、どうやってアンゲラ商会に接触するか、だな……どうする?)

「あら? あなたは?」

そこに黒いドレスを着た女性がいた。

「あなたはセリオン殿ではありませんか?」

「そうだが?」

「やはりそうでしたか。私はアンゲラ商会の会長をしているルチアーナ(Luciana)と申します。この目で青き狼様を目にできるとは、感激でございます」

ルチアーナがニコリとほほえんだ。

「確かに、俺が青き狼セリオン・シベルスクだ」

「そうそう……こんなところで立ち話もなんですから、こちらへどうぞ。コーヒーをご用意いたしましょう」

「あ、ああ」

セリオンはルチアーナが用意した部屋に入った。

「さあ、ごゆっくりとおくつろぎください」

「ありがとう。そうさせてもらおう」

「これ! お客様にコーヒーをご用意なさい」

使用人と思える人にルチアーナが指示を出す。

セリオンとルチアーナは向かい合ってソファーに座った。

「ところで、一つ聞きたいことがある」

「なんでございましょう?」

「最近、サタン教団が活発な活動をしている。クヴィンツの教会や初等学校がターゲットとなり、襲われた。このことをどう思う?」

「危険な勢力が活発化すると、ビジネスがやりにくくなりますわ。わたくしどもはビジネスを愛しております。それだけでなく我ら商会はメセナ……文化事業にも取り組んでおります。そちらのほうもご存じかと思いますが」

「そうか」

セリオンは核心を突くことにした。

「俺たちの調査ではアンゲラ商会はサタン教団とつながっていると思うんだが?」

「ウッフフフフフ! アハハハハハ!」

ルチアーナは大きく笑った。

セリオンは沈黙した。

「失礼しました。あまりに荒唐無稽こうとうむけいなものでしたので。ウッフフフフ。我ら商会と危険思想にかぶれた教団とがどうしてつながっているでしょうか? お客様の勘違いでございます」

