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【コミカラ二巻出たよ】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第二十一章

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香る男はどこ行った?3

「前にちょっと関わったことがあるんです」


 以前コルモー大森林に現れた密猟者を倒しに行ったことがある。

 その時に出会ったのがスイロウ族という獣人たちだった。


 北の蛮族と呼ばれていた獣人たちとは違って、王国民としてコルモー大森林に住んでいる一族である

 スイロウ族、そしてコルモー大森林での出来事は忘れられない。


 死にかけるぐらいの色々なことがあった。


「……トースとエスクワトルタは元気かな?」


 町まで助けを呼びにきた獣人の姉弟のことを思い出す。


「あとは……あのカメもどうだろうかな?」


 戦いの最中で助けた水源地の守り神ともなっているモンスターには子供が生まれた。

 そのせいで水に悪影響も出ていたなんてこともあったが、今のところ川が干上がったりしていないので無事に過ごしているのだろうと思う。


「スイロウ族と……うちですらほとんど関わったこともないのに。そう言えば前に兄さんが犯罪組織を潰すとかでそんな話が……」


 あの時もヘギウスが犯罪者組織潰しでちょっと関わったりしている。

 ただその後のコルモー大森林に行ったのはルシウスを始めとしたゼレンティガムであり、ヘギウス商会そのものはあまり関わらなかった。


 ウェルデンにとっては、随分前にチラッと聞いた話の中にスイロウ族とジケのこともあったような気がする、ぐらいのものだった。


「私は覚えてますよ。ウーちゃんに憧れちゃった子ですね」


 リンデランもトースとエスクワトルタのことを覚えている。

 トースはウルシュナに一目惚れをしていた。


 初めての獣人であったし、印象深い。


「リンデランも……」


 知らないところでリンデランも冒険しているのだなとウェルデンは思った。

 昔は物静かで外出することも少なかったから、リンデランのことはなんでも知っていた。


 しかし最近はヘギウス商会が忙しいこともあって、知らないリンデランなところも増えている。

 思わぬところで成長を感じ、ちょっとした寂しさも覚える。


「それで……カグノーズさんはコルモー大森林に?」


「この手紙によるとそうなりますね」


 今は感情に浸っている場合でもない。

 ウェルデンはそのまま手紙を読み込む。

 

 手紙には花のスケッチらしきものも描いてあり、確かに花の報告であった。

 怪しいようなところはない。


「連絡がない、となると危険なのかもしれませんね」


 ウェルデンは手紙を元あった場所に戻す。


「どうするんですか?」


「……難しいところですね」


 そもそも状況的な証拠しかなく、何かあったのかもしれないという可能性があるに過ぎない。

 何かがあったと決めつけることもできないぐらいの状況である。


 しばらく連絡がないことを考えるに、異常があった可能性も否定はできない。


「どうすべきか……なかなか悩ましいですね」


 ただカグノーズは失うに惜しい人物である。

 多少の無礼も覚悟で動くことも必要かもしれないとは考えている。


「……俺が見に行ってみてもいいですか?」


「ジケ会長が?」


 悩むウェルデンに、ジケは自分が行くと提案した。


「スイロウ族は知り合いです」


 スイロウ族にとってのジケは知り合いどころか割と恩人だとすら思う。


「友達にも会いたいですしね」


 コルモー大森林は結構遠い。

 何かのついでに、と行けるような場所でもない。


 トースとエスクワトルタが元気にしているのかも気になるし、カグノーズに用があるのはジケも同じだ。

 友達に会いに行くついでにカグノーズを探してみるのならどうだろうかと思ったのである。


「……そういうことでしたら…………お任せいたしましょうか」


 ウェルデンもコルモー大森林については明るくない。

 スイロウ族に顔がきくジケが行くというのなら、カグノーズ捜索もスムーズに行く可能性は高い。


 ジケの能力も、周りにいる人も知っている。

 何かのトラブルがあったとしてもジケなら解決できるだろうと信用できる。


「お願いいたします」


「お任せください」


 また安請け合いして。

 そんなエニの言葉が聞こえてきそうな気がするものの、ジケがコルモー大森林に向かってみることになったのだった。

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