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【恋愛】バカには分からない告白
【お題:月、橋、意図的 テーマ:幼馴染の恋心 文字数:490字】
二人きりの帰り道。
夜だからか、いつもの通学路さえ神秘的に見える。
でもそれを楽しむ心の余裕なんて、今の私にはなかった。
「ねえ綾。今日はこっちから帰ろうよ」
「え? でもそっち、遠回り……」
「いいじゃん、たまにはさ」
直は無邪気に笑うと、私の手をとって歩き出した。
いつからか、握るたび緊張を感じるようになった手に引かれ。
知らない道へと、どんどん進む。
それは単なる彼の気まぐれなのか。
それとも……。
「おお、スゲぇ!」
途端、直は足を止めて叫んだ。
そこは満月のスポットライトが当たる橋の上。
小川の水面が青白く照らされて。
都会のイルミネーションみたいに輝いていた。
「見ろよ綾、月が川に映ってる!」
直が私に笑いかける。
でもそれはいつもと同じ、男友達に向ける笑顔で。
……なんだか意図的な何かを期待した私がバカみたいだ。
悔しいから、ちょっぴり反撃を試みる。
「……月がきれいですね」
私のつぶやきに、直は「そうだね」って素直に頷いた。
……やっぱり気づいてない。ホント、直は鈍感すぎるよ。
でも……私は少し安心してしまった。
今はまだ、この関係を心地よく感じるから。
この気持ちはもう少しだけ、私の胸に眠らせておく。




