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第109話 危機

いや、消えたのではなく、



足元の地面が抜けて



そこに引きずり込まれたのだ。



すると瞬時に



ミヤナとバドグの体に



多数の腕が伸びて来て



両手両足をガッチリ掴まれたまま、



再び地面の中から押し出された。



二人は仰向あおむけの身動き出来ない無防備な状態にされて、



掴まれている腕を引き離そうと



もがいたが離すどころか、



より一層掴む力が強まった。



これでは刀もこん棒も使えない。



「かっかっかっか」



高らかな哄笑こうしょうが聞こえて



チャラムが空間からにじみ出るように姿を現した。



「畜生離しやがれ。



たった二人を相手に



これだけの人数がいなけりゃ戦えないのか。



正々堂々お前一人で勝負してみろ。」



ミヤナが頭をチャラムのほうに向けて怒鳴った。



バドグは半眼で身動きもせず



手足を掴まれたままにしている。



「言いたいことはそれだけか。



そんな恰好で何をほざいても



意味がないことぐらいわからないようでは



脳みそもたいしたことないわね。



かっかっかっか」



高笑いしている顔から急に笑いが消えた。



そしてミヤナのそばに



スーッと音もなく近寄ると



帯に剣をあてがってザッと斬り離し、



そのままバッと前をはだけて



裸体をむき出しにした。



「なにするんだ。やめろ。



馬鹿野郎。さわるんじゃねえ。手を離せ。」



ミヤナは慌てて叫んだ。



「これからじっくり生皮を剥いでやるわよ。



覚悟をおし。



クックックッ」



チャラムは右手に持った黒曜石のナイフを



ミヤナの右肩の鎖骨の下あたりに押し付けた。



「馬鹿野郎。ふざけるな。やめろー。」



ミヤナはもがきながらわめいた。



生皮なんか剥がされてたまるか。



冗談じゃない。



手足を引いたり押したりジタバタと



掴んでいる腕を振りほどこうと動かしたが



腕と足を多数の手が鈴なりに掴んでいる状態では



どうやっても無理だった。



チャラムの狂った無表情な目が



ミヤナを見おろしている。



胸に押し当てたナイフにグッと力が入って



プッと血が浮き出した。

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