その3
一颯は肩を竦め
「俺は警察じゃない」
それにその3000万は手切れ金らしいので身代金でもない
「ただ貴方がたがどうするかは貴方がたで決めた方が良い」
ただ俺は探偵としての最後の責務を果たしただけだ
と立ち去った。
「最も俺が警察に連絡したので…俺が被害届を出せば偽証罪になりますが」
俺は出すつもりはありませんので
「それと俺が録音したこの音声データはお渡ししておきます」
それは耕作と兄の一郎がした金の受け渡しの時の音声データであった。
2人は一颯が去った後に長浜と話をして娘の葵にも話をして、3人で警察へと申し出た。
一颯に連絡が入ったが一颯が被害届を出すつもりもなく、録音データから兄の一郎の脅迫罪も申し出されることはなかった。
ただ起訴はされなかったものの警察からは厳重に注意されたのである。
その話を坂路理沙は久世耕作から連絡を受けて一颯に話をした。
「ちゃんとしたんだ」
言われ一颯は「まあな」と答えた。
「ピーが大丈夫って言ってたから娘を手にかけることはないと確信していたからな」
ピーはハタハタさせながら
「サスガ、ワタシ、ホムズ、ココ、ヨムヨー」
と鳴いていた。
一颯はちらりと見ると
「心は読むがホームズほどの推理力はねぇーだろ」
と突っ込んだ。
外では梅雨の雨は上がり夏の日差しが射し始めていた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




