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異世界から来た異能師  作者: arandora
学園バトル編
7/7

同郷との再会

いきなり現れた男を見るが、なんだ?この威圧感は。パッシブスキルか?かなりの存在感だな、こいつが現れてから急に、場の空気が変わったぞ。

そんなことを考えていると、ふいに男は俺の方を見てニッコリと微笑むと。


 「よう、久しぶりだな、クルス・ゴウン。今年初の依頼振りか。まさか、この学園に来るとは思わなかったぜ。色々話があるから、教職員棟で編入手続きをしてから生徒会棟へ来い。話は通しておく。********* ***** ********* **************** ***********だ、また後でな。薫、いくぞ?編入生の色々の手続きをしないとなんないからな。お前にも手伝って貰わないと困るぞ。」


 「あ、待って、闘真ちゃん。・・それでは、クルスさんとやら、この件は後ほど。・・・待ってよー!」


・・・今のアイツの言葉、確かに今生の俺の故郷の言語だった。しかも、「お久しぶりです、クルスさん。トーマス・サディナです。詳しい話は後でしますので、後程お会いしましょう。」だと。トーマスっていやぁ、確か向こうで居なくなったときは俺が15の時で、奴が6か7の時だぞ。奴が本当にトーマスなら時間軸がおかしくないか?・・それも合わせて聞くしかないか。


おっと、考え事してる間に楓の顔とレノアの顔が近くにあったぜ。・・・何か心配してるみたいだな。


 「?どうしました。二人とも。そんな心配そうな顔して、何かありましたか?」

俺が平常心を装いそういうと


 「どうした?じゃ、ありませんよ!会長と知り合いらしいのでさえ驚きなのに、会長が変な言葉を喋った直後にクルスさんの様子がおかしくなって、二人とも心配したんですよ?会長に何をされたんですか。一応言っときますが、男女の生徒会長と言っても、実質的にはあの人が全てを取り仕切ってます。生徒会長を決める対決も、互角とは言いましたが、薫さんが一方的に式神で攻撃しているのを、真田会長が一方的に魔道壁で防いでいただけですから。実力は多分真田会長の方が上です。それに、あの人は、殆ど力を見せたことが無いんです。不気味なほどに。なので、油断だけはしないでください。」


・・・・へー?結構慎重なようだ。確かに、トーマスなら、それ位慎重にやってる可能性は十分にあるな。

「まー、言ってても仕方無いので、言われたとおり、先ずは、教職員棟の方で編入手続きでもしに行きましょう。楓さん、案内してください。」


「解りました。こっちです。」


「あたしも付いてくねー。」


「ええ。両手に花で行きましょう。」


「おー」



そうして、その後は、何事もなく、編入手続きを昼までに、全て終わらせることが出来た。


何故か、実力検査も後日、学園長が直々に手合せするからという理由で、ここでは学生証をバーコードから製作するだけで終了である。


まー、カリキュラムも、俺の場合、全て風蔵寺で教えられているから、特にやらないといけない事も無いし、今日は学園長も不在だから、会って話をするのも今度という事になったし。


後は、明日バトルの受付をするだけだろう。


そして、今ようやく、生徒会棟へとやってきたのである。


「すいません、生徒会長から連絡が来ていると思うのですが・・・。入ってもいいですか?」


俺が管理人そう聞いていると、中から男の子が出て来て。


「クルス・ゴウンさんですね?僕は生徒会の書記で、一年Sクラスの伊藤海と言います。話は会長から聞いているので、二階の会計の藤堂萌先輩に採寸と装備の技師の契約生徒のリストを見せて貰ってください。」


「解りました、ありがとうございます。」


「いえいえ、優秀な方の入学は大歓迎です。・・・もう、先ほどの事は噂になっていますので、バトルの前に一度有る、二年生の模擬戦は覚悟していてくださいね。人気者ですよ?色んな意味で。・・・それでは。」


そういって、伊藤と言った男子は中へと戻って行った。


「では、我々も中に入って、会計の方に話をしに行きましょう。」


そうして、俺たちも後に続いた。




「ここです。・・・おっと失礼。いつ来ても、ここは賑やかですね。」


「そうなんですか?」


「ええ、言うなれば学園の要ですから。物の扱いが悪い人はここで、選別され、依頼内容も安くて危険な物ばかり回されます。なので、眼を付けられない様にして下さい。・・・では、あそこの人なので、行きましょうか。」






