表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エロ漫画に登場する最悪のクズ男に転生にしたけど、漫画のような鬱エンドは見たくないとヒロイン達を救うことにした  作者: 柚希乃愁
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/55

昨日の行動

 昼休みは残り20分ほどとなっていた。


「なあ、ところでよ、ここに集まったのって昨日の話をするためじゃなかったか?」


「「あっ!?」」


「ったく、何だよ?お前ら、二人揃って忘れてたのか?」


「い、いや、決して忘れていた訳ではないぞ!?」


「も、もちろんちゃんと覚えてたわよ!?そういう約束だったものね」


 美涼と望愛は同じような仕草で俺から目を逸らした。


「くくっ、ま、正直別にもういいんだけどよ。二人でたくさん話して、よく考えて決めたことだったんだろ?あんな短い時間で、そんなに親しくなったのには驚いたが。あそこに来たときには名前で呼び合うようになってたし……、今も息ピッタリだもんな?」


 ニヤッとわざと意地悪く笑いながら、最後に付け足した俺の言葉に、望愛は体を縮こまらせている。

 一方、さすがは生徒会長様といったとこか。美涼は咳払い一つで切り替えたようだ。


「ま、まあ、確かに一言でまとめたら、今玲旺君が言ったとおりなんだが……。まだ時間はあるし、約束だからな。一応、話をさせてくれ」


「はいよ」



 玲旺君の返事を聞いて、私はふぅっと深く息を吐いた。

 お弁当を食べ始めるまでは、本当に、今日の目的をちゃんと覚えていたんだ。

 お昼休みは有限だから、食べながら話そうって。

 けど、玲旺君に食べさせるのが楽しくて、いつの間にか忘れてしまっていた。

 だって、私の手から美味しそうにパクパク食べる玲旺君がすごく可愛かったから。

 ギャップがすごくて何度(もだ)えそうになったか……。

 それに玲旺君、私の胸をすごい見てた。注意した方がよかったのかな?

 でも、今までは不快に思うばかりだったのに、それが玲旺君だって思うと全然嫌じゃなくて、妙にそわそわして落ち着かなくて、自分でもすごく不思議だったんだ。


 玲旺君には、これから毎日私の作ったお弁当を食べてもらうことになったし、抜糸するまでは食べさせてあげなきゃだし、うん、色々早く慣れないと。


 まだある。玲旺君が自分を悪く言って、また私達を遠ざけようとしたのだって悪いんだから。

 あんな風に悲しみや怒りでいっぱいにさせるなんて。

 でも、私達の言葉をちゃんと聞いてくれて、最後に見せてくれたあの笑顔……。

 あれは、反則だった。

 思い出すだけでも、心が温かくなって、ドキドキして大変だよ。


 きっと望愛も私と同じ気持ちだったんだと思う。


 ……頭の中で、こっちの言い分をバーッと並べ立てたら、大分落ち着いてきたな。

 さて、それじゃあ話せるところを話していこう。


「昨日、私が帰ろうとしたとき、望愛が声をかけてきたんだ。大事な話があるって。私は望愛と浅野君の関係を知っていたから、最初はてっきり玲旺君のことでとうとう本人も相談に来たんだと思った。まあ、それはすぐに望愛から否定されて、浅野君の言葉を信じて、玲旺君を問い詰めたことを怒られてしまったんだけどね」


 今思い出しても、あのときの望愛はすごい剣幕だった。

 玲旺君にもさっき、信じる相手は選べと言われてしまったが、もっと考えて行動するべきだった、玲旺君の言葉をもっとちゃんと聞くべきだったと反省している。

 望愛から全部聞いた今では、私も浅野君にこそ言ってやりたいことがたくさんある。

 望愛が自分で解決すると言っていたから、余計なことはしないけれど。


「あ~、そっか。美涼からすればそう思うか。考えが足りてなかったな」


「いや、これは私が悪いだけだから。それでその後、望愛から久住の企みを教えられた。でも、最初はやっぱり信じられなくて、ただただ困惑してしまったけどね」


「美涼さん、本当に戸惑ってましたよね。信じられないって」


「まあ、いきなり言われても、だわな」


「ああ。そんなときだったんだ。久住から電話があったのは。思わず、望愛と顔を見合わせてしまったよ。望愛から聞いた話どおりの内容だったから、返事をするのもちょっと慌ててしまったかな」


「そういうことかよ。くくっ、あのバカ、すげー勘違いじゃねえか」


「ん?何のことだい?」


「いや、何でもねえんだ。止めちまって悪かったな」


「そう?じゃあ、続きだけど、久住からの電話の後、玲旺君がどれほど真剣に、どれだけの覚悟を持って、私を助けようとしてくれているか、望愛が話してくれたんだけど、それでも私は信じられなかった。だって私みたいな女にそこまでしてくれるような人、いるなんて思えなかったから」


「美涼。一つだけ言わせてくれ。さっきお前は俺に、自分を貶めるなって言ったよな?同じ言葉を返すぜ。自分を貶める言い方はやめろ。美涼は美人でスタイルもいい。性格だって真面目で、頑張り屋のいい女なんだからよ」


「わ、わかった。わかったからもう止めてくれ!」


 そんな真っ直ぐな目で言わないでほしい。

 裏なんてない、嘘でもない、って思えてしまう。

 こっちは、そんな褒められ方されたことがないんだ。

 完全に許容量オーバーだよ……。


「わかったでしょう?美涼さん。玲旺くんはこういう人なのよ」


「ああ。よ~くわかった……」


「何だよ。こういう人って」


「悪いが、この話は終わりだ」


 ジト目をしてもダメだ!

