妖精をペットとして捕まえたい~康彦(やすひこ)の場合~
康彦は小学4年生。妖精を捕まえて檻に入れて餌をあげて生活したい。この少年は最近そんな事ばかり考えていた。
少年は、いつのまにか黄色とピンクの異空間にきていた。妖精なのかはわからないが、体長15㎝位のクリーム色の毛むくじゃらの生き物が何やら康彦の足元でもぞもぞしていた。すぐさま手に持っていた虫取りの網でそれを捕まえる…!
康彦はその後すぐに元の世界に戻ったようだ。毛むくじゃらの生き物も一緒に。
「ゆちー」
毛むくじゃらは甲高い声でそう発した。
康彦は信じられないというような気持ちで、まじまじとそれを見て、
「おまえの名前はユチな」
毛むくじゃらをユチと名付けた。
ユチは手に10円玉位の小さな星型の物体を持っていた。毛むくじゃらは少年に星型を渡す仕草をした。
少年はだまって受け取った。
「星型にお願いごとをして」
ユチは少年にそう言った。
「ユチは話せるのか~」
康彦少年は小さな生き物に感心した。すぐさま友達にみせびらかしたくなった。
その後、康彦はユチを友達に見せびらかした。みんなも康彦を羨ましがって学校帰り康彦の家に集まり、毎日遊んだ。
ユチを檻に入れるのはかわいそうと、康彦は、康彦の1人部屋にいてもらうことにした。
ユチは普段は昼寝をしたり、康彦の母が用意したおやつを食べたりしていた。康彦の父には認識はされていたはずだが、あまり興味を示されなかった。
康彦はユチをつれて友達と近所のお化け屋敷探索へ行ったり、自転車の籠にユチを乗せてみんなで公園に行って遊んだりしていた。
本当に様々な場所へ行ったが、ユチオがいたせいなのかなぜかトラブルには巻き込まれなかった。
康彦少年はいつの間にか大人になっていた。
ユチは、いつの間にかいなくなっていた。
ある日、康彦が実家である自分の家に帰ってきた時に、自分の部屋にユチが来ていた。のんびり使わなくなった康彦のベッドの上で寝ていた。
「ユチ!お前、どこいってたんだ、探したんだぞ」
康彦はユチに駆け寄ると、ユチの側に10円玉ほどの星形の物体が落ちていた。それを手に取った康彦にユチオは聞いた。
「願い事は決まったのかい?」
星形の物体は光って消えた。
康彦は今は多くの信頼できる人達に囲まれて仕事をしている。
康彦の願いは妖精をペットとして捕まえたいのだと思っていたが、どうやら違ったようだ。




