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四人目

 人が居ない場所で転送魔方陣を展開し、メロディア城に戻って来た俺と柊は直ぐに玉座の間に向かう。姫のフィアナが居るとすればその場所しか無い判断した。


 城内は物凄く騒がしかった。普段は落ち着いた雰囲気の城内も城下町が何者かに襲撃されたとなれば話は別だ。フィアナもギルバードもすぐにでも情報が欲しいはずだ。


 相手の事を知るのと知らないのでは大きな差がある。可能性論になってしまうが、相手の正体が知れた段階で相手が何を求めて、何が理由で?が分かる可能性も十分にある。それに今回はアレセイア大陸の者とドメインの言葉で知れている。さらに早く相手の事をわかる可能性もある。


 玉座の間の前にはメロディア城の騎士たちが数人立って、入れないようにしていたが、俺と柊が訪ねると直ぐに中に入れてくれた。勇者降臨の儀で召喚されたと知って居るため、直ぐに入れてくれたのだろう。状況が状況なので入れてくれない可能性も少し考えていたが、無事にフィアナに会えるようで良かった。


 重い扉を開け、中に入る。柊が浮かせている黒フードに扉の前に居た騎士団の視線が行くが何も言われない。今はそれどころでは無いと理解しているのだろう。


「失礼するのだ!」


 玉座の間は重苦しい空気に包まれていた。座っているフィアナの隣に立つギルバード。さらに騎士団の中でも優秀な者たちが多く居た。情報を集める者も多くおり、全員で城下町の襲撃について調べているようだ。


「ワタル!ツカサ!無事で良かったです!」


 入って来た俺たちの見たフィアナは満面の笑みを浮かべて、近づいてくる。連絡もしなかったため、物凄く心配されていたようだった。


「怪我も無くて良かった二ゃ!物凄く心配した二ゃ!」


 近くに居たアーニャも俺たちに気が付き、駆け寄って来た。アーニャの耳と尻尾が揺れている。


「みんなも何事も無くて良かった……いや、それよりも話したい事がある」


 俺がそう言うと柊はデザイアで浮かせていた黒フードをゆっくりと下す。未だに気絶しているようで、一切動く事は無い。仮に意識を取り戻したとしても両手両足はドメインのデザイアで縛られているため使う事が出来ない。安心して問題無いだろう。だが、一応念のため気を引き締める事だけを忘れない。


「この人は何ですか?」


 フィアナの目付きが普段と別も物に変わる。一つの大陸を治める姫の顔に。俺たちが連れて来たという事はある程度見た瞬間に察しているだろう。


「城下町を襲撃した一人です。ドメインと一緒に一人だけ捕まえる事が出来ました」


「そうですか……ありがとうございます。ところでドメインと言うには誰ですか?」

 

「ハルバード・ドメインです」


「ハルバード家の者ですか……後でお礼をしないといけませんね……とりあえず、その事はおいておいて、知って居る事を教えてください。お二人から話を聞いた後にこの者に話を聞く事にします。それで話してくれる事が少しでも真実であるかどうかわかるはずです」


「わかりました」


 俺はフィアナとギルバード、アーニャに聞こえるように話す。一緒にお店に行って居る時に突然爆発音が聞こえた事と、ドメインが襲い掛かられ、俺とドメインで一人捕まえた事。


 敵が目で確認した限り三人だった事と、ドメインがアレセイア大陸の組織だと行って居た事。敵が正確には四人居るが、一人は姿さえ見ていない事。全員が黒フードを被って男女も判断できなかった事……その他戦いの中で気が付いた事など俺が感じた事なども全て話た。少しでも役に立ってくれると嬉しい。


