四章 異世界系で主人公が美少女に囲まれるとかあたりまえだから
コメントが来てすごく上機嫌になってます!
どうもどうみなさんナレーションです・・・・・あれ? 殴ってこないんですか主人公さん
「それがなんとこの小説に感想が来て気分がすごくいいんだよ」
それはよかったですね、ちなみに私については?
「いや、全然別に・・・」
そうですよ私は冒頭にしか出れないモブキャラですよ
「お、やっと自分の立場を理解したか」
なんでこんなにいじめるの~じゃあ本編へどうぞ!
【四章 異世界系で主人公が美少女に囲まれるとかあたりまえだから】
大きな木が空を覆い、周りを暗くするような森の中で時折枝の隙間から入ってくる日差しに目を細めつつ湿気でゆるくなった土を踏みしめて二人の少年少女が歩いていた。
「なぁ、ここはどの辺かわかるか?」
少年の名はヘルトス、人間が住む世界からこの異世界へと記憶喪失気味になって落ちてきたちょっと不幸な人。
「たぶん覆いかぶさる森の中腹だから、あと二時間くらい歩けば草原だね」
少女の名はエミィ、異世界に住む戦闘重視の部族であり元神子を務めていた。今はヘルトスとこの世界を旅する形で一緒にいる。
「あれ? なんかおかしくない、ナレーション付いてない? この小説今まで一人称視点だったよね、僕が全部語ってたよね!?」
大丈夫です次のカットでは元に戻りますから。
「わかってたけどお前かよ! 僕の機嫌がいいからって調子乗ってんじゃねぇよ今すぐ元に戻せ!!」
はいはいわかりましたよ~。
「ふぅ」
「どうしたのヘル兄? さっきから大声出して誰かいたの?」
「いやいや誰もいないよ、大丈夫」
僕がこっちの世界に落ちてきてもう一週間は経つ。最初はいろいろ驚かせられたこの世界にもけっこう慣れてきて今じゃ小型の獣くらいなら一人で狩れるようになった。記憶が無いせいかあっちの世界に未練もなくこの世界で元気にやっていけてるけどもしかしたら僕に家族がいて、もしかしたら急にいなくなったことで心配されてるかもしれない・・・・・・時々そんなことを考える。
「ヘル兄こっちきて、川があったから一休みしよう」
「今いくよ、水は飲めそう?」
「この森に流れてる川の水は綺麗だから普通に飲めるはずだよ、空気もいいしもし何かあっても獣は少ないから問題ない」
問題ないって言われてもな、腹痛とかならまだいいけど死んじまったら元の子もないし毒見くらいはしておかないとな。大体この辺で生きるためのコツはこの一週間でエミィに習って習得したしこの世界では人間も成長しやすいのか体術とかナイフの使い方は早く習得できた。
「とりあえず目的地ってのは決まってるのか? このまま適当に歩いててもいつか倒れちゃったりとかは?」
「この辺は森が多くて草原に行かないと村もないから歩くしかないんだよ、野宿とかも多くなるけどもう慣れたでしょ」
「まあ野宿には慣れたし食料も困ってはないからいいか・・・・・・そういえばエミィは部族だけどもう一つの族ってなんなの?」
この質問は前からしたかったけど修業とかの疲れでいつも忘れてたし慣れてきたこの辺で一度聞いておくのもいいだろう。
「もうひとつの族のことかー、聞きたい?」
「聞きたい・・・・・・」
なぜか溜めてくるのでちょっと緊張する。なにか族の間で何かあるのだろうか?
「しょうがないな、これは現地についてから説明したかったんだけど聞いてきちゃったからもう言うね。もう一つの族は魔族、名前の通り魔法を使うことを重視した族のことで私たちとは違って村というより町って感じに発展してるんだ、別に族同士のいざこざとかはないから安心していいよ」
「そうなんだ、ていうか現地についてからって言うのはまさか・・・・・・」
「ピンポーン、今向かってるのは草原にある魔族の町だよ。ヘル兄は人間でどっちの族にも偏らないからもしかしたら魔法が使えるかもと思って」
「エミィたち部族は使えないの?」
「私たちは適してないだけで多少は使えるよ、でも魔力も少ないし基礎ができていい方みたいなもんだよ」
「それで僕だったら使える可能性があるってことか」
「体術も思ったより早くマスターしちゃったし訓練を受ければ魔力が生まれると思うんだ、そこはヘル兄の努力とセンス次第だけどね」
へぇー僕でも魔法が使えるかもしれないんだ。てから火の玉を出したり水を生み出したりとか・・・・・うわぁー想像しただけで嬉しくなってきた! とそんな感じで妄想を膨らませながら森を歩くこと三十分、今まで見たよりも大きめに木があったのでそこで少しだけ立ち止まって夕食を狩るために一度エミィ別れた。
「さて、最近はあまり野菜も食べてないからなにか山菜的なものでも採ろうかな」
この森には二日前に入ったばかりであまり知識がないから毒を持ってる草とかは採ってからエミィに見せて判断してもらってるし離れすぎると大型の獣が出てきた時どうにもできないので気配がたどれる半径五十メートル内での活動になってるけど今回は近くに食べられそうなものが無いので少し遠くまで来てる。
今のところは大型に出会ってないし大丈夫だとたかをくくっていたのが間違いだった。
「うーん、なんか食べられそうなものは・・・・・・これいけるかな? まあエミィに見せ解けば問題ないしいいか」
ドンッ! なにかにぶつかった。ちなみにここは木の幹以外は何もない見晴らしのいい場所でぶつかるなら木くらいなのだけど、なぜかぶつかった者には毛のようなふわふわ感があった。
「ブルルルルルルッ!」
パッと見体長三メートルくらいのイノシシが、目の前に立っていた・・・・・・
え、ちょっ冗談だよね? 今まで小型の獣しかいなかったし・・・・・・あーあれだよ剥製。職人さんが調子乗って作ったら重かったからここに捨ててったんだよ。
「ブロロロロロォォォォ!!」
「ギャアアアアやっぱ本物だァー!」
道がぬかるんでてうまく走れないけど必死で逃げる。もうこれからの人生走れなくなってもいいからくらいの勢いで逃げる、相手は大型のイノシシで突進力は普通の何十倍とあえるだろう。角も一メートル以上で刺されたら確実に死に至る。
「エミィ! 獣が出たぞーてかもう誰でもいいから助けてェー!」
ヒュン――
叫んだ瞬間、目の前を何か赤いものが通った。それがなんだったかわからない、だがその物体を目で追ってわかったことがある。
「ギュオオオオオォォ!!」
――イノシシが火炎に包まれて倒れていた。
「ねぇ、大丈夫?」
そこにはエミィくらいの身長の女の子が立っていた。
はい! 今回で新キャラ登場かなヘル兄
うん、正直マジで死にそうだったけどとりあえず助けてもらったよ
私の見てないところまで行かないでって言ったのにあんなことするからひどい目にあうんだよ
でもそのおかげで新キャラ出たからいいじゃないか
じゃあ次回はその子についていろいろやるから
次回もお楽しみに!
次回は新キャラ説明でいろいろ頑張ります。




