表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/136

第44話 危機一髪

チャンスン隊が



バリアの裂け目を見つけて



突入して行くと、



イシン隊も



そこから突入を始めた。



博士達のまわりにいる



護衛のサイボーグ達が



イシン隊の攻撃に備えて



戦闘体制に入っている。



アルホンス技師は



死にもの狂いで走った。



階段も



何段跳びだかでかけ上がり、



ぼんやりしているアルタミラの



脇を走り抜けて、



火花を散らしている基板を



外そうとした。 



アルホンス技師は



肉体から離れて



だいぶ年月が経っているためか



肉体意識が



希薄になっているらしく、



息切れはしていなかった。



基板は継ぎ目が無くなる



特殊な接着剤でつけてあるので、



その接着剤を溶かす



特殊な溶剤を塗って



剥がすのだ。



アルホンスが持って来た



チューブ状の容器から



揮発性の液体が出てくる。



これは揮発してしまうと



効力を失ってしまうので



手早く作業しなければ



交換が出来ないのだ。



アルホンス技師は



溶剤を継ぎ目に沿って



グルッと



塗り終えると



スポッと



基板を抜いて、



すぐに新しい基板をはめ込んだ。



溶剤が揮発してしまう前に



はめ込めば、



塗ってある接着剤が効いていて



再び完全に接着してしまうのだ。



チャンスン隊が武器を構えながら



階段を上がって来た。



そして廊下を進んで来る。 



バリア発生室の前で



ぼんやりしている



アルタミラを



見つけると



先頭の兵士達が



一斉に走って来て、



剣を振り上げ、



アルタミラを斬ろうとした。



「待て、生け捕りにしろ」



チャンスン小隊長が止めた。



兵士達がいぶかって振り返ると



チャンスンが



「ザリエル将軍が御所望だ。 



捕虜にせよ。



後の者達は



部屋の中にある物を破壊せよ。」



チャンスンは



ザリエルが



アルタミラを八つ裂きに



してやりたいと



思っていたことを



見抜いていて、



アルタミラを連れて帰れば



喜ぶだろうと思っていた。



「は、はー」



兵士達がかしこまって答えたあと、



ドッと部屋に飛び込んで行った。



アルホンスが振り向くと



兵士達が形相ものすごく、



手に手に



様々な武器を



振り上げながら



向かって来て、



アルホンスと機械に



武器を振り下ろした。



「ああっ、」 



アルホンスは必死で



部屋の隅に向かって逃げようと



泳ぐように走った。



突然



「ズズーン」



と大地と空間を揺るがす



激烈な衝撃波が



発生したかと思うと



暗黒軍の兵士達が



吹き飛ばされて



空中高く舞い上がっていった。



アルホンスの基板が接着され、



再起動が危機一発で間に合って、



バリア機能が



完全に作動し始めたのだ。



気が付くと



アルタミラは



後ろ手に縛られたまま



兵士達と空中を飛んでいた。



アルタミラを縛っているひも



兵士の一人にからみ付いていて、



それに引っ張られて



一緒に空中に飛び出したようだった。



アルタミラはまた気を失った。



気が付くと



どこかわからないところに落ちていて、



暗黒軍の兵士達も



あちらこちらに



散らばって倒れている。



「気が付いたようだな。」



声がして振り向くと



甲冑姿で



鬼のような形相の男が立っていた。



その背後には



無数の暗黒軍の兵士達が居並んで



これからなにが起こるのかと



何かを期待している



残忍な目がアルタミラを見ていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