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憧憬の向こう側  作者: 葉竹ゆり
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イザベラとエレオノール

「どれ、でわ、わしも、

ついて行くとしようかの?」


ありがとう、ドレンド爺、

あとは、………

やはりイザベラを連れ戻さなければ。

あの子の熱い正義の心は、

近くで見ていたいもんなぁ。

刺激になるし。


「エレオノールよ、

おまえさん、じぶんの心を偽ることだけは

やめておくんじゃ。

イザベラのことを、

もう一度よーく考えてみなされ、

あの子に声を掛けるのは、そのあとじゃぞ」


私の心を偽る?

なんのこと?ドレンド爺、

私は、イザベラを

連れて行きたいと、思っているよ、本気で。


「正義の心を持つ子、

だからかの?

それを理由にあの子を誘ってみても、

また、同じ返事しか、期待できんぞ?」


???

………来てくれないと?

また、断わられると?

どうして?


「あの子が、最初におまえさんに言った

あの言葉の意味が、わからんか?」


ワタシヲ、アナタノ隣デ、闘ワセテ。

覚えてる、覚えているよ。

でも、意味って?


「そこにあるのは、純粋無垢な

正義の心なんかじゃ、ないじゃろ?

あるのは、エレオノールよ、

おまえさんに対する不器用なほど

盲目の愛じゃよ」


え?

あ、愛?


そ、そんなことはないわ。

あの子、私のこと、好いてはいないわ、

ことある毎に突っかかってきたし、

私の言うことなんて、

これっぽっちも聞きやしなかったんだから。

そんなこと、ある訳ないわ。


「じゃから、じぶんの心を偽るでないと

いっとるじゃろ?

わかっておるんじゃろ?

あの子のその態度の意味とか、

あの子のおまえさんを見るまなざしの熱っぽさなど

そばで見ているこっちが、痛々しくなる程じゃぞ?


偽るな、偽るな。

じぶんの心とちゃ〜んと、向き合うのじゃて。」


そ、そうなの?

そうなのかなぁ?わかんないけど、まぁ、

それが本当なら、全然嬉しいことだし、

それを理由に、あの子を連れ戻せるなら、

べつに嘘ついてる訳じゃないから、

全然いいんだけど、でも、ほんとに

いいのかなぁ?

ドレンド爺?


「なにがじゃ?」


もし、それでいいなら、

それであの子がついて来てくれるなら、

ホントの理由が、それなのなら、

私、

今日が、人生で一番幸せだ。


幸せだよ、ドレンド爺?


「ま、あれだけのことをやってのけたのじゃからな、

人生最大のご褒美をもらっても、よかろうて。

おお、泣いておられるのか、姫よ?

鬼の目にも涙、とは、まさしく、まさしく……」


うるさいわ、黙りなさいッ、

太陽がまぶしいだけよ、

……………、

絶対誰にも、言っちゃ、駄目よ。

…………あッ、

それから、姫って、言うな!

誰に聞かれるか、わからないでしょ!





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