# 第二部 第六話 終焉の魔将アザゼル
# 第二部 第六話 終焉の魔将アザゼル
ギルガス討伐から三日後。
連合軍は束の間の平和を迎えていた。
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魔王城。
食堂。
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グランは朝食を食べていた。
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「平和っていいなぁ……」
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心からの言葉だった。
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だが。
その願いは一秒後に壊れる。
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「グラン様」
エリスが隣に座る。
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「今日も素敵ですね」
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「ありがとう?」
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反対側。
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リリスが座る。
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「グラン」
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「なに?」
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「今日は私と街に行くわよ」
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「え?」
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エリス
「私との予定が先です」
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リリス
「聞いてないわね」
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エリス
「今決めました」
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リリス
「喧嘩売ってる?」
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また始まった。
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ルシオンが遠くから見ている。
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「仲が良いな」
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「どこがだ」
レオンが即答した。
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その時だった。
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ドォォォォォォン!!
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大地が揺れる。
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城全体が震えた。
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グランたちは立ち上がる。
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「今のは!?」
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窓の外。
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空が黒く染まっていた。
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巨大な黒い翼。
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そして。
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世界を覆うほどの魔力。
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ゼクトの顔が真っ青になる。
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「まさか……」
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「知ってるのか?」
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ゼクトは震えていた。
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「四天王最強」
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「終焉の魔将アザゼルだ」
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空気が凍った。
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ギルガスより強い。
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その言葉だけで十分だった。
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城の上空。
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黒いローブの男が浮かんでいる。
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顔は若い。
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だが。
瞳には数千年分の闇が宿っていた。
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アザゼル。
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彼は静かに魔王城を見下ろした。
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「なるほど」
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「お前がグランか」
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「そうだけど?」
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アザゼルは少し笑った。
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「弱いな」
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次の瞬間。
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ドォォォォォォン!!
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魔王城の防御結界が砕け散った。
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一撃。
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たった一撃だった。
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全員の顔色が変わる。
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「嘘だろ……」
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ルシオンですら驚いている。
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アザゼルは続ける。
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「だが」
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「お前は危険だ」
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「だから今ここで殺す」
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黒い魔力が集まる。
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今までの敵とは違う。
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本物の死。
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誰もがそう感じた。
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その時だった。
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グランの前に立つ影。
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リリス。
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エリス。
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二人だった。
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「下がって」
リリスが言う。
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「ここは私たちが」
エリスも続く。
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グランが驚く。
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「無茶だ!」
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二人は振り返らない。
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「魔王だから守るんじゃない」
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リリスが言う。
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「好きだから守るのよ」
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グラン
「え?」
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エリス
「私も同じです」
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グラン
「ええ!?」
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城内が静まり返る。
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ルシオン
「言ったな」
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レオン
「言ったな」
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セドリック
「言ったな」
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グランだけ顔が真っ赤だった。
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アザゼルは呆れた顔をする。
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「告白は後にしろ」
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正論だった。
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そして。
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黒い槍が放たれる。
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世界を貫く終焉の一撃。
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リリスとエリスが同時に飛び出した。
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だが。
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次の瞬間。
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システムが激しく点滅する。
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緊急事態
緊急事態
緊急事態
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封印解除条件達成
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「え?」
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グランが固まる。
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アークスの声が響く。
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『ついに来たか』
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「何がだ!?」
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『真の魔王覚醒だ』
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グランの体から、
今まで見たことのない光が溢れ始める。
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アザゼルの表情が初めて変わった。
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驚き。
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そして恐怖。
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「その力は……」
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アークスが笑う。
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『アザゼル』
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『千年前の続きをしよう』
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## 次回予告
### 第二部 第七話
# 「真の魔王覚醒」
グランの秘められた力がついに解放!
アザゼルですら恐れる伝説の力とは!?
そしてリリスとエリスの恋の勝負も新たな展開へ!
魔界最大の決戦が始まる!




