幼児の盗賊退治(前編)
時間の流れははやいもの、
どうも日々、空き地で遊ぶ、
体は子供、もう頭脳も子供なんじゃないかと思えてきた遊び人のルカ・バウアー4歳です。
残りの人生15年…そんなふう考えてた時期が私にもありました……
はい、いま口からボタボタ血が流れ出てます!完全に内蔵いっちゃいました。
何故こんな事になったかと言えば。
良い子のみんなは、親が居ない時に
「誰が来ても、決してドアを開けてはいけませんよ」
と言われませんでしたか?
狼と七匹の子山羊とかを例に出されて。
はい。
開けちゃいました。
そこに居たのは、黒い獣皮の服を纏いフードで顔を隠した大柄な男です。
父親の服装も相当なモノでしたがそれを超えてます。
怪しすぎます。
でも私がビビる事は有りません。
NHKの集金を何年も撃退しつづけた腕前でも披露してやるかと自分が不愉快だと相手に分かりやすく伝えたのです。
「はいぃぃぃぃ?どぉちぃらぁ様ですかぁ?」
はい、思いっきり蹴り上げられました。
1メートルほど飛んだ後にゴロゴロ壁まで転がります。
背中を打った事で呼吸が止まり、その後は猛烈な吐き気と嘔吐におそわれました。お昼ごはんが出ちゃいましたかと思いましたが真っ黒な血です。
内蔵やっちゃてます。
『ルカ・バウアー』
HP :5/20
男はズカズカと家に上がり込んできフードをおろします。その大男の顔は…
つぶらな瞳のDQN顔です。
いえ相手を脅す為に剃り込みとかを入れたタイプではなく。知性を感じないキチガイタイプの顔です。
大男の後からは更に二人の盗賊が入ってきました。
男達は私をつまみ上げると妹のいる隣の部屋に放り投げ1人を見はり残し2人は家を荒らしに去って行きます。
私はと言えば痛みで蹲って何も出来ません、口から流れる血も止まりませんし。
完全に舐めていました!転生前の日本の治安感覚で居た自分を呪うしかありません。
そして冒頭の状況となったわけです。
「お、お兄ちゃん、どうちて、う、うぇ」
泣きそうになる妹の口を優しく塞ぎます。
下手に騒げば速攻で殺される可能性があるのです。
でも強盗の家探は直ぐに終わるでしょう。
顔も見てしまっていますし逃げなければ殺される可能性も有ります。
わずかな希望にすがって決断を間違えるのはこう言う時なのでしょう。(盗人の慈悲にすがるなんて、捕食者を前に怯えて動けない小動物と同じですよ)
逃げるしかありません。
と言うかHPが既に
HP :4/20
になってます。
も、もう長く持ちそうにありません。