第22話:男語り、壊すほどに愛していても、愛は語れない
「くそっ・・・もっと早くに気が付くべきだった。」
そこにはトイレットペーパーの超巨大都市破壊級ボスと対峙する
オオカミ男がいた。
そして彼の左腕には
目が虚ろな絶世の美女が抱きかかえられていた。
―――これは、その力なく項垂れている美少女の物語。
・・・なのではあるが
今回に限っては私の意識がお休み中のため、語り手を変わるとしよう。
頼んだでっハスマッチョ!君に決めたっ!!
・・・( ˘ω˘)スヤァ
―――俺としたことが、本当に・・・馬鹿だった。
高位体だとわかってたなら
まず最初に、アレに関してもっと疑わなければならなかったんだ。
高位体生物たちは自身の保護のために・・・
依存対象を操ろうとする事を。
―――俺たちは作戦を立てた。
計画はこうだ。
俺がおとりになり奴を引き付け
火打ち瓶をまき散らしながら奴の力を削いで行く。
この女がその間に
森で火が燃え移ってしまった場所を、粘液ボムで可能な限り消火して行く。
ただそれだけの単純な作戦だったが、実際かなりの有効打だと確信していた。
この女にも、移動を補助するための装備を渡してやったし。
この女にでも可能な範囲の、難易度も低い計画のはずだった。
もちろん
高位体と目を合わせたこの女が、人形の様に固まっちまうまでは、だけどな。
―――もっと注意を払うべきだった。
ここに来てからのこの女の様子は、洗脳を疑うには十分な程おかしかった。
たまに話は聞いてないし。
意味もなく、急にはしゃいだり落ち込んだり。
あまつさえ、俺の手に・・・。
まぁ、確かにアレは柔らか・・・・・・って!!
何を考えてんだ俺ぇっ!?
落ち着け、俺・・・・・紳士道・・・紳士道を乱されるな。
と言うか
そもそも、何でこの高位体の馬鹿は
この女を、洗脳しようとしてるんだ?
俺の初見では
この高位体は暴走状態に入っていて
宿主すらも殺そうとしているものだと思っていた。
もちろん、この女にソレは伝えていなかったが。
だから洗脳行為などせずに
手当たり次第に目についたものを破壊していくだけだと。
愚かな俺はそう思っていた。
じゃなきゃ、この女を矢面に立てさせる様なこの計画は白紙にさせている。
結果としては、最悪の状況を産んじまってるんだけどな。
だからよ・・・
この女をまだ洗脳したいと思ってる意思が、コイツにまだあったと言うことに
俺は驚いている。
―――高位体には洗脳操作の能力がある。
だが、それが使えるのは
その高位体の視野に入り、その高位体の一定距離に入った状況下でのみなんだよ。
距離さえ離れていれば、洗脳操作を受けることはないはずなんだ。
事実、旅の途中では瞳孔の様子にその傾向はなかった。
だから、この道乗りまで見せていたこの女の必死さは
この高位体への本物の愛情のはずなんだ。
―――なぁ、お前よ・・・。
この女はここまで相当に頑張っていたぞ?
普通の女ならとっくに前に進む気力なんて削がれて
誰かに支えられなきゃ、どうしようもない状態になってるはずなんだ。
なぁ
どうして、信じてやれなかったんだ?
どうして、少しの間ぐらい待っていてやれなかったんだ?
血の繋がりなんてないお前なんかのために
ここまで必死になってくれる人によ。
―――思考に時間を費やし過ぎたのかもしれない。
奴の身体中から伸ばされた触手攻撃とやらが、無数に飛び掛かってくる。
だが、その程度の攻撃は大した事ではない。
「破壊衝撃音波ッ!!!」
口から放った衝撃音波で、俺たちを包み込もうとした触手共を塵へと分解する。
伊達に、『虚栄の救世主』の看板背負ってるわけじゃねぇんだよ。
奴の方は、微塵も諦めた様子は見せず、何度も触手を伸ばしてくる。
俺はその度に、『破壊衝撃音波』でぶっ壊してやる。
―――必死だな。
それほどまでにお前はこの女が欲しいのか?
それほどまでにお前はこの女を愛しているのか?
なぁ、だったらよ・・・
「なんでもっと、優しくしてやれねぇんだよっ!!!」
俺は怒りの籠った攻撃をぶつけていく。
周りの事なんてお構いなしに、火打ち瓶を使ってもいいとすらも思っていた。
そのぐらいブチギレていた。
―――どいつもこいつも、男って奴はよ・・・。
大事なモノだと自覚してる癖に、それを傷つけようとする。
女は自分のどんな気持ちも受け止めてくれる、都合のいいモノだと思ってやがる。
だから俺は、そう言う馬鹿どもに教えてやんなきゃならねぇ。
例えそれがガキだったとしても、身に染みしてわからせてやんきゃいけねぇ。
―――これは教育だ。
お前はきっと、怒った自分がどれだけ恐ろしいか分らせてやりたいんだろう。
お前はきっと、そのやるせない気持ちを押し付けたいだけなのだろう。
お前はきっと、愛の深さを証明したいだけなのだろう。
そんなの・・・てめぇの勝手な都合でしかねぇんだよ。
男なら、我慢を覚えろ。
男なら、女を支えるだけの広大な心を持て。
男なら、愛は優しさで証明しろ。
きっとお前は、そんな愚かな行動を起こすだけの力を持っているのだろう。
己の力に絶対的な自信を持っているのだろう。
だけどな・・・
感情の高ぶりで力が増大するのは、お前の専売特許じゃねぇんだよ。
それを今、俺が教えてやる。
―――だが、その前に
俺は奴との距離を離した、女を地面に寝かせる。
女は、洗脳操作に身体が耐え切れなくなって眠っている。
「こうしていれば、美人なんだけどな・・・。」
愚かな思考を停止させ、俺は奴に向き直る。
ゆっくりと目を閉じ、精神を集中させる。
奴の敵意が近づいてくるのがわかる。
―――だが、そんなものは関係ない。
コレさえ発動しちまえば、お前の勝機はねぇんだよ。
本当はアノ糞女のために使いたかったんだがな・・・。
背に腹は代えられん。
だから、ありがたく受け取れ。
―――そして、俺を怒らせたことを後悔しろ。
「・・・冷めろ、そして燃え上がれ。
―――満ちろ、ソレは我が怒り。
―――満ちろ、ソレは我が熱情っ!
―――満チロ、ソレガ我ガ本能ッ!!
――――放テッ!!! 」
「第二変異・超絶不変怒竜装甲ッ!!!」
やはり中二展開も忘れちゃいけないよね。
こういうのも好きなんです。
ちなみに、これからも技はデ〇モン形式に、技名叫んでいくと思われます。
無限大な夢の跡の世代だからね、しかたないよね。




