表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

~英語教師からドッグトレーナー。ドッグトレーナーからYouTube。そしてYouTubeから勇者~

俺の名前は勝尾三

"元"英語教師だ。これは一年前、とある中学校で英語を教えていたのだが、当時、この仕事は合わないというか、生徒に教えるどころじゃない精神状態になったんだ。 数年やってきた仕事を辞めるのは勇気が必要だったけど、俺はそこで退職することにした。

理由はさっき言った通り、適応障害だ。憂鬱な気分だったり、不安感が、仕事をするのに対して強く自分を刺激した。生徒たちには不甲斐ないし、申し訳ない気持ちもあったが、それで退職した。俺は例えば、『やらされてる』生徒を見るのが辛かった。

その度、生徒達は俺に問いかける。『なんでこんなことをやらなきゃいけないんですか?』その質問に対する答えが、俺には無かった。

他の先生にはあるのかもしれない。だが、俺にはその質問に対する答えが、見つからず。俺もそんな生徒を見る度、辛い気分になった。

ーーーーー

退職した俺は、ドッグトレーナーという簡単に言うと、犬のしつけをしたり、飼い主に犬を飼う上での指導を行う仕事についた。まだまだ見習いだけど。

だが、世間はそう甘くない。それは自分がよくわかっている話だ。教師をやっていてもそれはわかっていたし、例えば、教師をやっていた時も受けたパワハラ。

パワハラだって、大なり小なりある物かも知れない。いや、あってはならないものなのだけど。そんなパワハラもそうだし。職につくうえでの苦悩は誰だってある。そこで気を病んだりする人も居る。その試練が、いよいよ自分の前にも現れた。

さっきも言った通り、ドッグトレーナー見習いという形で就職をしていて、1ヵ月くらいだった。

募る話は沢山あるが、今日だけで言うと、朝から『面談がしたい』とオーナーから問いかけられた。

それに対して、いつがいいですか?と問いかけた俺、それに対してオーナーは『今日は忙しいからさ…』という話だった。「出来るときに呼んでください」と俺はそのとき言っていた。

前回も面談すると言われた時も同じような感じで、同じような返しをしたが、その時はスルーだった。だから、まあ、今回もスルーされるんだろうなと思っていたのだが、夕方16時頃に呼ばれた。

そこで呼ばれた俺は室へと向かった。

何を言われるのかそわそわしていたが、自分も言いたいことが沢山あったから、それを整理しながらオーナーを待っていた。

そしたらオーナーは開口一番、他のスタッフの文句をいい始めた。 あり得ない。俺は思った。実は、そのスタッフは今日辞めていて。そのスタッフもかなりの人権侵害を受けていた。自分も今日だけで人権侵害を受けていた。正直、告訴すれば勝てるほどだ。

そんな物を受けていた。だから、面談初っ端、今日仕事に来なかった、辞めると今日伝えたスタッフの文句から始まった。

関係ないはずだ。まあ、スタッフとして繋がっているが。それは別だ。

前々から、そのスタッフが辞めたいと言っているのは知っていたし、相談にもよく乗っていた。

「俺はもうちょい頑張るよ。」って話をしていたが、その気持ちすらも折られるような話方だった。

そんな話から始まり、二番目に『仕事初めてみてどう?』って話をされた。資質的な?適正?的な話だった。

いや、適正ってなんやねん。って思ったけど、ドッグトレーナーについての話だろう。

見習いとしての資質だと思ったから

「犬は可愛いし。可愛がってあげたくなるんですけど、甘やかし過ぎるというか、可愛がりすぎて、触っちゃいけない所でさわろうとしたり、動いちゃいけない所で動こうとしたり。

そういう知識もだし、経験もだし。そういう覚悟?というか、ドライに接するという手法について体が体得仕切れていないな」だて事と「仕事だけじゃなくて、トレーナーとしての分も未熟だし、お金関係も他のスタッフに任せきりだし」と。まあ、お金関係はあまりわかっていないからできるはずがないのだけど。

ただ、申し訳ないなとは思っていた。それで「はやく覚えて力になりたいです。」といった話をした。

資質の話で、俺はそういう話だと思ってそういったのだが、どうもオーナーの思ってるのとは違ったみたいで、『本質の話なんだよね』と言われて。本質?と思ったから、どういうことかと確認したら。

『えーっと…勝さんって。本質が適正じゃないと思うんですよね。』本質が向いていない?どういう事かと。それについても聞いたら、

『勝さんはプライドが高いですよね。』プライドが高い??自覚が無かった。なるほどなと思い。「どういう所がですか?」と今後の勉強の為にも質問したらまあ、違う話が出てくるわけだ。所謂、話のすり替え。

