明かされる、色々な秘密
「それで、お姉ちゃんどうするの?」
トイレから戻るとアメリアは体勢が変わっていた。それに、先ほどまでの駄々っ子アメリアはいなくなり、今はいつものアメリアに戻っている。といっても、アメリア用に用意された椅子には座らず、姉の膝の上に座っているが。
「せっかく、リオン君もいることだし、あれをの説明から始めるよ」
「あれ、ですって!?」
「そう、あれさ!」
「あの、あれって何ですか?」
俺を置いて話が進む姉妹に割り込んで話す。このままでは俺をおいて二人だけの空間になりかねないし。
「百聞は一見に如かず、ってことで。持ってくるから二人は待ってて」
「はーい」
アズが移動するというと、膝の上にいたアメリアは素直にそこから降りた。アズは立ち上がり奥の部屋へ行った。
「それで、アメリアあれって何ですか?」
「知らないわよ」
「知らないんですか?」
「ええ」
さらにアメリアのことが分からなくなる。知らないのにあの行動って、どれだけ姉のことを信頼しているのだろうか。
「アメリアはアズのことが好きなんだな」
「ええ!大好きよ」
俺の言葉にアメリアは即答で答えた。仕方ない、ましては俺がアメリアの旦那と言っても、アメリアとアズの付き合いの長さに比べたら、微々たるものだ。そう仕方ないのだ……仕方ないのだ。
「でも、あなたの好きとお姉ちゃんへの好きは違う好きだから」
「そうですか」
顔に出ていたのだろうか、慌てた様子でアメリアがフォローを入れてきた。それらしい、フォローだが、アメリアのことだから、ベクトルが違う好きって意味ではないのだろう。おそらく大が付くか付かないかの違いなのだろう。そう思ったら、さらに気が沈んできた。
「いいんです。どうせあって一カ月も経っていない中なので」
「だからね、リオン、聞いて?違うの」
「はい、聞いていますよ。違うんですね」
「もー!」
こんな子供のようなすね方、年下のアメリアには少し大人げないのかもしれないが、少しくらいはかまってもらってもいいだろう。……だって悪いのはアメリアだもん。
「ごめんねー、ようやく見つかった……って何してるの?」
拗ねる俺に、必死にフォローを入れているアメリアがアズの目には映っているはずだ。俺は慌てて姿勢を正す。今回アメリアはアズに飛び込まず、開いている席に座った。
「いえ、何でもないです」
「そうかい?でも、あんな姿のアメリアが見れたのは良かったよ、アメリアがあそこまで感情を出すのは始めてみた」
「そうですか?」
「そうとも、あそこまで打ち解けているのは私も少し焼けちゃうよ」
そんなにも打ち解けているように見えていたのか。確かに、屋敷の中でもアメリアは少し気張ったような雰囲気があった。それが今はなく、ダコかゆったりとした雰囲気すらもあった。
「アメリアは大きくなったね、あったときはこんなに小さかったのに」
そういって、アズは自分の腰くらいの高さに手を持っていった。
明らかに赤ちゃんのサイズではない高さに俺は動きがとまる。え?アメリアって人じゃないの?
「ああ、リオン君は教えてもらっていないようだね。私はアメリアのお母さんの連れ子。ここの領地だったアメリアのお父さんとは血がつながっていないよ。この屋敷に来たのもアメリアが生まれてから何年もした後だったから」
「え、そうなんですか?アメリア」
「そうよ」
アメリアは別に巨大な赤ちゃんというわけではなかった。ただ、アメリアと会ったのが成長した後だったと……って、重い情報がいくつか出てきたな。そんな話でも隣のアメリアは優雅にお茶をすすっているし。
だから、髪色とか体系とかも違ってくるのか。
「連れてこられたっていうのは、お母さんにですか?」
「そうだよ、お母さんがここのメイドとして働いていたんだ。そしてある日、領主の子供ができたから、屋敷に住んでいいと言われたからって、連れてこられた」
「なるほど、そのできた子供っていうのが」
「私よ!」
誇らしげに宣言したアメリアは置いといて話を続ける。
「その前は、アズのお父さんと?」
「いや、私のお父さんは私が生まれてすぐ別の女の人を作って、出ていったらしいよ。だから、祖父母の家で暮らしてた」
「それで、お二人のお母さんは?もしかして……」
もしかしてと、嫌な予感が走る。アズが家を継げないのは血がつながっていないかだ。しかし、子供ができているのなら、その方が家を継ぐのは可能なはずだ……
「もちろん生きてるよ」
——良かった。
「では、どこか別のところに?」
「何言ってるのよ、リオンも何度もあってるでしょ。メイドのサラよ」
メイドのサラと言われて、すぐに思い浮かんだ。俺とアメリアの結婚式に出てていたメイドだ。だから、結婚式に出ていたメイドはサラだったのか。
「なぜ、メイドを?アメリアを産んだのならそれなりの待遇は受けたでしょうに」
「もちろん、ルミアート家に入ることはできたらしいよ。でも、本人が断った。それでもと、アメリアのお父さんは私をこの家に招いてくれた——って感じ」
「だから、お姉ちゃんはお姉ちゃんなの!」
二人とも、過去のことだと割り切っているからだろうか、話しているときに気負った表情を見せることはなかった。むしろ、いい結果になったと喜んでいるような。本人たちがそれを受け入れているのなら、俺がどうのこうのってことはない。
今日だけで、メイドのサラがどうしてアズを呼び捨てにしているのかとか、アズがどうして家を継がないのかとか、なぜアズのことが存在が知られていないのかとか、いろんなことを新たに知ることができた。——ん?なんか忘れて居るような気がする。
「それで、お姉ちゃんが持っているそれは何なの?」
アメリアの視線はアズの手に向かれていた。アズは手に一通の手紙を持っている。
ああ、とアズは手紙の存在を思い出したようだった。
「そうだ。これがあれだよ」
それを、俺とアメリアに向けた。
「こ、これが」
「あれなの」
「そう、これがアメリアのお父さんつまり——前領主アルバート・ルミアートの遺言です」
現前領主の遺言がでてくる、王道っぽくないですか⁉
次はと言いたいところですが、面白そうな続きが思いつかないので修業してきます。
続きが書きたくなったら、また新しく投稿しなおすと思います。
あと、一つ投稿を始めます、こちらは完結しているので安心してください。投稿がとまるとしたら、腕がもげるか、忙しくなるか、めんどくさくなるかです。




