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第45話 捜索ロボット

その男は



暗黒軍を自在に率いる



ザリエルだった。



アルタミラは



殺されるかも知れない恐怖と



異質への違和感で



震えと拒絶の想いが



止まらなくなった。



こんな恐ろしくてけがらわしい



嫌なやつが



そばにいるだけで



身震いがして、



自分にきたないのが移って



自分もけがれてしまう



と本気で思っていた。



少しでも早く



この場から逃げたくて、



逃げる方法はないかと



考えてみたが



何も思い浮かばなかった。



なんでこのようなことに



なってしまったのだろうと、



アルタミラは



自分の運命を呪いながら、



ふと何かが燃えているような



煙りの匂いがして



何気なく見回すと、



いままで気付かなかったが、



目の前に



巨大な山があったのだ。



見上げるような



垂直に見える



山の斜面に



樹木がびっしりと



生えていて、



それがズーっと、



上にどこまでも



続いている。



そして、



その斜面が



上に行くほど



おおいかぶさるように



り出していて、



どういうわけか



樹木が重力を



無視して生えている。



垂直の壁のところでも



真横にまっすぐ生えていて、



遥か上空の



真上に迫り出しているところを



意識で拡大して見ると



樹木が逆さになって



生えているのだ。



物質の世界では



ありえない状態だ。



そして



地球上の植物分布では



考えられない高度にも



針葉樹が均等に生えている。



ビッシリと



樹木で埋め尽くされたところの



あちらこちらから



細い煙りが立ち昇っていて、



次々に煙の数が増えていた。



この山は



上に行くほど広がっていて、



はるか上空の雷雲で



稲妻がいたるところで



光っている。



あまりに巨大なものが、



頭上高くに覆いかぶさって、



圧迫感に圧倒されていた。



アルタミラが



あの煙りは



何なのだろうと



思って意識を煙りに向けると、



すぐに拡大されて



煙りの根元が



目の前に現れた。



よく見ると



広大な針葉樹の森林が



いたるところで



自然発火してくすぶっていたのだ。



巨大にふくれあがった



不調和な波動が



自然界に同期して



自然破壊を



起こさせているのかも知れない。



「気にいらぬやつだ。」



アルタミラの意識の動きを



見ていたザリエルが言った。



ザリエルはアルタミラを



頭から駄目なやつだと



決め付けてしまっていて、



やることなすことの



すべてが気に入らなかった。



アルタミラは



ビクッと



我に返って



ザリエルロの顔色をうかがった。



戦闘は先程のイシン隊が



バリアにはじ弾き飛ばされたために、



ザリエルロが本隊を



一時撤退させて



中断している。



博士達はイシン隊が



バリアの破れから入って来たときに



素早く地下シェルターに避難して、



シェルターの中から



外の状況を観察して



指示を出していた。



「アルタミラ君がいないぞ。



タカノマユ君



すぐ捜索して下さい。」



ザリエルロ隊が



撤退したのを見計らって、



ガリレ博士は



細身で髪をアップにして



上でまとめている



若くて肌が抜けるように白い



美形の女性科学者に声をかけた。



白衣のタカノマユが



「はいっ」



と返事をして、



しなやかな身のこなしで



部屋の中央の



広い空間の前に立つと



目を閉じて、



両手を唇につけて合わせた。



突然目の前に



地形の立体映像が現れた。



タカノマユが立ったところは



捜索ロボットと



交信するための場所のようだ。



タカノマユが捜索ロボットを操って



捜索の範囲を徐々に広げて行く。



彼女の意識を



ロボットが読んで



作動しているのだろう。



時々捜索している途中で



立体映像が若い男を映し出して、



その男が働いている場所が出て来る。



タカノマユが仕事をしながら



恋人のことを思っていて、



それを捜索ロボットが



瞬時に探し出すのだろうと



一緒に体験しながら見ている私は



好奇心をつのらせながら思った。 



博士や他の科学者達は



慣れっこになっていて、



人の意識を使って



ロボットを操作すると



どうしても



雑念が入ってしまうのは



仕方がないものだと



気にもしていないようだったが、



出てくる雑念映像はおかしくて



笑いを必死にこらえながら



面白がって楽しんでいた。 



捜索の範囲が



ドンドン広がって行くと



地形の起伏がけわしくなってきて、



巨大な大扇山だいおおぎさん



麓のところで



映像がピタリと止まった。



かなり山奥のところだ。



捜索ロボットが



大扇山の麓に



大規模な人の波動をキャッチして



自動でそこを拡大した立体映像にすると、



そこには



後ろ手に縛られたアルタミラが



ザリエルに今まさに



切り刻まれようとしている



哀れな姿がこの目の前にいるように



映し出された。



ガリレ博士はそれを見ると



すぐさま



「この位置の情報を



ただちにサイボーグ隊に送って、



アルタミラ君を救出に向かわせなさい。



急いで。」



と命令してけわしい表情になった。



「はい」



各部所から返事が返ってきて、



サイボーグ隊が



一斉に上空へ



飛び立っていった。

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