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【コミカライズ】夫に愛されなかった公爵夫人の離婚調停  作者: りょうと かえ
4-2 ふたつの因縁

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336/361

336.隠された側面

(どうして……?)


 これまでルルと繋がって、このような情景が見えたことはない。


 雲が緩やかに流れる中にルルと壮年の男性がいる。


「きゅー」

「結局、俺には資格がなかった」


 ルルは小さくて可愛いペンギンで、きゅるんとしていた。


(精霊は永遠の存在だから、このようなことがあっても不思議じゃないけれど)


 精霊は生まれ変わるとしても、どこにでもいつまでも存在する。


 ルルが何百年も同じ姿でいても、それはありえる――人の時間スケールでは捉えきれないだけだ。


「すまないな、君の求める者はここにはいない」


 壮年の男性がルルの前に屈み、ルルの頭を優しく撫でる。


 男性からは虚ろな雰囲気がした。


(やっぱりセリド家の人間だよね)


 セリド公爵家の人間は空虚な雰囲気を持っている。今だからわかることだが。


 エミリアも前世の記憶が戻る前は同じだったからだ。


「ガンツにも悪いことをした。彼の受け継ぐべき領地は……俺の手の中に来てしまった」

「きゅいきゅい」


 壮年の男性は微笑むとルルから手を離した。


 ルルの瞳は……親近感がありながらも、エミリアやフォードに向けられているものとは違うように思えた。


 やはり距離があるように感じる――だが、それは壮年の男性もそうだろうか。


 彼もまたルルに対してそこまでの感情を寄せていない、寄せられていないようだった。


 山々の峰が遠ざかり、エミリアの意識が戻ってきた。


「…………」


 目をぱちりと開けると、フォードが心配そうにエミリアを覗き込んでいる。


「お母さん、大丈夫……?」

「え、ええ。なんともないわ」


 こんなことは初めてだ。

 

(いえ……もしかしてモーガンの時と同じだった?)


 彼女のルーン魔術に触れた時も過去の情景を見ていた。


 ただ、このルルの記憶……仮にそうだとして嫌な感じはまったくない。

 

「きゅいきゅい」


 ルルはぽよよっとしていた。


 記憶を共有していた、という自覚はルルにはなさそうだった。


 そもそもルルにとって今の記憶が重要なようにも思えない。


 なぜならセリド家の男性とルルはさほど親しい関係ではないようだったから。内容も少し話をして、撫でられただけ。


 ルールーはフォードとは違い、エミリアをさほど心配していなかった。

 むしろ、少し見惚れていたようだ。


「とっても集中されておりましたね。私にも伝わってきました……!」

「あはは、そうね……」


 フォードはエミリアの精霊魔術を知っているので、様子が違ったのを察している。


 ルールーは精霊魔術そのものをあまり知らない……だから今の異常さにも気がついていないのだ。


「ふむ……深く潜っておったようじゃの」

「……そのようです」

「精霊と繋がるとごく稀にそのようなことがあるものじゃ」

「ガンツさんはこの現象をご存知で?」


 エミリアは正直、驚いた。

 ガンツが語るほど知られた現象のようには思えなかったからだ。


「うむ? 精霊魔術を深く、とても深く実践するとそのようになるはず。わしには縁がなかったが……。ダイトはそのように言っておったが」

「…………」


 いや、そんなはずはない。


 エミリアの生まれたセリド家でもウォリスの貴族学院でも、このような現象の説明はなかった。


(私が覚えていないだけ? でも、そんな――それともあるいは……どこかで情報が欠落した?)


 ガンツは半世紀以上前にウォリスからイセルナーレへと亡命してきた。


 ダイトは昔の人物で、セリド家の宿命として恐らく短命であった。

 エミリアの記憶にはダイトのことはないからだ。


(どういうこと……?)


 精霊魔術の隠された側面。

 エミリアの知らなかった機能。

 

 もしかしてガンツはとても重要なことを知っているのではないだろうか。

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― 新着の感想 ―
ルルは、ただの謎の食いしん坊ペンギンでは無かった…?何でエミリアとフォードの所に現れたのかな…?とずっと謎で、まだ謎は沢山ありますが、段々と繋がってきて嬉しいです
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