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私と付き合って!!

「満足したよ!」


「まだ来たばっかりでござるよ……」


 アニメイトを出た俺たちは次の場所に向っていた。キリト君が行きたい場所に向っているのだ。もちろん、十八禁の場所ではなく、普通の場所だ。


 彩と海鳥さんも店の名前を聞いたら、すぐに納得していたので、普通のお店なのだろう。俺は知らないけど。


 ちなみに、ソフマップやアニメイトがあった通りを、オタロードと呼んでいるらしい。愛称ではなく、公式の呼び方らしい。


 そんなオタロードを少し逸れて、道路側に出る。そこは商店街のような場所で多くの電化製品が売っている。道路を挟んで奥の通路も同じような作りになっている。


「ここでござるよ!」


 キリト君が急に立ち止まる。どうやら目当てのお店に付いた見たいだ。赤い看板に『こみっく軸中〇派』と書かれている。キリト君が行きたいというお店なのだから、アニメ関係が売っているのだろうと想像していたが……外から見る限り少し違うように見せる。


「私、こういうの全然わからないよ!」


「大丈夫ですよ、私もほとんど知らないです。お店の名前は知ってましたけど……」


「とりあえず、入るでござる!」


 キリト君に言われて中に入ると、女の子が描いてあるタペストリーが多く飾られている。名前が書いてあるが、これは絵を描いた人の名前なのは想像できる。


「拙者は好きな絵師さんが居るでござる!その人のタペストリーが欲しかったのでござる!」


「涼花、いいの?」


「大丈夫ですよ、流石にエロゲはダメですけど、そこまで縛ってしまうと、可哀そうです。私もそういうのは嫌ですから」


「涼花が良いなら大丈夫だね!私たちも見て回ろう!」


「そうですね!入る機会なんてほとんど無いですし!」


 という訳で、俺たちはお店の中を見る。タペストリーの他にも、CDケースや携帯カバー、意外な物では靴が売っている。全てキャラクターの絵が載っている物だ。


「キリト君はどの人が好きなの?」


「拙者はこの絵師さんが好きでござる!」


 キリト君は彩に自慢げに見せる。だが、キリト君が好きになるもの納得出来る。確かに物凄く可愛らしい絵だった。


「物凄く可愛いね!」


「そうでござる!物凄く可愛いでござる!」


 そう言いながらキリト君は飾ってあるタペストリーと同じ物を下の売り場から取り出し、三本持つ。どうやら、買いたい物は決まっているみたいだ。


「他の人はいいんですか?」


「いいでござる!確かに他の絵師さんの絵も可愛いでござる!けど、集めだしたらキリがないでござる!だから、推しだけでいいでござるよ!」


 そう言いながらレジに持っていき、三本購入する。値段を見ると、一本三千円ほどする……三本ならざっくり一万円だ。


 俺からしたら理解出来ないが、好きな物にお金を使う時と言うのは、そういう物なのかもしれない。少し高くても、買えない方が嫌なのだろう。


 ようするに、金銭感覚を忘れてからが趣味と呼べるのだろう。そういう熱中出来る物が一つあるのと無いのでは全然違う。


「もう少し見ているでござる?拙者は買い物は終わったでござる」


「彩ももういいよ!」


「私も大丈夫ですよ」


 全員用事が済んだ見たいなので、お店を出る。そして、スマホで時間を確認すると、お昼を過ぎていた。お腹も空いたので確認してみる。


「お昼どうする?」


 今の時間は人が多い気がするが、もともと人が多い場所なので、いつに行っても多いだろう。それなら早めに済ませて、見る方は良いと思った。


「そういえば、彩もお腹空いたよ!」


「拙者も空いたでござる!」


「私も空きました!」


 どうやら全員お腹が空いている見たいなので、お昼にする事にした。しかし、問題はどこで食べるかだ。前にプールに行った時のように、一つのお店に色んな物が置いてるというのは難しいだろう。


 俺はもちろんラーメンが食べたいが……みんなは食べたい物が違うかもしれない。どこにするか聞いて、彩と海鳥さんが行きたい所にするのが良いだろう。


「どこで食べます?」


「拙者はどこでもいいでござるよ?こういうのが一番困るのは知って居るでござる……」


「確かにな……俺は二人に合わせるよ。彩と海鳥さんが行きたい所でいいよ」


「それはいい案でござる!レディーファーストでござるね!」


「うん、全く違うと思うよ!」


「残念でござる……」


 彩もどこでも良い見たいなので、俺たちは海鳥さんを見る。すると、海鳥さんは少し恥ずかしそうに口を開く。


「あの……行ってみた所、一つあるんですけど……」


「それじゃ、そこに行こう!彩は美味しかったらどこでもいいもん!」


「良かったです……それで、行ってみたいお店なんですけど……」


 海鳥さんの口から出たお店は少し意外な場所だった。しかし、断る理由も無いので、俺たちはそこに向かう。そう、世界的に有名な大手ハンバーガーチェーン店である。関東ではヤック、関西ではヤクドだ。