「そうですか……アレセイア大陸の組織が城下町に……」


俺の話を聞いたフィアナは一切驚いた顔はせずに、淡々と繰り返した。その言葉はまるである程度は予想出来ていたという感じに聞こえ、俺は不思議に思う。


「そんなに驚かないんだな」


「そんな事無いですよ。城下町が襲撃された時は本当に驚きました。どこからの襲撃かも正確には分かりませんでした」


 落ち着いた口調でフィアナは言った。嘘を言っているようには見えない。しかし、否定はしていたが、ある程度予想を立てていたのは間違いでは無いと判断した。


「姫様。その言い方だと少し不安にさせてしまうと思います。実際には襲撃が来る事は予想出来なったが、アレセイア大陸が何かしてくるという事は大体予想出来ていた、という事だ」


「そう二ゃ、あの大陸は勇者降臨を儀を神様を降臨させる儀式として認識している二ゃ。実際に降臨した勇者はこの世界では桁違いに強い能力得たにゃ。あらがち間違えでは無いと思うにゃ……けど、神様なんて降臨させる事は出来ないにゃ」


「ようするに、実際に勇者降臨の儀を行った事が無いから、どんな勇者が来るか知らなくて、来てみれば見た目は普通の人間だった、という事でいいのか?」


「そういう事になります」


 フィアナは俺の言葉に頷き、地面に倒れている黒フードに視線を向ける。ようするに、自分たちが神様を降臨させる儀式と思って居る事を行い、勇者を降臨させた腹いせという事だろうか?しかし、神様を降臨させる儀式と勘違いしていたにしても、一度は行っているはずだ。どうして勘違いしたままなのだろうか?


「それは、勇者降臨の儀が簡単に成功する物では無いからだ」


 背後から声が聞こえてきて、俺は振り返る。そこにはエルフのエリスの姿があった。姿を見かける機会が中々なかったが、一応メロディア城内にはずっと居るとフィアナが言って居た。


「勇者降臨の儀というのは神様を呼ぶに相応しいほど難しいこと……二人を召喚する事も容易では無かったという事だ」


 確かに俺たちの能力はこの世界の中では頭一つ抜けて高い。しかし、勇者降臨の儀を行えばこの強い力を持った者が大量に召喚する事は可能になる。そんな事が起こればこの世界のバランスは崩れるだろう。難しく無い訳がない。


「そういう訳です。成功したのも本当にたまたまという訳です……とりあえず、この人に聞きましょうか」


 フィアナがそう言うとギルバードは倒れている黒フードに近づく。すると、黒フードの体が少しだけ動いた。それに気が付いたギルバードだったが、気にせずにフードを外す。


「…………」


 フードの中には一人の人間……というか女の子が居た。まだ幼さが残る顔は柊よりも年が下に見える。こんな女の子が連携を取って、俺たちを襲ってきたのだ。そう考えると少しだけやるせない思いになる。


 異世界というのは等しくしてこういう幼い子を使って何かをしようとする者が多く居る気がする。完全にアニメなどの影響になるが、一体どういう思いで幼い子供を悪事に使う事が出来るのだろうか。あの慣れた動きからして、これが初めてでは無いのは容易に想像が付く。一体いくつから訓練されているのだろうか。


「ぅぅぅ……眩しい」


 可愛らしい声でそう呟くと瞳を開ける。見た目は完全に普通の女の子。目を擦りながら欠伸をする様子は完全に年相応の仕草。だが、俺の顔を見ると一瞬で変化する。


 鋭い瞳になると同時に動き出そうとするが、ドメインのデザイアで動きを封じ込まれているため、両手両足は動かない。それに気が付くと自分の手首に噛みつこうとする。


「な、何をしようとしてるのだ!!」


 近くに居た柊は女の子の頭を押さえて、手首から離す。あの動きは完全に自決しようとしていた。捕まったため、情報を抜き取られる前に自分で死のうとしたのだ。現実では高校生にもなっていないだろう女の子が大陸のために死のうとしたのだ。そんな光景を目の前で見てしまい、俺は動けないでいた。


