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神よ、与える前に考えてくれ、トイレットペーパーは武器じゃないっ!  作者: エッチな思考の鈴木
第一章 始まりは高難易度ステージ
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第23話:聖戦、巨神と竜人





―――巻き起こる旋風と共に、鈍い光沢を放つ武神がその姿を現す。




腕、足、胴体、顔

身体中のありとあらゆる場所には、鋼鉄の鱗が敷き詰められている。

身体が少し動く度に、鱗同士がぶつかり合い、重い金属音を鳴らす。


その肩・腰からは、すだれの様な鱗の盾が垂れ下がっている。


何者の匂いも嗅ぎ分ける自慢の鼻。

相手を見るだけで射殺してしまう様なべっこう色の鋭い眼。

それらはそのままに

後頭部の両端からは長く鋭く尖った竜の角が生えていた。



その様は正に・・・鈍色の武者鎧を身に纏いし、竜人が如く。





―――白き巨神は怒気を(まと)った眼光の前に、抗いようのない恐怖に歩を止められる。


竜人はその間に、後ろに倒れる少女へと歩み寄る。

腰から青い球を取り出し、それを毛布の様に広げで少女を包む。


それは、これから訪れるあろう危険から、そのか弱い彼女を守るための物だった。




―――竜人は振り返り、白き巨神を穏やかな瞳で見上げる。


それは誰かを思っての憂いだったのか、巨神への哀れみだったのか

込められた想いは定かではなかったが、一つだけはっきりしていたことがあった。


白き巨神にとってそれが、()()に見えたということだ。




―――白き巨神が上空の虚無に向かって重低音を響かせ、森を震え上がらせる。


その怒りを溢れんばかりに身にまとった顔が、竜人へ向けられる。


白き巨神は、腰から流れ出る白き触手の大滝を編み込み

8本の巨大な拳の大蛇へと変形させる。


大蛇たちは決壊せし洪水が如き勢いで、木々をなぎ倒し、土をえぐり取って行く。


3本の大蛇が合わさった巨大な洪水が竜人と少女をあっさりと呑み込んでしまう。

目的を見失った巨神は、母をも呑込んだことを忘れ

恐怖からの解放と安らぎで、勝利の笑みを溢す。




―――だが、笑みは驚愕へと変貌する。


強烈な咆哮音と共に大蛇たちが呆気なく爆散し、塵と消えていく。


目の前で起きた出来事を受け入れることの出来ない哀れな巨神はたじろいだ。

だが、そんな巨神の事などはお構いなしに、竜人が巨神の元へと駆け出す。


慌てた巨神は、その圧倒的恐怖を立ち止まらせるために

何本もの大蛇の私兵たちを向かわせる。




―――それでも、恐怖の権化は止まらない。


その間も、巨神の身体はだるま落としの様に崩れ去っていく。


巨神は恐怖の中で、最適解を見つけ出す。

大蛇を更に無数の蛇へと変換し、竜人の()()()()()()()()()()()


それは過去の苦い思い出から絞り出された案だった。


(よぎ)る母との思い出に

過去、そして現在の自らの愚かな行いに

僅かに心を取り戻しながらも、心を痛めていく哀れな巨神。





―――だが、懺悔するには・・・既に遅すぎた。


竜人が赤く色づき燃え上がる。

その鋼鉄の身体は発熱し、煙を上げていた。

自らの私兵たちと言えば、風に攫われていく消し炭へと変えられている。


巨神は初めて母を守った時の事を思い出す。





―――あの時と同じ恐怖だった。


いや、それ以上の恐怖が襲ってくることを理解した。


それでも、恐怖から逃れるために別の策を模索する。

だが、そこで気づいてしまう。


自らの視線が、既にもう竜人と()()()()()()()()()()





―――巨神の勝利など、もう残されてなんていなかった。


絶対強者は、赤子の悪あがきを黙って受け止める。


赤子のか弱い蛇たちは、反撃の音すらも上げることが出来ず


その鋼鉄の鱗の前に、無残に敗れ去っていく。





―――白い赤子が本来の姿を取り戻すまでに、その身体を削り終わったとき


そこから先に待っていたのは・・・







絶対強者による、一方的かつ無慈悲な教育(しつけ)だった。








何か小説っぽい文を書いてしまった。


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