第33話
「こりゃあすげぇな……」
地下水道へと足を踏み入れた二人。
そんな二人が見たものは無数に光る松明。
中は意外と広く、大人二人が横に並んで歩ける程度には幅がある。
「誰か住んでるのか?うぉっ汚ねぇ」
「ああ、この先に居るんだが……ちょっと止まれ」
「なんで?」
鼠や泥濘を警戒しながら進んでいくとアダンは手を上げ止まるように促した。
急に警戒し、マブトより先に進む彼。
「おっと……」
少し広い空間に出た途端3方向から槍を突き出された。
木の棒を焼いて固くして尖らせただけだが十分殺傷能力はある。
「お、おいおいおい!アダン!!」
「心配するな大丈夫だ。そうだろ?」
槍を突き出してきた人物に話しかける。
顔を見てみればまだあどけなさが残る少年だった。
「何しに来やがった?」
警戒心をむき出しにして少年の一人が口を開いた。
「一晩だけ泊めてくれ。大丈夫だ何もしない」
「信用できるか!断る、帰れ」
「手前みたいな野郎をここにおけるか阿保が」
「とっとと帰れ」
背中を向ければその瞬間に刺してきそうな雰囲気が漂い始めてきた。
そんな中だった。
「おいお前等。ちょっとどけ」
「ルノーさん?」
「お客人に手を出すなよ全く」
少年たちと揉めていると人だかりをかき分けてこちらに歩いてくる人間が見える。
上半身は裸で筋骨隆々の男。
周りは少年であるがその人物だけはアダンと同い年か少し年上に見える。
「決めただろ?うちは来るものは拒まないってな。まあ害する意思がないならの話だけどな」
「あんたがここの頭か?」
「ああそうだ。俺はルノーって呼ばれてる。そんでお客人、ここに泊まりたいって話だったよな?」
「ああそうなんだ。泊めてくれるのか?優しそうなお兄さん」
「そうだな……2つ条件がある。1つは武器を俺に預けてもらう。もう1つは金だ」
「まるほど……で、いくらだい?」
渋々ながら金を出そうと財布を出した途端、もろともルノーに取り上げられてしまった。
「なんだこりゃあ。しけてやがるな。銀貨1枚と銅貨がちょいちょい。まあこれでもいいか」
「それ今後の旅で使う路銀なんだが……」
「こんなしけた金で安心して泊まれる宿が出来るんだ。別にいいだろ?さあようこそ、『泥濘の巣』へ」
去っていくルノーを苦笑いを浮かべながら見送った。
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