美容院と公約文
う……うう……日曜……朝……今何時……。
ー午前7時30分ー
今日は美容院に行きたい。そして……選挙がある。
周りに色々言われるのは嫌だし、こんな自分だってこの政党に入れたいって気持ちくらい人並みにはあるわけで。
あるわけなんだけど!
3日前、引っ越して間もない俺に、選挙管理委員会から手紙が届いたんだよ。
転出した方へ
転出する前の投票所で投票をしてください。
今の住所で不在者投票をするのであれば早めに選挙管理委員会へ電話してください。
電話番号:0……
転出する前の投票所は車でしか行けないところで車はない。レンタカー1番安いので4,000円。
あのさぁぁぁ!!!
こんなん無理やん。
ああああ!!
俺は行かないぞ
俺は行かないぞ
俺は……。
天使「行ったほうがいいわよ、そうやって選挙に行かない若者が増えるから……」
やめろ……やめろ……!
悪魔「へっへっへ、選挙なんて行く必要ないんだよ、1人の一票なんて全然影響ないんだから」
うん、うん、行かなくてもいい!
天使「だ、だめだよ! 選挙に行かないと、会社の人たちに色々言われるよ! 友達にも言われるし、ネットでも言われるよ」
や、やっぱ言われるかなぁぁ……。
悪魔「そんなの黙秘って言っておけばいいのさ、へっへっへ……」
だ、だよね! 黙秘すれば……。
天使「でも、政治の話になった時、俺は黙秘するとかいったら、『こいつ変なとこで真面目なんだよな』ってまた言われちゃうよ」
た、確かに……。
悪魔「は、はあ? うるせえ! どこの政党に入れたってなあ、なんも変わんねえんだよ! ぐへへへ」
そ、そうだそうだ! どうせどこに投票したって……。
天使「そんなことはないわ。ちゃんと公約文見た? 」
ちゃんと公約分見た? ちゃんと公約文見た? ちゃんと公約文……。
あ、頭の中でリピートが止まらねええええ! やめろおおお! 読もうとはしたんだ、読もうとは、忙しかった、そう、忙しかっただけで……。