 だが、これは普通の事なのか、フィアナたちは驚く事もせずに、女の子を見つめる。そして、デザイアを使用し、首を固定した。これで手首に噛みつく事が出来なくなった。


「拷問などしても無いも吐かない。意味は無いから殺しても構わない」


「拷問なんてする気ないですよ。目的だけ話してもらえれば……釈放とは行きませんけど、決して悪い扱いにはしません」


 フィアナは柔らかい口調でそう言う。フィアナの事を知って居る俺たちはその言葉が本心であるという事は十分に理解できる。だが、他の大陸の……襲撃した者がそんな言葉を信じる訳が無い。より強い警戒心を持たれてしまい、睨まれる。


「そんな訳ないだろ。情報だけ吐かせてこの場で首を切られる。幼い私でもそんな事が常識だというのは知って居る。ならば、自分が住む大陸の不利益にならないように死ぬのが一番手っ取り早い」


「そんな事させる訳ない。お前の意見は関係が無いのだ。だが、姫様がこう言っているのだ。目的や詳しい事を吐けば命は取らないとギルバード家に誓おう」


「お前は……ギルバード!なるほどな……この段階で計画は失敗という訳か……まぁ、良い、殺せ」


 ギルバードは自分の家に誓ったにも関わらず、女の子は殺せという。一体何がそこまでさせるのか、俺には到底理解出来ないが、しいて言えばそういう風に訓練されたのだろう。幼い女の子が自分の死を悟っている状況に俺は何をすればいいのだろうか?


 ギルバードとフィアナはそんな事する気が無いというのは容易に理解出来る。だが、相手にそれが伝わらなければ意味が無い。そして、他人を信用しないように教え込まれたであろう子をどのように信用させたらいいのか?など、俺の人生の経験でどうにかなる物では無い。ただ、一つだけ言える事がある。俺はこの子に同情しているという事だけ。


 そんな同情は一切意味の無い物かもしれない。だが、俺自身がそうしたいと思ったからこそ、俺は行動する事にした。


「それなら俺が君を引き取るよ」


「何言ってるのだ?」


 隣に居た柊は俺の言葉に首を傾げていた。確かに俺は一体何を言っているのだろう。しかし、自分がそうしたいと思ったからこそ言ってる言葉だ。曲げるつもりはさらさら無い。


「俺は君に死んでほしくない。けど、このまま放って置く訳には行かない……だから、俺がこの世界に居る間は面倒みる」


「勇者……お前は正気か?そんな事をしてもお前にメリットは無いし、私はお前を殺そうとしても可笑しくない。第一、そんな話は信じない。いいから殺せ」


 やはり、この女の子は俺が勇者だという事を知って居る。という事は柊の事も知って居るという事だ。しかし、今はそんな事関係ない。


「それは出来ない。理由は簡単で俺は君に死んでほしくない。同情だと思われても良いし、君の意見は関係ない。俺がそうしたいからするだけだよ」


「…………」


 両手両足を縛られた女の子は俺から視線を逸らし、黙り込む。俺はそれを勝手に肯定ととり、フィアナに視線を向ける。


 幼い女の子が辛い目にあうのが嫌だっため言ってしまったが、実際は俺が面倒を見るのでは無くフィアナに頼り切りになってしまう。少し申し訳無いが、否定されたら俺が稼げが良い。それぐらいの覚悟は持って言ったつもりだ。


「いいですよ。ワタルには色々迷惑掛けています。神種選定に出てくれる事だけで、多少のお願い事は叶えます!」


「ありがとう……本当に申し訳ない」


「良いですよ。けど、しっかり面倒見てくださいよ。私たちも出来る事はお手伝いしますので」


 優しく笑うフィアナに俺は軽く礼をする。懐の広さは本物で、人の好さが滲み出ている笑顔。優勝出来るか分からない俺と柊の面倒を見て、さらに俺のわがままでもう一人増えた。それでも全く怒らず、受け入れてくれる。本当に言葉では伝えれないほど感謝している。