「こんにちは、何時もながら騒がしいですね。ここは。萌さん」


「そー思うなら、手伝ってください、楓さん。朝っぱらから、薫のイカレやろうと、そこのバカ娘が馬鹿な理由で決闘した修繕費の見積もりが軽く5ケタ超えてんですから。あ、君の事は聞いてますから、一応、私は物を直すことの出来る、錬金術師ですから、貴方の装備の担当は私に成りそうです。こう見えても、立場上訓練に事欠きませんから、実力はあるつもりですよ?」


そう言ってる、確か藤堂萌と言った少女を鑑定した。 


藤堂萌     藤堂家長女にして15にして錬金術の粋を極めた鬼才


17歳   茶色掛かった黒髪にウェーブを掛けて肩口で整えている。


身長158  体重45


B74 W54 H60


アクティブスキル

錬金術    レベル230  34/2300


パッシブスキル

藤堂流護身術

錬金のセンス


錬金術師


・・・おー!すげー!レベル230って初めて見た。恐らく、一つの物に集中して取り組んで、漸く至れるレベルだろう。・・・俺の場合は特別として。


「解りました。貴女にお願いすれば、間違いなさそうです。よろしくお願いします」


俺の返答に驚く萌さん。・・・まあ、当然か。初対面で実力を信じるなんてこと、普通はしないからな。


「大丈夫です。こう見えて、実力を見るのは得意なんです。なので、本当は復元師を探そうと思ってたのですが、錬金術と復元術は共通するものがありますから、安心して任せられます。」


「解りました。そういう事なら、責任を持って担当しましょう。その方が私の方も色々と面倒が無くて助かります。・・・では、後は、副会長ですが。武器はどうされるのですか?」


「それについては、僕の場合、主に異能のみですし、武器化も出来るので、無くて構いません。」


「・・・そうですか。楽が出来て、大変結構です。では、副会長には、私から言っておきますので、8階の会長室の方へどうぞ。」


「解りました。では、後日、編入した日にまた来ます。」


「ええ、お待ちしてます。貴方が、どういう装備を使っているか興味がありますから。」


「ははは・・。では。」



そう言って、俺たちは8階に進んだ。







「悪いですか楓さん。薫さんを呼んで、三人で待っててくれますか?僕は少し、会長と二人で話がありますので。」


俺の提案に二人が変な表情になったが。直ぐに先ほどの会話を思い出し


「解りました。なるべく早くお願いしますね。時間が早めに終われそうなら、序にクラスの方も案内しようと思うので。」


「了解。なるべく早くします。」


「では。」


そういって、楓たちは薫を呼びに行った。



さて、とうとう、さっきの謎が解けるな。


そう思いながら扉をノックした。


 「入って良いぞ。」


そして、中に入った。




 「改めて、お久しぶりです、クルスさん。俺は・・ああ、今はちょっと事情がありまして、僕と言ういい方はしてないんですよ。そして、今はトーマス・サディナではなく、真田闘真と名乗ってます。多分僕があちらで居なくなってからの時間とここでの時間がおかしいと思うでしょうが、それは生憎僕も解かりません。僕も、気付いたら11年前にこの世界の千葉県の海岸沿いにポツンと立っていたところを今の覇道学園の学園長、覇道宗久さんに拾われたんです。何故か使えるようになっていた、この世界の魔道を元の世界の異能と共に鍛えられて、11年間の修行の結果両方の世界の能力を使いこなせるようになったんですよ。最初は言葉が分からなくて、ホントに困りましたがね。そして、クルスさんも気づいていると思いますが・・・薫さんには実験として色々と被検体になって貰い気の毒な事をしてしまいました。・・・その代り、ずっと幸せにしようと思ってますから、クルスさんが心配している様なことは誓って有りません。」


 「・・・念のため聞きますが、元の世界の異能も鍛えたって事の割には、去年のバトルで僕の会社の同僚に負けたのはどうしてです?僕の記憶では、君の異能、毒と振動があれば、余程の事が無い限り相手に何もさせずに勝てるでしょう。まだ見てませんが、この世界で新たに得た物と一緒に鍛えたのならサボっていない限り負けるはずがないのですが?」


