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エロ漫画に登場する最悪のクズ男に転生にしたけど、漫画のような鬱エンドは見たくないとヒロイン達を救うことにした  作者: 柚希乃愁


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お礼の約束

 その後、店員が残り時間30分と伝えに来た。

 この打ち上げも終わりが近づいているということだ。


「んじゃ、最後にもう一回取ってくるわ。二人はどうする?」


 ということで、持ってきた分をとっくに食べ終えていた俺は、席を立とうとした。


「私は―――」


「美涼さん。私達も行きましょう?」


「うん。いいよ。じゃあ行こうか」


 結局全員取りに行くようだ。


 俺は、厳選した結果、大皿にケーキ、タルトを二つずつ、そしてソフトクリーム、プリンを載せた。

 これくらいならまだ余裕でいけるからな。

 それと、飲み物はアイスコーヒーをおかわりして席に戻った。


 二人はお喋りしながら一緒に動いていて、美涼は、小皿にケーキとタルトを一つずつ、望愛は、こちらも小皿に、ゼリーとタルトを一つずつ、それぞれ載せて一度席に置き、温かいフレーバーティーを()れて戻ってきた。

 二人とも、もうだいぶ満足しているようだ。


「んんっ……、ところで、玲旺君は今週の土曜日、何か予定あるかな?」


「いや?なんもねえけど?」


 俺がソフトクリームを食べながら美涼の質問に答えると、美涼と望愛が視線を交わし、こくりと小さく頷き合った。

 何のために聞かれたのかわからず、俺は首を(かし)げる。


「そう!それじゃあ、そのまま空けておいてくれるかな?ほら、勉強会の場所、結局玲旺君の部屋を使わせてもらっちゃったでしょ?そのお礼を何かしたいと思ってたの。だから、土曜に、私と望愛で料理を作りに行こうかなって」


「いや、そんなのいいから」


「よくないわ。美涼さんも私も本当に感謝しているのよ。私としては話を聞いてもらった日のこともあるしね。それに、土曜日ならテストも全部返ってきてるでしょうから、玲旺くんの赤点がないお祝いもできるわ。もしも、赤点があったら、残念会ってことで、私達がたっぷりと慰めてあげるから。ね?いいでしょう?」


 俺があっさり断ると、美涼の言葉を引き継ぐ形で、望愛が押してきた。

 見事な連携だな、おい。

 って、この感じは、二人の間でもう話が通ってんだろうな。なんかさっき頷き合ってたし。


「っ、う、うん。私も慰めるよ!?だからお願いだよ、玲旺君。何もしないのは私達の気持ちが収まらないんだ」


 ん?想定外だったのか?だが、美涼。そこで顔を赤くしながら焦ると、エロいこと考えてるみたいになるぞ?

 ま、真面目な美涼のことだから、んな訳ねえだろうけどよ。


 そもそも、慰めとか別に求めてねえんだよ。ってか、なんでそっちに反応した?やっぱ俺が赤点取ると思ってんのか?


 ……はぁ。にしても、お礼……、お礼、ね。

 こいつら、絶対折れないんだろうなぁ。

 本当、そんなもん必要ねえってのによ。俺は俺がやりたいようにやってるだけなんだから。

 だが、嬉しいと感じているのも事実だった。

 それに、……礼ってことなら俺の方こそ必要だしな。


「わーったよ。土曜楽しみにしてっから。けど、それなら、俺からも美涼と望愛にお礼をしないとな。勉強会は元々俺のためだったんだし、それ以外でもずっと勉強を見てもらったからよ。さっきも言ったが、これでもすげー感謝してんだ。つっても、どんなのがいいかわかんねえから、二人とも何か俺にしてほしいことはあるか?」


「ふふっ、その言葉だけで十分だよ。だから―――」


「美涼さん!ちょっと待ってください。玲旺くんにしてほしいことは後で相談しましょう」


「望愛?」


「玲旺くん。私もそう思ってくれただけで嬉しいわ。でも、何かしてくれるって言うなら、土曜日までに考えておくから、そのときしてもらってもいいかしら?」


 言葉を遮られた美涼が小首を傾げているが、そこはスルーして、望愛は俺に訊いてきた。

 ……何かよからぬ気配を感じるが、気のせいか?


「……あくまで俺にできること、な?」


「ええ。わかってるわ」


 望愛は、いい笑顔で頷くのだった。



 時間が来て、店を出た俺達は、そこで解散、とはならず、すぐ近くにあるゲームセンターに入った。


 望愛がプリを撮りたいと言ったからだ。

 プリントシール機。前世の記憶でモノはわかっていても、実際撮ったことはなかった。それに、玲旺の記憶にも撮った記憶なんてなかったから、まさかこの世界にもあるなんて思わず、言われた瞬間は驚いたぜ。


 俺が撮ったことない、と言ったら、望愛と美涼が色々ポーズを考えてくれて、撮影は順調に進んだ。

 ただ、最後のワンショット。

 俺を真ん中に立たせて二人が俺を挟む形で立つ。

 こういう普通な感じも撮るんだな、とこのときの俺は油断していた。

 カウントがゼロとなり、フラッシュが光る、その直前―――。


「……おい」


「ふふっ、びっくりしたかしら?玲旺くんはこういうサプライズ好きかと思ってね」

「こ、こういうのも一枚くらいあってもいいでしょ?」


 してやったりといった様子の望愛と自分からやっておいて照れちまってる美涼が、上目遣いで言ってくる。

 俺の腕をその豊かな胸に抱きながら。


 そう、最後の一枚は二人に抱きつかれる形になったのだ。


 ……へー。ほーん。確かに、至福の心地良さなのは間違いねえな。

 けどよ、俺が、この有り余る体力とそれに見合うほどの性欲を、筋トレで発散させて抑えてるってのに、こいつらそこを平気で刺激してきやがって。

 そう言えば、ケーキ屋のときもそうだったな。

 だが、俺が何度もされるがまま黙ってると思うなよ?


「ああ。びっくりはしたが、俺としても嬉しい驚きだったぜ?何せ、二人ともいいモン持ってるからよ。柔らかさにも違いがあって、どっちもすげー気持ちいいからな」


 俺は悪役全開で、意識的に目をギラつかせ、悪い笑みを浮かべてやった。


「っ!?~~~~っ」「っ、ふふふっ……ぁんっ……」


 美涼は耐えきれなくなったのか、恥ずかしそうにパッと腕を放した。

 だが望愛は、なぜかドヤ顔になり、嬉しそうに笑いながら腕の力を強めて、自分の胸に一層押し付けやがった。


 美涼の反応は思ったとおりだったが、望愛の反応はマジでわかんねえ。

 こいつ……、本当に一回、痛い目見せてやろうか。


 そんな風に思ったら、望愛もスッと腕を放し、何事もなかったかのように、美涼と俺に声をかけて落書きブースへと移動した。


 その後、完成したシールを見ながら、望愛と美涼が嬉しそうにしていたので、それはまあ良かったのだが、二人に抱きつかれてる俺の顔が、すげーあほ面になってる気がして、それだけは何とも言えない気持ちになるのだった。

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