「それでどうするのだ?結局何もわかって無いのだ!ドメインに合流する事も出来ないのだ!」


「確かにそうだ。何もわからないのであれば、動きようが無い。初めから色々調べている時間も無いだろう。どうすべきか方針を決めるべきだろう」


 ギルバードと柊は幼い女の子に軽く視線を向けながら呟いた。この子に色々教えてもらおうと思って居たのだが、予定がズレた。また考えなければ行けないだろう。


「時間稼ぎだ」


 すると、何も吐かないと言っていた幼い女の子が口を開いた。一言だけだったので意味は分からないが、何かを伝えようとしているのだろう。


「私たち三人は時間稼ぎだ。本気で戦ったのは確かな事だが、ハルバード家と勇者を相手にして勝てるほどの実力者などそう多くない。だからこその時間稼ぎだ。もう一人が本命を終わらせるために私たちが先手を打った」


「…………」


「もう一人の居場所は分からないが、このまま放っておけば間違いなくこの辺い一帯は消える」


 そう言う女の子の言葉に誰もが息を飲んだ。


****************


 ドメインは連れていかれたラトリーを助けるために走る。どこに向かったのかなどは一切分からない状態にも関わらず、当ても無く走る。


 自分が不甲斐ないせいで連れて行かれたと思って居るドメインは必死に走る。ハルバード家を継ぐ者として、一般人を危険な目に合わせるなどあってはいけない事だと思って居る。守るべき対象を攫われるなど論外だ。さらに自分が近くに居たにも関わらず、それを防ぐ事が出来なかった問題も忘れ無い。


 ドメインは自分がハルバード家を継ぐという事を誰よりも実感している。自分の体の中にある才能も実感している。学院では強い者にちょっかいを掛ける事もあるが、その体の内には燃えるような想いがある。


 前が一切見えない霧が立ち込めようとも前に進む事を忘れない。雨雲が覆い、雨が降り注ごうが消えない。全てを飛ばす突風が吹いても一切揺るがない“炎”が胸の中に燃えている。そう、父親のように立派に家を継ぎ、弱き者を守る事出来るようになるという“炎”が燃えている。


(絶対見つけ出す!一切傷つかせない!)


 例え自分が傷つこうとも守るべき者を傷つけさせない。絶対的な思いを胸に全力で駆ける。全てを守る事など絵空事だと言われてもドメインという男を構成する根本的な部分は揺るがない。この炎が消えない限り、守ることを諦めない。そがドメインが憧れて止まない父親の姿。背中だったから。


「この足音は……こっちか」


 自分の足音とは違う足音が聞こえた。普通の者であれば気が付く事が無い足音……ほとんど無音に近い状態であったにも

関わらず気が付いた。そして、その足音が戦いの中で逃げた二人組と一緒だという事にも直ぐに気が付いた。


 ラトリーを抱えているため、少しだけ足音が重い。ドメインは確信を持って、足音を追う事にした。今までの経験と実力が自信という確信に至らせる。


 疾走するドメインと黒フードの間は少しつづ詰まっていく。個人の実力だけ見れば、黒フードはドメインには遠く及ばない。それは持って生まれた物と努力して積み重ねた物が違うからだ。故に、先に走っていた二人に追いつく事など何事も無い。速度だけ見ても黒フードを凌駕しているドメインが距離を縮められない道理は存在しない。


「ふ、追いついたぜ」


 ドメインは黒フードに追いつく、姿を見せる。足音など気配を消さずに駆け抜けたので相手にも当然ドメインが追っているという事が知れている。姿を隠した所で相手は行動を起こさない。だからこそ、姿を見せた。姿を見せるとの見せないのでは場面によって相手に与える物は大きく変化する。


 全く正体が知れない相手に追われるのならば姿を見せないに越したことは無いが、黒フードもドメインが追っている事を知って居る。自分が近くに居るという事を相手に教えるほうが良い。


