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パワーレベリング 前編

まずいなぁ…。こんな形で狩場なんて行きたくないのに。まずメンバーの性格を把握しないと。


・戦士のライブは無口。無口が一番辛い、だって情報が引き出させないからだ。


・剣士のアレンはリーダーであり真っ直ぐな馬鹿。今の俺の俺の立ち位置だと干渉不可能だ。


・魔法使いのシッパは魔法使いらしく論理的だが強者の意見に左右されがち。


・ヒーラのミルは友好的だ。それが女の罠じゃなければ良いのだが。


・盗賊のヒーデはパーティーのまとめ役、この娘には逆らってはいけない。


ということは、女二人と近い距離にいるしか無いのか。


「同じヒーラ同士、仲良くやりましょうね」ミルから話しかけてくれる。ありがたい。


「男どもは当てにならないよ。私達の前に出ないことだね」一応、ヒーデも気にかけてくれていた。


狩場は、”不穏な渓谷”というLv80以上が対象の人気の場所だ。出現する敵は巨大シリーズのみ。敵1体を1パーティで狩るイメージだ。設定が絶妙で、同時に2体目を相手にするならばLv100オーバーでなければ不可能であり、Lv100を超えると経験値が入らない。稀にLv95以上の戦い慣れているパーティで相性の良い2体目ならば勝つことも可能だ。


そして俺の目の前に、巨大な蟻が一匹出現した。


「ライブは敵のヘイトを全力で貯めてくれ! シッパとヒーデは待機と監視を。ミルはライブのHPを見落とすなよ。今回のパーティには、バフ&デバフ、クラウドコントロール、サブヒールがないんだ。

慎重にいくぞ」とリーダであるアレンが叫ぶ。


サブヒール? おい、ここにいるじゃないか…。


巨大な蟻の一撃が、ライブのHPを削る。HPバーで見ると1/3が一発で消し飛ぶ。ミルのヒールが発動し、HPが少しずつ回復する。これは一定回復、俗に言うリジェネレーションだ。ということは、ミルは二回あるクラスのグレードアップ(Lv40の中級クラス、Lv80の上級クラス)で、上級クラスの森の妖精を選んだのか。森の妖精の特徴は、まあまあの支援 + 一定回復メイン + ちょい攻撃だ。


Lv80になったばかりの一定回復では、HPが完全に回復する前に、次のダメージが来てしまい、徐々にHPが削られていった。おい…大丈夫かよ?


しかし一定回復に2系統? 回復間隔(短)の回復量(小)、回復間隔(長)の回復量(大)が、あるらしく二重かけにすれば問題ないようだ。あれ? 俺の一定回復って1種類しか無いけど??


敵のHPが少し減り始めたところで、アレンが攻撃に参加する。そしてアレンが一定数攻撃した後、シッパとヒーデも弱めの攻撃を開始する。おお…まともじゃないか…。


俺のカンスとした256のパラメータで、ぶん殴れば…それなりのダメージを与えられるが、ここは我慢だ。泣きそうな顔で、震えているぐらいが丁度いい。


そして敵のHPが1/3まで減ったところで、シッパとヒーデのフル火力攻撃が開始され、巨大な蟻は倒されたのだった。討伐までの時間、約5分だった。


しかし俺のサブクラスの召喚士のLvは14まで一気に上がったのだ。


たまらねぇ!! これぞパワーレベリング…じゅるり…。や、やめられん!!

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