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【ファンタジー】愚痴る裏方の肩は軽い

【お題:陰、役 テーマ:適材適所 文字数:500字】

 まったく人間ってのはつくづく視野が狭い。表舞台に立つ者にしか注意が向かないんだから。


 一流の学者、アイドル、アスリート。

 偉業を成したその人は褒め称えても、裏方には目もくれない。陰で支えた人達の仕事だって、同じかそれ以上の偉業だってのにさ。

 

 で、それは転生先のファンタジー世界でも同じなわけで。


「なんで私がこんな仕事を……。ああ、面倒くさい!」

 

 依頼のギガゴブリン討伐に向け、ザコをちまちま処理しつつ一人ごちる。


 生まれ直して、相応な努力もして、勇者と同格の戦闘力も得た。

 でも先を越された。たったそれだけで、向こうは国王に勲章もらって豪遊生活、私はひもじい冒険者生活。ひどい格差だ。


 確かに勇者は魔王を倒したよ。でもそれは誰のおかげ?


 勇者の剣を鍛えた鍛冶屋さん。と、専属契約していた道具屋さんにレア素材を納品したのは私だよ? つまり私がいなきゃ回り回って勇者は魔王を倒せなかったってのに。もはや私が魔王を倒したって言っても過言じゃないんじゃない?


 ……とか言って。


「衆目に晒されるのは、それはそれで荷が重いけどね」


 結局の所、収まるべき役に収まったんだろうなって。

 冴えない自分に嘆息しつつ、今日もゴブリンの巣を目指す。

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