自分がポンと答えられないことに対して、別の説明できる事に誤魔化してしまう。オーナーのよくある癖のような物だ。基本的には、議論ができない。自分の論が正しいという事をもしくは、自分の意見が通らないと不満に思い、文句を言う。

ながったらしく説明したが、一言でいえば"子供"だ。

言葉は悪いが、所謂【餓鬼】だ。

『プライドが高い。』

「どの場面で出てますか?」

『まあ、次元として、プライドを気にしない人と、プライドをきにする人が要るんですよ。』と。その話が聞きたい訳じゃない。

今、自分が聞きたいのはどの場面で自分のプライドの高さが出てるのか?それが聞きたかった。だから実際に自分のこの意見をオーナーにぶつけた。すると

『そういうとこですよ。』と。そういうとこ?説明して貰ってもいいですか?と突き詰めていったら、最終的に出てきた答えが

『わかりません』

はい???? 百歩譲って、自分に至らない所があって、自分に改善できるものならば、雇ってもらっている立場故、直したいし。自分がどうすればいいですか?と場面がわからない。じゃあ、自分がどういう対処をすればオーナーの為に職場の為になりますか?と聞いた。すると、

『いや、それは本質的なものなので変えられないです。』いや、どうすればいいのか?という話だ。

端的に言うと、『性格に合わないんです。

めんどくさいんでしょ?この人種が』と言った。

最初は認めなかった。また、話のすり替えがあったのだが、正直自分もフラストレーションが溜まっていた。

下手に下手にいた。普通は「教えてぐさい」なんて言わない。「どこですか?」って。オーナーと雇われという立場はあれど、人と人だ。

そこには心もあるし。やっぱり、人としての気持ちがあるし。それを否定されて。やってきたことを1ヵ月近くしかみていない人が、

『プライドが高い。』

「それどこですか?」言えない。

「どうしたらいいですか?」

『自分で考えろ』と。いや。余りにもだ。

正直、仕事の事に対して文句を言われる覚悟はあった。仕事はさばけていないし。右も左もわからない状態だから。分かっていない。だから質問したりして進めるし。

ただ、わかることはある。掃除や挨拶。飼い主さんとのトーク。相づちの打ち方。

そういうのをやっていると全否定される。例えば、掃除をやっていると

『ちゃんとやり方があるので今はしないでください。』後でやり方を教えて貰うのだが。普通だ。さっきまでやっていたのと何ら変わりはない。

後は、挨拶にしても。こと細かく指摘されるのだが、それを普通だ。

普通出来るものだ。

それから飼い主さんとの対応。

普通は飼い主さんが困っていたら飼い主さんの話に対して、「うんうん」って頷いたりした方が。いや、した方がというより、する。するのだが、『するな!』と言われる。おかしい。サービス業。お客様あっての仕事。お客様が困っているのに同意しちゃいけない?おかしな話だ。もう訳がわからない。

こんな事、学校行かなくてもわかるのだが。

そこで感じた事は、オーナーは王様になりたいんだろう。

そこでのトップストライカーになりたいのだろう。と

こっちはあくまでも黒子で居てください。と、そう言うことなんだろうな。と俺は思った。

要は、サッカー経験者ならわかるかもしれないが。

オーナーはワントップのFWで。『パスくれくれ!』と言うわけ。でも、この人は降りてきてディフェンスもしない。パスを貰うための動きもしない。

『俺がここにいるからお前らはパスを出せ。』と。上手くパスが出せないと『なにしてんだ。』と怒ってくる。そんなストライカーにパスを回すはずがない。本当に幼稚な人だと思う。

そんなオーナーにも嫌気がさして。ついにドッグトレーナーも辞めた。

ワンちゃんは可愛いし、この仕事も辞めるのは少し躊躇したが、こんなオーナーと仕事をするくらいなら、辞めた方が良いと思う。

ーーーー

「はあ…なんか上手くいかねえなあ…」

実は、自分はYouTubeもやっている。と、いっても登録者は万とか千とかではなく。100人ちょっと。それでもみてくれてる人に感謝して続けれている。

ドッグトレーナーのオーナーに比べて、YouTubeの視聴者は優しいし、正直やりやすいとは思っている。

同時に、配達の仕事も始めた。確かにそう上手くは行かないものの。少しずつ、確実に再生してきている自分の生活。しかし、事件は起きた。


ーーー


一夜が明けて。瞼を開ければ、いつも通りの天井が見えている…はずだった。

木製の天井だが、明らかに家とは違う材質。匂いも。雰囲気だっていつもの家とは違う。

夢か?そう思ったが、自分の嗅覚が妙にリアルに働いている。

どうやら、現実なのだろう。いや、現実か?

信じがたい現実に。その時はただ、頭を傾げることしか出来なかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