「私、行くの初めてなんです!ずっと行きたいと思ってたんです!感激ですよ!!」


 ヤクドの中に興奮気味で入る海鳥さんを見ながら、俺たちも中に入る。人がレジの前で並んでいるが、先に上に上がり、席を確保する。運が良く四人が座る席が一つだけ空いていたので、そこに腰を下ろす。


「すごいです!こんな空気だったんですね!」


「私、涼花がこんなに興奮しているの初めて見たよ」


「拙者も同じでござる……」


 海鳥さんは本当に嬉しそうな笑顔をしながら、店内を見渡していた。店内は特別何かがある訳ではない。俺も知って居る普通のヤクドだ。


 まだ商品すら頼みに行っていないのに、この様子だと食べる頃にはさらにテンションが上がって居るのでは無いだろうか。


「貴重品だけ持って、頼みに行こうか」


「そうでござるね!」


「一応、荷物置いとかないと席取られる可能性あるしね!」


 座った席に荷物を置いて、下に降る。レジには多くの人が並んでいるが、初めて来た海鳥さんは何を頼むのか悩んでいる様子なので、逆にありがたい。


「どれもおいしそうです!迷いますね!」


「そうだね……」


 海鳥さんのテンションに少し困り顔の彩は、俺の隣にやってきた。そして、聞こえないように顔を寄せて、口を開く。


「そんなに喜ぶお店かな?全国どこにもであると思うけど……」


「そうだな……」


 嬉しがっている様子から相当来たかったのだろう。確かに全国どこにでもあると思うが、海鳥さんからしたら来たい場所に来れたのだ。その喜びが単純に強いのだろう。


 俺も彩も何度も来た事があるので、何も特別に思わないだけだろう。興味があって、初めての場所だからこそ、この喜びようだと思う。


「これも食べたいし……これも食べたい……あ!これも食べたいです!」


 メニューと睨めっこをしている海鳥さんを見ていると、なぜかわからないが、俺たちも嬉しい気持ちになる。どこにでもある場所だけど、来て良かったと思える。


「嬉しそうだし、細かい事はいいよね」


「そういう事だな」


 彩も海鳥さんの様子を見て、俺と同じような事を思ったのだろう。そう、楽しそうだから細かい事などどうでもいい。


「そんなに食べたら、少し前のキリト君見たいになるよ!」


 そう言いながら、彩は俺から離れて、海鳥さんの所に行く。それにしても、彩もなかなか言うな……。


「それは絶対嫌なので、一つだけにしておきます!」


「二人ともひどいでござる!そんだけでは太らないでござる!ポテイトチップスとコーラで宴をすると良いでござるよ!」


「それと、ハムスターのあれを被ると、外と中は裏表だよ!」


「そうでござるよ!」


「何が言いたいの分からないけど、とりあえず、急激に太るという事は無いと思うよ」


 海鳥さんは並んでいる間、ずっとメニューと睨めっこしていて、結局メジャーなセットに決めた。


 俺たちも各自好きなセットに決めて、渡されたレシートに書いてある番号がモニターに映るのを待つ。そして、全員のセットが出来ると上に戻る。


「人生初のヤクドナルドです!CMとかで見たり、通り掛かったりした時に興味があったんですけど、そのままずっと、入らないままでした!」


「珍しいよね!私は小さいときに家族で行ったのが初めてだよ!」


「拙者もそうでござる!おもちゃが付いてくるラッキーセットを食べていたでござる!」


「意外だね!キリト君小さい頃からビックマックセットを二つとか食べてそうだよ!」


「食べないでござるよ!拙者のイメージがおかしいでござる!」


「てへ★」


 やたらとキリト君を弄る彩だが、最後のウインクが物凄く可愛かったので、キリト君は何も言えずに口を閉ざす。けど、俺も良く昔はラッキーセットを頼んだ。


 妹である花恋も居る時期だ。花恋は別のおもちゃにすれば良いのに、俺と同じ物を選んで後から後悔していた。自分で選んだのに……と思っていたが、今では懐かしすぎる思い出になっている。花恋も同じなら嬉しい。


 人も多く、待っている人も居るので、食べ終わると少しだけゆっくりして、店を出る。あまり長いすると迷惑になるのでそちらの方がいいだろう。


 それから俺たちは、再びオタロードに戻る。俺は基本的に付いていって、三人と話しをしているだけだ。だが、それでも十分だった。


 三人が行きたい場所に、日が暮れるまで付き合った。そして、行く場所がなくなると、帰宅する事に決まった。暗くなるのは夏なので遅いが、出来るだけ明るい内に帰る方が良いだろう。


