第九話 もう一人の剣霊使い
約10分ほどで、目的地の林の前の広場に着いた。
やはり魔法を使うと速さも全然違う。
空中で障害物もないので、とても早く着いた。
「お!人の気配がするぞ!だいたいあの木のあたりだな!」
カリューが指をさして教えてくれる。
カリューが教えてくれた木の裏に向かうと
「おお、《朱の騎士》リオそして.....可愛いお嬢さん、こんな遠くに呼び出してすまないな」
フローリエ先生が木の裏から出てきた。
やはりカリューのことは見えているようだ。
「いえ、フローリエ先生、僕のこと覚えててくれたんですね。僕は名前を聞くまで忘れてました。でも、その呼び方は辞めていただけませんか?少し.....その......恥ずかしいです。その呼び方は騎士団時代の呼び名なので、今は普通のリオ・ファミエです。騎士団に入っていた時は、ご協力ありがとうございました、騎士団を代表してここでお礼を言わせていただきます」
リオは頭を下げる。
「そんなかたいのはよせ、あれは国境での問題だ、何かあったらこちらも困るしな、あれは当然のことだ」
フローリエ先生はいい人で正義感の強い人だ、国境の件でも全力で協力をしてくれた。
「お前が、たった10歳で騎士団に所属していたんだ、さすがに覚えるだろう?それはさておきだ本題にはいるぞ」
フローリエ先生の顔が急に真剣になった。
「お前3年前あの国で何があった、とても平和だったろう?何故そんな国が反乱を起こした?」
「僕はそのへんは何も知りません、急に黒いコートを着た反乱軍数人が城を襲ってきたんです」
「数人だと!?他に知ってることはないか?」
「他....ですか....」
リオは暫く言おうか言わないか迷う。
「主人、言いたくないのなら.....」
カリューが気を使ってくれる。
「いや、いいよ...自分で言う」
沈黙のあと....
「.....ジープ帝国はその時、国内の全ての勢力を城の防衛に移しました。しかし、全部隊は全滅、誰一人生き残る者はいませんでした。僕ら騎士団もその戦争に参加しました。しかし、騎士団も壊滅、10人いた精鋭の騎士団も僕と団長を残してこの世を去りました」
「そうか、団長は今どうしてる」
「.....団長は僕を庇って転移魔法でこの当たりまで飛ばしてその後は.....」
リオは俯いて黙ってしまう。
「そこから先は言わなくても分かる、すまない辛いことを思い出させてしまった」
フローリエ先生は申し訳さそうにする。
「いえいいんですよ、謝らないでください、この情報は先生も知っといた方がいいことですし.....」
この情報は誰も知らないだろう。知っているのは反乱軍の数人と、生き残っている数人のジープ帝国民だろう、最もジープ帝国民も今は何人残っているかも分からない。
ほかの国も調査に出ようとしたが、ジープ帝国へ向かった調査隊は誰一人帰ってこなかったそうだ。
「そうか、私が聞きたかったのはそれだけだ、わざわざ来てくれてありがとうファミエ、そしてお嬢さん」
「お嬢さんではない!私はカリューだ!立派な名前がある!」
横で話を聞いていたカリューがカリューなりの自己紹介をする。
「あら、ごめんなさい、カリューちゃんもご主人様の手伝いありがとね」
フローリエ先生がカリューの頭を撫でる。
「こんなもの剣霊としては当然だ!」
カリューはそう言いつつも少し嬉しそうだ。
「そういえばフローリエ先生も剣霊使いなんですよね?」
リオが聞く。
「そうよ、ほら、ニール出てきなさい!」
フローリエ先生がそう言うと鞘におさめている剣からカリューとは正反対の真っ黒の長い髪で、闇のような漆黒の瞳をした15才ぐらいの少女が姿を表した。
「なんだよ主人.....って!カリューじゃねぇか!久しぶりだなぁ!」
カリューに反応した。どうやら二人は昔に会っているらしい。
「おお!誰かと思えば、ニールか!元気にしてたか?」
カリューが急に元気になった。
久しぶりの再会を嬉しがっている。
「おう!元気にしてたぜ!お前もまたいい主人がいたもんだな!」
「それは当然だ!私が選ぶ主人は優秀だからな!」
ドヤ.......
カリューの定番のドヤ顔。
もうリオは慣れた。
「あら?二人は知り合いみたいね」
フローリエ先生は驚いた顔で二人を見つめる。
「おう!主人!私とカリューは昔に何度か会っててな、最近は全然会わなくて心配してたぜ〜!このこの!」
ニールはカリューの頭をわしゃくしゃと撫でる。
15才ぐらいの身長のニールに対してカリューは12才ぐらいの身長なのだ、とても頭が撫でやすい位置にあるためつい頭を撫でてしまうのだろう。
「こらこら!やめろ!ニール!私は子供じゃないんだぞ!」
「にぎやかですね、先生」
「そうだな....」
リオとフローリエはそんな楽しそうなやり取りをしているカリューとニールを見つめる。
「さあ、こんなところでずっと話してると昼になるぞ!早く帰れ!なんなら私が飯を奢ってやろうか?」
フローリエ先生は笑顔でそう言った。
「先生、そんなこと悪いです!」
リオはすかさず遠慮するが
「いいからいいから、その後の話も聞きたいんだし!」
先生は無理やりリオを連れ出す。
「ほら!二人とも!こんなところで話してないで!奢ってやるから.....デザート」
「「デザートだと!!!」」
二人は綺麗に口を合わせて反応する。
どうやら剣霊はデザートには目がないらしい、カリューだけでは無なかったようだ。
「そうだ!デザートだ!ほら!さっさと行くぞ!」
そして、リオとカリュー、フローリエとニールは飲食店通りへと向った。
新しい剣霊ニールが登場!
皆さん!どうでしたでしょうか?
楽しんでいただければと思います!
また次回もよろしくお願いします!
読んでくださりありがとうございました!