 玲旺君にその先を話せる訳ないだろう!?


「んんっ、話を戻すぞ?そのとき、望愛に玲旺君から電話がかかってきてね、スピーカーにして二人で聴いていたんだ。正直、私は揺れていたんだが、久住の本性を知って、玲旺君がどうにかしようとしてくれていて……、全部わかったら、居ても立っても居られなくなった。女の人が自殺したって聞いたときに、思わず電話を切ってしまったんだけどね。望愛の連絡が合図になってるって聞いてたから、とりあえず望愛には玲旺君にメッセージを送ってもらって、私は廃倉庫に向かうことにしたんだ」


 このとき、互いを名前で呼ぶようにしたんだっけ。


「計画とは全然違ってしまうけど、美涼さん一人で行かせる訳にはいかないと思って私も行くことにしたのよ」


「その流れならそうなるか……」


「移動中にも話をして、私は自分で決着をつけたかったから、警察への通報はちょっと待ってもらうことにした。望愛には倉庫前で待っててもらって、私が突入した後に、通報してもらおうと思ってね」


 他にも移動中、望愛から、玲旺君とのエピソードや望愛から見た玲旺君のことを色々聞いた。

 聞いていて、望愛を羨ましく思ってしまったのは誰にも内緒だ。


 それから廃倉庫前に着いたときに、実は、父にも連絡した。

 望愛に通報を待ってもらったのには、これもあったんだ。

 仕事中だし、出てくれるかはわからなかったけど、父は出てくれて、全部話した。

 突入はすごく反対されたけど、そこだけは押し切らせてもらった。

 夜、玲旺君を送った後、父からこっぴどく叱られたけどね……。


「それで廃倉庫に着いて、私は中に入っていったんだ。後は玲旺君も知ってのとおりだよ」


 廃倉庫で玲旺君を見たとき、まるで物語のヒーローみたいだと思った。

 見た目とか色々、王子様って感じじゃないからね。

 でも、私に迫ってた危機を、玲旺君は一人で解決しようとしてくれていて、胸が高鳴ったんだ。

 自分の気持ちを整理するために、久住と話したけど、玲旺君が怪我してるってわかったときには頭が真っ白になった。


 そして、「美涼―――!」

 あの、悲痛に満ちたような叫び声。

 あれで私の心はスッと定まったんだよ。


「なるほど、な。……二人とも、話してくれてありがとよ」


 玲旺君が疑問を挟むことは最後までなかった。


 昼休みも残り(わず)かとなり、私達は生徒会室を出た。

 そして、一人教室の階が違う私は、階段で玲旺君、望愛の二人と別れた。




「ねえ、玲旺くん」


「なんだ?」


「美涼さんの胸、すごい見てたわよね?」


「……見てねえよ」


 そういうのは男の習性みたいなもんなんだから、見逃してくんねえかな……。

 いや、生徒会室で言われなかっただけよかった、のか?


「見てたわよ。私のはチラッと見ただけだったのに……、どうして見るなら私の方をいっぱい見ないのよ?私だってそれなりにあるし、大きさはそんなに違わないはずよ?」


 って、そこかよ!?

 私の方を見ろって……、何を張り合ってんだ!?清楚系はどこいったんだよ!?


「自分で何言ってるかわかってんのか?ってか、お前キャラ変わってねえか?」


「前に言ったでしょう?自分の気持ちに正直になるって。これが私の素なのよ。悪いかしら?」


 なぜか堂々と胸を張る望愛。

 悪いか悪くないかで言えばそんなのは―――。


「……悪くねえよ。望愛は望愛だからな」


「ふふっ、ありがとう」


「ただ……、あんまそうしてると、ボタン弾けるぞ?」


「っ!?……ボ、ボタンが外れたら、玲旺くんは見たくなっちゃうのかしら?」


「顔真っ赤にして言う言葉じゃねえな」


「むうぅぅ……」


 望愛が赤く染まった頬を膨らませてしまった。

 俺は一つ苦笑して、望愛の耳に顔を寄せる。


「俺としてはこんなところじゃ嫌だな。他のヤツに見られたくねえからよ」


「~~~~~っ」


 その後、教室に戻ってもまだ望愛の頬から赤みは消えず、望愛の友達が心配しているのが自席から見えた。

お読みくださりありがとうございます。

面白い、続きが気になるなど思ってくださった方、画面下の☆☆☆☆☆から応援していただけると嬉しいです!

【ブックマーク】や《感想》、《イチオシレビュー》も本当に嬉しいです!

モチベーションがとんでもなく上がります!

何卒よろしくお願い致しますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