そこにコーヒーを持ってきた使用人が現れた。

二人のあいだのテーブルにコーヒーカップを置く。

「そうか。俺たちの勘違いならそれでいい」

「では、コーヒーをお飲みください」

「ああ。……うまい! さすがにいい豆を使っているな!」

「ウフフ、良くお分かりになられましたね。どうでしょう、今ならお安くしておきますわよ?」

「これと同じ豆を一つもらおう。邪魔をしたな」

そう言うとセリオンは部屋の外に出ていった。

ルチアーナが一人になる。

「アリーチェ(Alice),マルティーナ(Martina)、ヴィルジニア(Virginia)? わかっていますね?」

「「「はっ!」」」

「青き狼を消しなさい」



セリオンは夜一人で道を歩いていた。

その時のことである。

突如、三人の暗殺者がセリオンを襲撃した。

三人は一斉に刀でセリオンに斬りつけてきた。

セリオンはすばやく身をかわしてそれらをかわした。

「どうやら当たりだったようだな。機密保持か」

セリオンは大剣を構えた。

アリーチェの風撃。

風の衝撃がセリオンに向かう。

セリオンはそれを神剣で斬り裂いた。

マルティーナの土気刀。

マルティーナは土の力でセリオンを斬りつけてきた。

セリオンは蒼気を発した。

蒼気で土気刀を退ける。

ヴィルジニアの水泡槍。

ヴィルジニアは水の槍をセリオンに放った。

セリオンは神剣でそれを斬り払った。

アリーチェの風刃。

アリーチェは風の刃をセリオンに発射した。

セリオンは風の刃を神剣で叩き斬った。

マルティーナは硬石槍をセリオンに投げつけた。

セリオンはそれを大剣で弾き飛ばした。

ヴィルジニアの水泡弾。

ヴィルジニアは水泡弾をセリオンに放った。

セリオンは神剣で水泡弾を一刀両断にした。

「甘いな。その程度で俺を倒せると思っているのか?」

セリオンは蒼気を放出した。

三人の暗殺者たちは目を見開いた。

恐怖が三人を支配する。

セリオンはそれに気づいていた。

セリオンがふと消えた。

そのように三人には見えた。

セリオンが再び現れると、セリオンはヴィルジニアを斬っていた。

マルティーナはすぐに反応した。

マルティーナは土気刀で反撃しようとした。

セリオンは土気刀ごとマルティーナを斬った。

アリーチェが風の槍を放った。

アリーチェの攻撃をセリオンは紙くずのように斬り払った。

セリオンは蒼波刃を放った。

蒼波刃はアリーチェを斬った。

「さて、殺しはしていない。死なない程度の傷にしておいた。俺はサタン教団について知りたい。おまえたち、知っていることを話せ」

セリオンが言うと、三人は笑った。

彼女たちから何かが砕ける音がした。

「まさか!?」

セリオンはアリーチェに近づいた。

アリーチェは口から血をはきだして死んでいた。

ほかの二人も同様だった。

「自害したか……秘密が漏れるのを防ぐためだな」



セリオンは地下水道を歩いていた。

ここから教団のアジトに侵入するために。

地上から侵入できないのであれば地下から侵入するしかない、と考えたからだ。

「む! ハシゴがあるな。位置的にはアンゲラ商会の地下に当たるはずだが……よし! 登ってみるか!」

セリオンはハシゴを登ってみた。

そして内側からふたを開けた。

そこには亜空間の入口が渦巻いていた。

「これは……やはり商会は教団とつながっていたのか。入ってみよう」

セリオンは入口に触れた。

すると荒地に出てきた。

ここは冥宮ペルセフォネ(Persephone)である。

セリオンは荒地を移動した。

そして地上ゲートを見つけた。

「あらあら、こんなところまでいらっしゃるとは……わざわざご苦労なことですね」

「!? ルチアーナ商会長! やはり商会は教団とつながっていたのか!」

「フフフ……わたくしが派遣した暗殺者たちも退けてしまうとは、本当に青き狼は強いんですのね。ですが、ここは私が通しません。私は審問官ルチアーナ。この私がお相手いたしましょう!」

ルチアーナは長い黒い髪、黒い瞳、黒いドレスで黒い刀を持っていた。

ルチアーナは刀で舞のようにセリオンに斬りつけてきた。

セリオンはルチアーナの攻撃に合わせて大剣を振るった。

ルチアーナの斬撃は速くて鋭かった。

「私の攻撃をよく防ぎますね。ですが、これならどうでしょう?」

ルチアーナは刀に風の魔力をまとわせた。

ルチアーナの風撃刀である。

風の圧力がセリオンに襲いかかる。

鋭い刃がセリオンに迫り来る。

ルチアーナは風撃刀でセリオンに斬りつけてきた。

ルチアーナの攻撃がいっそう鋭くなった

セリオンはそれらに対して、注意深く大剣を振るって迎撃した。

「死になさい、風刃!」

ルチアーナは風の刃を三発、続けざまに放った。

セリオンは冷静に風刃を大剣で斬った。

ルチアーナは手に風の魔力を集めた。

ルチアーナは右手を前に突き出し、風翔槍を放った。

風の槍が突貫する。

セリオンはタイミングを見計らって風翔槍を斬り払った。

ルチアーナのカマイタチ。

円形型の風の刃がセリオンに飛来した。

セリオンは正面から見据えてカマイタチを叩き斬る。

ルチアーナの真空波刃。

ルチアーナは広範囲に真空の刃を展開させた。

それはすさまじい切れ味を持っていた。

セリオンは蒼気を発した。

蒼気によって真空波刃は粉砕された。

ルチアーナは大きく目を見開いた。

まさか防がれるとは思っていなかったのだろう。

「忌々しい! これでもくらいなさい! 多連・風翔槍!」

ルチアーナは多くの風の槍を放った。

それらが一斉にセリオンを貫くべく襲ってくる。

「甘い!」

セリオンは蒼気を展開すると、蒼気の波で風の槍をすべて退けた。

ルチアーナは両手を交差させた。

ルチアーナは二つの竜巻を起こした。

二つの竜巻はセリオンを斬り刻もうとして迫る。

「蒼波刃!」

セリオンは大剣に蒼気をまとわせると、蒼気の刃を振るって、竜巻を破壊した。

「まさかここまでやるとは……『青き狼』の名は伊達ではないようですね。しかし!」

ルチアーナの体に膨大な魔力が集まってきた。

「くらいなさい! 旋風陣!」

強力な旋風がセリオンに向けて放たれた。

その旋風には重みがあった。

風属性上級魔法「旋風陣」である。

セリオンは迫る風を見据えた。

セリオンも蒼気を高め、必殺の一撃「翔破斬」を出した。

翔破斬は旋風陣をかき消してルチアーナに向かった。

「!? そんな!?」

ルチアーナは翔破斬に呑まれた。

ルチアーナはその場に倒れた。

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