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第87話 朦朧

「ここはどこだ。



俺は何でこんなところにいるんだ。」



飯山は朦朧もうろうとした意識の中で、



何事が起きたのか理解出来ないまま



フラフラと立ち上がった。



体中に痛みが走って、思わず



「うっ」と



うめいてふらついた拍子に



バランスを崩して道端に倒れ込んだ。



苦しさと得体えたいの知れない恐怖感が



ブラックホールのように



意識を高圧で押しつぶして来る。



道端にしばらく倒れていたが



意を決したように



体の力を振り絞って立ち上がった。



真っ暗で



人っこ一人見当たらない。



こんなところから早く出て、



にぎやかな場所へ行きたかった。



飯山は拳銃で撃たれて



刺されたことは覚えているが、



自分が死んでいることには



まったく気付いていないようで



肉体の痛みから



離れることが出来ない。



先ほどから



後ろをついて来ているイタチは



飯山が記憶をよみがえらせていた映像を



見ていたのだ。



さまざまな出来事があり



飯山の周辺の人達の出来事まで



映像は瞬時に明滅しながら



短時間で大量の情報が



イタチの意識に流れ込んで来ていた。



イタチは飯山が殺された状況を



瞬間で理解した。



先ほどから



時間はほとんど経過していない。



真っ暗で凸凹でこぼこの山道は



気をつけて歩かないと



何につまづくかわからない。



飯山はヨロヨロと



足をもつれさせながら



坂道を下りて行く。



突然、



イタチは暗闇にまぎれ、



うっすらと影のような何者かが



跳びはねながら飯山の後ろから



足音を忍ばせてついて行くのに気付いた。



「何だ。あれは。」

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