「…………」


 立ち止まる黒フードの一人はラトリーを抱えている。未だに意識が無いが、胸が上下に揺れているため、呼吸はしている。最悪の展開は避けられたと言ってもいい。だが、ドメインはラトリーが無事だという事は確信していた。


 理由は至極簡単な事で、黒フードの一人はこちらが押さえているという事実があるからだ。仲間意識があるか無いかなどはドメインには分からないが、少なくとも同じ組織のチームとして組んでいた三人だ。簡単には見捨てないと踏んだのだ。組織では見捨てるように言われているはずだが、私情を捨てきれないのは人間という生き物だ。


 この黒フードが機械的な何かであればその前提は全て崩れ去ってしまうが、今の技術ではドメインほどの使い手と戦えるほどの機械など作れない。その事実を知って居れば問題無く相手が人間であるという事は理解できる。さらに、デザイアを使った事も大きく関係している。デザイアを機械が使う事は不可能だ。ワタルが魔力の練りあがる感覚を感じた時点で人間だと割れていたのだ。


 一切視線を逸らさずに剣を抜く。ラトリーを抱えている黒フードは先ほど戦った時のような動きをするのは容易では無い。必然的に一人の黒フードの後ろに下がる。


 人質を連れて逃げる事も出来るはずだが、後ろの黒フードはそうしない。理由は黒フード一人では全力のドメインを相手にする事が出来ないためだ。正々堂々勝負して簡単に勝てる相手では無いとドメインの事を少しでも理解していれば、知って居るはずだ。当然、ドメイン相手に圧勝する者も決して少ないは無いが、黒フードに関してはそこまでの戦力を持っていない。故に逃げない。


 腰を低くして、少しつづ近づく。黒フードも同じようにいつでも移動出来る態勢になりながらも、視線は逸らさない。警戒は絶対に怠らない。


 そして、一瞬だけ吹いた突風が合図だった。ドメインは全力で駆けだし、黒フードに迫り、初手で気絶させるつもりだったのだがーーードメインは動きを止めた。


 視線の先には黒フードとは違う一人の男が姿を現した。ロン毛に細い目が特徴の男。細い目は蛇がカエルを睨む如く、鋭くドメインの肌に突き刺さる。見つめられる場所が何もされていないにも関わらず、痛みを感じる。


「やあやあやあ……君一人かい?」


 正面に居る男は薄ら笑いをしながら近づいてくる。男の声は少し甲高く、一度声を聴くと中々忘れる事は出来ない声だ。


「…………」


 ドメインは男の言葉を無視するーーーいや、実際は極限に集中力を高めようとしていた。なぜなら目の前に居る男は対峙しているドメインが一番理解している。


(----強い)


 そう、明らかに格上。ドメインを持ってしても正面に居る男には全く勝てる気がしない。むしろ、戦く気すらも無くなるほどの壁だった。


「この二人では少々手が余る相手だな……仕方がない、俺が相手をしてあげようか」


 アレセイア大陸の組織は四人一組で行動する。黒フードの事を知って居るという事は、この男もまた街を襲撃した相手と同じ。ただ、一人だけ格が違うと言うに相応しいほどの実力者など分かる。


「本気でかかって来いよ……遊んでやるよ」


 男は少しづつ歩きながらドメインに近づく。そして、距離が一定に近づくと同時に、両手を前にだして指を自分の体の方向に何度も引く。男は物凄く挑発的だ。自分がドメインより強いという自覚があるがための挑発ーーー。


 そんな安い挑発にドメインは乗らないがーーー剣を構える。挑発には乗らないが、戦うという事は変わらない。相手が自分より強いなど関係ない。そもそも、自分より強い相手が居るなど知って居る事実。憧れの父親より強い奴も大勢居るのだ。その辺に居ても全く可笑しな事では無く、そのための毎日の訓練だ。


 二人の間に静寂が生まれるーーーそして、同じように突風が吹くど同時に二人は動き出すーーー。

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