 同じように日本橋駅まで歩き、地下鉄の乗る。そして、梅田駅で電車に乗り換える。電車は帰宅する人も多く、行きよりも混んでいて大変だったが、無事に到着した。


「今日はありがとうございました!」


「こちらこそだよ!楽しかったよ!」


「拙者も楽しかったでござる!いい買い物も出来たでござる!!」


 キリト君と彩は同時に買い物袋を上にあげ、笑いあう。ヤクドに行った後も彩とキリト君は何かしら購入していたので、満足したようだ。


 海鳥さんは比較的買い物袋が小さい。というか、始めに行ったアニメイト以外での買い物は無かった。どうやら、目的の物が決まっていたようだ。当然のように俺は何も買ってないが、それでも十分に楽しいと思えた。


 地元の駅を出た時には、空は薄い夕日に照らされていた。そろそろ暗くなり始める頃だろう。


「また、予定が合えばどこかに遊びに行きたいでござるね!」


「みんな行こうね!次は……って、またその時に決めればいいか!」


「そうだな。いつ行けるか分からないし、その時によって行きたい場所とか変わっているかもしれないしな」


「そうですね。せっかく連絡先も知ってますし、予定が合いそうな日に決めましょう!」


「それがいいでござる!」


 俺たちはまた一緒にどこかに遊びに行く約束をして、駅前で別れる事になった。海鳥さんとキリト君、俺と彩で帰宅した。


**********


 夏休みも終わり、今日は九月一日だ。今日から学校が始まるため、早めに起きて、準備をする。


 宿題も全部終わっているので、忘れないように確認をするだけだ。終わっているのに忘れてしまうと、全く意味が無くなってしまう。


「一応、彩と柊にも伝えておくか……」


 流石に忘れる事は無いと思うが、メッセージを送っておく。柊にも同じように忘れないように送る。


 すると、ほとんど同時に返信があり、俺は内容に目を通す。


『ありがとう!(なのだ!)持っていくの忘れる所だったよ!!(なのだ!)』


 と、ご丁寧に同じ内容で返ってきた。送っておいて良かったと安心した。これで、忘れる事も無いだろう。


 時間になり、学校に向かう。そして、教室に到着すると、彩が笑顔で近寄ってきた。可愛いので、頭も撫でておく。


「どうしたの?嬉しいから良いけど!」


「なんでもないよ。それよりも、おはよう」


「おはよう!朝ありがとうね!」


 無事に宿題を忘れずに持ってこれた見たいだ。頑張って終わらせていたのを知って居るので、忘れないで良かったと心から思った。


 それから始業式を行うために、体育館に向かう。終業式と同じように校長先生からありがたいお言葉を聞き、終わりになった。

 

 終業式の日だけは午前中で終わりになるので、学校が終わると同時に彩と部室に向かう。昨日もみんなと会ったていたので、久しぶりという事にはならない。用事も無いが、部室に向かうのは日課だ。


 部室の中に入ると、柊と六花さんが居た。静奈さんはまだ居ないようだ。


「二人ともおはよう!ちゃんと宿題持ってきたかしら?」


「大丈夫です」


「彩も持ってきました!」


「それなら良かったわ!」


「我も持ってきたのだ!」


 どうやら、柊もしっかりと忘れずに持ってきた見たいなので、良かった。


「ところで、静奈さんはどうしたんですか?」


「それが、分からないのよ……。急に焦った様子で教室を出て行ったから。部室には来る見たいだから、待ちましょう」


「わかりました……」


 それにしてもどうしたのだろうか。六花さんにも話をしていないとなれば、何かとても重要な事なのではないだろうか。


 それほどまでに焦っているという事ではないだろうか。そう考えると、少し心配になったきた。


 それから暫くすると、走っている足音が部室に響く。こちらに向かってきているようなので、静奈さんだろう。それにしても物凄く焦っている様子だ。


 そして、部室の扉が勢いよく開くと静奈さんが立っていた。走った影響で肩で息をしている。


「静奈!一体どうしたのーーー」


 流石にただ事では無いというのは静奈さんの様子を見ていれば分かる。何かあったのだろう。


 六花さんの言葉を聞かずに、俺の元に近づいてきた。そして、肩を両手で掴んでーーー口を開く。


「航君!私と付き合って!!彼氏になって!!」


「え……」


 驚きの言葉に、部室が一瞬で固まる。俺も同じように一体何が起こったのか理解できなかった。


「えええええええええええ!!!!!」


 少し静寂に包まれると、同時に俺以外の三人が同時に驚きの声を上げる。俺というと、そんな驚きの声を上げる事も出来ないほど、驚いていた。


僕は宮坂みゆ先生が大好きです(*´ω`*)

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