俺の言葉を聞いてトーマスは、少しだけ苦笑し


 「まー、僕の異能と言ってもクルスさんほど原理を理解できてないって言うのがありますし、この世界で得た力も流石に11年位では使いこなせるといっても限度があるんですよ。何といいましょうか。魔道と言うのは奥が深いとしか言いようがないですね。それに殆どが、クルスさんの言うところのパッシブスキルで、アクティブスキルは一つしか増えてませんよ。後で、鑑定で確認してください。そして、クルスさんの同僚に勝ちを譲ったのは、恐らくこの人たちなら世界でも勝てると思ったからです。同じ学園で世界で勝てる者がいるなら、年長者にその後の拍付として、勝ちを譲ってもいいと思いまして。それに、学園長に力を見せ過ぎるなとも言われてるんです。恐らく、世界の色んな組織が水面下で今のこの世界の実情を利用しようとしてるんでしょう。明日にでも、学園長からの呼び出しがあると思うんで、詳しくはその時に、関係者全員で話し合いましょう。」


・・・まー、後は大人も交えた方が色々と手間も省けそうだし、それでいいか。

おっと、その前に聞いとくか。


 「トーマス君、念のために聞いときますが。僕の父さんの時空間歪曲の異方式紋章術は預かってますよね?無ければ何個か予備がありますから、渡しときますが?報告は全ての端末に行ってるはずなので、空間の歪の話は知ってるでしょう?」


 「はい、聞いてますし、持ってます。しかし、不思議ですね。この術式を扱えるのがあちらから来た者だけとは。・・・あ、そうだ。僕の術式も持って行きますか?実は新たに使えるようになった、魔道術も、試に作ってみたら発動したんですよ。これが、媒介の紋章で、以前のクルスさんの話にあった、魔法の応用みたいなものです。僕はまだまだですが、クルスさんなら直ぐにでも使いこなせると思いますよ?」


そういって、トーマスは二等辺三角形のような形に丸を付け足した紋章を見せてきた。

・・・えらく解りやすいな。まー都合がいいのは確かだが。


 「・・これは、また後で試してみますよ。それに、この術式を僕たちしか使えないのは、カイル兄さんが言っていた法則です。唯一つの誓約として、使う異能の所持者には感謝をささげる事。他の人が使えないのは、術者の事を知らないからです。知らない人に誰も感謝などできません。そして、君には言っておきますが、僕はまだこの世界の人の事を完全には信用も信頼もしてません。何かきな臭い感じがするんですよ。その嫌な感じが収まらない限りは僕は全てを見せるつもりは有りませんから。君も、何処まで話しているかは知りませんが肝心なところはぼかすようにしなさい。いいですね?」


 

「それは僕も感じている事ですから、簡単な目立つ能力しか見せてませんよ。例の毒もまだ誰にも知らせてませんし。第一、僕らがいる時点で別の世界が存在するのは解る筈なのに、大々的に公表もしないで、一部の力ある術者だけに知らせているという事自体不思議です。上に考えが解かりませんよ。」


 「その疑問があればいいんです。有力な情報があれば呼んでください。僕も何か解れば風で報せます。」

 「了解です。」


 「それでは、結界を解きますね。・・・こちらでは闘真先輩でいいですか?」


 「いえ、こちらではあまり親しい間柄で無い場合は上の姓の方で呼ぶのが普通らしいのでそっちにしましょう。」


 「ですが、さっき外で会ったときは、今年の初依頼で会ってると言ってしまってるでしょう。」


 「でしたら、僕の方がクルスでクルスさんが闘真さんでお願いします。あ、それと薫さんには後でフォローは入れときますから、心配しないでください。・・・話は変わりますが、さっきの二人、もう二人とも食べたんですか?この学園でもかなり優秀で、しかもタイプの違う美人ですけど。なんなら、学園内に外と直通の連絡手段を備えた、一戸建ての家を用意しますよ?学園はそういたことを推奨してますし、風蔵寺の家の方ではなかなか出来ないでしょう?まだ、本性を見せてないようですし。」


・・こいつ。ニヤニヤしやがって。絶対分かって言ってるだろ。

 「言ったでしょう?まだ、完全には信用も信頼もしてないと。下手に関係を持ってしまえば、この世界に執着心が湧いてしまって、いざと言う時の行動が出来ません。まー、普通に裸に剥いたり、胸とかお尻を揉むくらいはしょっちゅうしますがね。本番でないご奉仕の場合は素直に受けますし。・・・では、結界を解き、中に入れますから。さっきの口調と呼び方でお願いしますよ?ボロは出さない様に。」


 「はい。あ、僕の能力確認は良いですか?」


 「またの機会でいいです。 では、解きますね。」


そうして、俺は風の結界を解き、三人を招き入れた。








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