3.君、欲求不満なのかい?
ギリギリで間に合った……ッ!
次はもうちょい、余裕もたせて投稿したい……。
『とりあえず、その称号とスキルについては僕が調べてみるから……今日のところは帰りなよ』
俺のステータスを食い入るように見たリピアは、重そうな辞書を片手に俺を店から追い出した。
今日、俺が持ち込んだ物品についてはまだ鑑定が終わっていないので、明日にはそれも済ませてお金を払ってくれるらしい。
中品質のゴミたちはともかく、俺のリサイクルのスキルによって作り出された鉄の延べ棒は素晴らしい一品(確信)なので、明日の報酬は過去最高となること間違いなし!
そして、その金を使えば俺の廃墟同然の家も多少は補強できるに違いなーーー
「ーーーん?家の補強ってもしかして……」
そういえば、今の俺にはこのリサイクルというスキルがあるのだった。
こいつならばもしかしたら俺の家も作りかえることができるのでは……?
思い立ったが吉日。
俺は即行動に移した。
その結果……。
「おぉー!なんて素晴らしい出来だ!!!少なくとも、あの廃墟同然の家とはとても思えないぞ!」
まさにこれぞ究極のビフォーアフター!
バスラ様の神の手によって、俺の家は生まれ変わったのだ!!!
と言っても、その補強に1日強も費やす羽目になったのだが……。
まぁ、ただで補強できたのだから安いものだと思っておこう。
それに、リサイクル以外にもリユースの使い道も、今回のリフォームでつかめてきた。
この調子で他のスキルも極めていきたいものだ。
「……にしても、眠いなぁ」
「くぁ……」と情けない欠伸と共に、俺は強烈な眠気を感じた。
もっともっと、自分のスキルを試したい!
そんな意欲が心の中にグツグツと煮えて滾っているというのに、身体の方はちっとも反応してくれない。
「うむ、心技体と言うしな……身体が疲れていては、元も子もないな。とりあえず、今日(というか、昨日か?)するべきことは終わったし、ちょっと休憩でもするか……」
この家に俺しか住んでないこともあって、こんなに騒いでも誰一人として反応してくれないのがやけに寂しいが……。
まぁ、それはともかく今は睡眠が必須。
早く、寝な、い……と……。
俺は、ベッドに寝転がるとすぐさま眠りについた。
◆
「ん、んぅ………ぁう?」
朝、否既に太陽が真上を過ぎて、若干西向き過ぎているし、午後の時間帯なのか?
では、これは白昼夢とでも言うべきものなのか?
俺は、寝ぼけた頭でそう考えつつ目の前の物質を触ってみる。
ふにょん、という擬音が聞こえそうな程柔らかな質感。
きめ細やかな銀色の糸が俺の身体に絡みつき、なんとも言えない情欲を誘う。
そして、極めつけは……。
「んぅ、ぁ……うぅん………あっ………」
この喘ぎ声にも聞こえるこの音。
もしや、俺が寝ている間に大人の玩具(隠語)でも作ったというのか!?(錯乱)
だが、いつまでも俺も現実逃避しているわけにもいかない。
俺は、目を薄っすらと開けてもう一度パイタッチすると、落ち着くために(昨日作成した)洗面所に行って顔を洗った。
そして、一言。
「なんか銀髪美幼女が俺のベッドで寝てるぅ〜〜ッッッ!!??」
世界の中心で愛を叫ぶ勢いで、俺は大声を張り上げていた。
◆
先ほど白昼夢で見た美幼女は、やはり白昼夢に生まれた代物だったのだ。
と、そう確信したのは飯(朝ごはんとは言える時間ではない)を食べてからもう一度ベッドルームに戻っきたときだった。
ベッドルームは、相も変わらず物が散乱してしっちゃかめっちゃかな有様ではあったが、(肝心の)美幼女は見つからなかったので、やはりあれは俺の夢(もしくは妄想)だったのだと諦めがつく状態になった。
まぁ、ほんのちょびっとだけ残念だな〜、なんて思ったりもしたが……。
それは置いといて。
兎にも角にも、俺は自分のなすべきこと即ち家のリフォームにも無事成功したわけだし、報酬もリピアから貰えることになっている。
となれば、俺が直近ですることは何もないわけで……。
そうなると、当然早くお金貰えないかな〜、とかソワソワしちゃうわけで……。
「それで?居ても立っても居られないから、ここが閉店する前に来ちゃったと?つまりは、そういうわけだね?バスラ」
「ああ、まあそういうわけなんだよ」
「ふーん……」
時刻は変わって午後3時(リピアの時計で確認した)
本当ならば、リピアのお店は開いている時間帯で(リピアの店は午前10時開店の午後5時閉店)俺のために、無理やりこの時間帯に閉店したとなると申し訳なさで、一杯になったりはするのだが……。
まあ、それでも気になるものは気になるし……。
ここは、とりあえず友人であるリピアに思いっきり甘えちゃおう、と考えたわけだ。
ま、そのリピアから現在進行形で冷めた目で見られているわけだけど……。
「……それで?君は結局その銀髪褐色ロリちゃんの胸を揉みしだいた後、どうしたんだって?」
「え、えーと……その後に洗面台で顔を洗ったら急激に頭が冴えてさ……。“あっ!もしかして、俺夢でも見たのかな”って、思ってさ。それで、食後に戻ってみたら誰も居ないから……」
「へー、そうなんだー……」
あまりにもリピアの棒読みにも思わず固まる。
えっ?何、なんか今日のリピアちゃん機嫌悪くない?
なんか、嫌いなものでも口にしたのか?
なんて、言葉がでかかったりもしたが、その前に彼女の口から不機嫌な理由が明かされた。
「そうそう、バスラくん。これは、ある学者の見解なんだけどさ……“夢はある種、その人の願望を映し出している”だってさ。ねえ、これどういう意味かわかるかい?」
「ひぇッ……!その、えぇ〜と……っ」
普段、呼ばないであろう君付けに、しかもあの冷めた表情ッ!
よっぽどのMじゃない限り、恐怖を覚えること間違いなしだ!!!
俺が何も答えないことに業を煮やしたのか、材質がよくわからない白い棒を片手でパキリとへし折ると、リピアはゆっくりと口を開いた。
「つ・ま・りぃーーー“君、欲求不満なのかい?”って、聞いてるんだけど?」
「ーーーあっ」
そこで初めて彼女の思考に届いた。
そうだよ、その学者の言ってることが正しいんだったら、俺ってば滅茶苦茶色欲強い奴じゃん!
しかも、添い寝しているのが美女とかだったらまだ良いけど、それが美幼女って……ッ!?
そういえば、俺の話を聞いている間リピアの目が妙に冷めているなー、なんて思っていたが……あれは、変態を見る目だったかぁー(白目)
……既に後悔しても取り返しがつかないな。
と、リピアからの信頼を失った俺は、他人事のようにどこか冷静な視点で思考していた(諦観)




