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神よ、与える前に考えてくれ、トイレットペーパーは武器じゃないっ!  作者: エッチな思考の鈴木
第四章 後進は魔王の足並みと共に
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第71話:妖精の予言書、子羊カップルと、笑う悪魔




「それで?汚名返上して彼女のハートを鷲津づかむためにここに来たと言う訳だね?

 ジェット君?」


「ま゛ぁ……そう言う事、そ゛んなわけで……一生のお願いだ、べっぴんさん!!」


「って、言われてもねぇ……。」


汗だくで木者のカウンターに垂れ下がり、必死に訴えるジェット君を眉をひそめて眺める。

まぁ、こちらとしてもドーヴさんには何かしらの恩返しをすべき引け目があるわけで。

彼の息子の頼みを叶えると言うのは、恩返しの願ってもないチャンスと言えるだろう。

だがしかしだ……。


「お願いを叶えてあげたいのは山々なんだけど、材料がないのよ。」


「そこを……そこを何とかぁ~……。

 俺のキャッキャウフフのバラ色ライフが掛かってんですよぉ、姉御ぉ……。」


「んなこと言われたってさぁ……。」


材料がなければ、作りたくても作れるわけがないのだ。

いくら姉御呼びに格上げしてくれたとしても……ね。

と言うか、我らがテリヤキバーガーショップは絶賛大好評中なのだ。

それもこれも全て、リリィちゃんのおかげでね。


いや何が凄いって、宣伝効果もさることながら市場での商売のノウハウまでも教えてもらったのだ。

客層の味の好み、世代性別別に求められる量。

どのようなものが手に取りやすく、他に何を売ることで販促効果の向上を得られるのか。

客から目線における情報網が完璧すぎる、と言うか超手練れの経営コンサルタントだよ!!


と言うか、あれ幼女なんだけど!?

ヤバない!?この世界の幼女のスペックヤバないっ!?


「何で売り切れなんですか、姉御ぉ……。」


「売れてしまったから売り切れなんだよ、ジェット君。」


訴えるのならばリリィちゃんに言ってくださいよ。

こっちもリリィちゃんのコンサルタント道理にやって1日目で数時間で完売よ。

狐につままれたこの感じ……テリヤキバーガーの力で売れたのかも疑わしいよっ!!


「ま、そう言う訳だから。

 残念だけどジェット君、フィオナちゃんへの漢気アピールは自力で頑張って。」


「そ、そんなぁ……。」


可哀想だから余ったテリヤキソースでも分けてあげようか?

いや、ソースだけもらってもパンならまだしもハンバーグすらもないとなるとねぇ。

どうしようもな……ん?

どうしようも……なくもないか?


「ちょっと待った、ジェット君。フィオナちゃんちってさ、酒場なんだよね?」


「そうっすけど……え!?なんかいい案思いついたんですか、姉御!!」


「じゃあさ……。」




フィオナちゃんの酒場につくと、そこには複雑な表情をしたショートヘアの美人さんがいた。

なるほど……ジェット君が必死になる気持ちもわかる。


フィオナちゃんを一言で表すなら、クールビューティーと言ったところか。

目つきは悪い……いや、それは彼女の私に対する感情によるものかもしれないが。

髪型はボーイッシュであるものの、それでも隠しきれていない色気がある。




「あ、どうも~。私、ミコトって言いますぅ~。」


「あっ、うん……フィオナ……です。」


「えっとぉ……。」


「……。」


次の句が続かず、長い沈黙が訪れる。


いや何というか、何か話しづらい。

テリヤキを買ってもらった時に顔合わせはしているので、初めましてでもないし。

かと言って知り合いってわけでもない。


寧ろ、彼女側としては恋敵?と言う位置取りなのだろうか?

いや、そもそも本当に恋なんて始まってるのかすら私にはわからんのだがね。

ジェット君の一方的な勘違いと言う事もあるだろう。


「それでですね、実はテリヤキバーガーは売り切れになっちゃいましてぇ……。」


「えっ……。」


クールビューティの顔は捨てられた子犬の様に変貌してた。

彼女としては相当ショックな出来事であるようだ。

大変申し訳ない事ではあるが。

そこまで求められていたと言う事に、こちらとしてはニヤニヤしそうになる。


「で、でもですね!実は提案がありましてー……。」


「……提案?」


クールビューティーの子犬顔にこっちが惚れそうになりそうな心を押さえつつ話を続ける。


「テリヤキバーガーを完全に作る材料はなくなってしまったんですけどね?

 味の肝となるソースは残っていましてぇ……。

 こちらとしてもジェット君にはちょっと恩がありましてぇ……。

 故にフィオナさんの願いを叶えたくですねぇ……。」


「え?恩なんてありましたか姉御?」


まぁ君にはないけど、ドーヴさんにはあるんですわ。

てか、ややこしくなるからそこツッコまないで欲しいんだけどなぁ!

フィオナちゃんの頬が可愛く膨らんでるんですけどぉ!?


「と、とにかくですね!

 もし何か材料を譲っていただけるのなら新作メニューを提供しようかなぁと。」


「えっ……?」


「あ、新作ってのは言い過ぎですかね。まかない程度の物ではあるとは思うのですが。

 文字通りまだ誰にも提供したことがないと言う意味では、新作になるわけなんですよぉ。」


「……。」


「と言う訳なんですが、いかがでしょ……。」


「是非お願いします!!何ですか!!何があればいいんですかっ!!!

 なかったらそいつに買ってこさせますんで!!」


「えっ、俺っ!?」


あ、コイツ願いが成就しても尻に敷かれるなと心の中で薄ら笑いながら。

私は彼女を完全に釣り上げたことに歓喜した。


いやだってさ。

まさかこんな早くさ。

こんな運よくさ。



こんな計画通りに事が運ぶなんて……笑いが込み上げて仕方ないのが当たり前でしょう?

ねぇ……リリィ師匠。



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