先の展開を考えれば考える程に頭に浮かぶのは最終回
よかったですね!
「なにがだよ」
いや、なにがって犯罪を犯さなかったことですけど?
「そんな満面の笑みで言われてもな、意外と傷つくもんだ」
まあでも今まで幼女二人と野宿やら修業やら共にしてきたんですから慣れたもんでしょ
「でも最近になってなぜか健全な男の欲望が出てきてだな」
相手が幼女の時点ですでに健全とは言い難いですよ。
「いや違う。僕は健全だよ、別にエミィやレキのことを見て変な妄想を膨らませてるわけじゃないんだ。その証拠に今までずっと手を出してないしみんなは家族なんだからそんなことあるわけないだから………」
すいません、このままあと一時間くらい続きそうなので本編へどーぞ
【先の展開を考えれば考える程に頭に浮かぶのは最終回】
ちょっと寂しい夜の過ごした翌日の朝、エミィとレキはまだ寝てるみたいだしけっこう疲れることもあったから起こさないで外に出ようと部屋の扉を開けようとしたらエリカさんがすごい勢いで僕の部屋を開けた。
ちなみにこの宿は部屋側に扉が開くわけで扉の前に立っているときに外から開けられると
「うがっ!」
当然中の人(僕)に直撃するわけであってそのまま僕は二度寝することになった。
「うう…頭が痛い」
なにがあったか思い出していると上を向いている僕の目線の前にエリカさんの顔があった。ということはこれはあの膝枕というやつなんじゃないか?綺麗な人の膝の上で寝られるなんて素晴らしいことだなー
「っじゃなくてどういう状況!?」
「あっまだ動いちゃダメですよ!まだ痛みが」
「痛てて、あ、すいません素晴らしい膝をお借りしてしまって」
「いやすいません私のせいでお怪我を」
エリカさんが申し訳なさそうな顔で謝っている。
「いや、エリカさんの素晴らしい太ももじゃなくて僕の方こそ気づかなくてすいません」
「いや私のノックくらいすればよかったです」
まだ申し訳なさそうな顔をしている。このままじゃ気まずいし話を変えよう。
「そういえばエリカさんはどうして僕の部屋に?」
「あ、そうです。ちょっと思いついたことがありまして、ちょっと私と村の外にいきませんか?」
「すいませんもうちょっと具体的にお願いします」
この人の特異体質は獣とか呼び寄せるんじゃなかったっけ?それじゃ外出た瞬間に僕たち終わりだと思う。
「えっと、南の方は弱い獣しかいないしあと聞きたいこととかもあるので」
「そうですか、ここじゃだめなんですか?」
「エミィちゃんやレキちゃんにはあまり聞かれたいことではないのでちょっと」
ふむ、どんなことかわからないけどなんか重要なことみたいだ。
「じゃあ二人が起きる前に出ましょうか」
「はい!」
その時のエリカさんはすごく輝いた笑顔をしていた。
南の森の少し村から離れた少し開いた場所の切株の上に腰を下ろしてエリカさんから話があるのを待っていたら、ずっとここに来てからも悩んだ顔をしていたエリカさんが決心したように口を開いた。
「あの、迷い込みであるヘルトスさんはあっちん世界に心残りとかはないですか?」
ああ、確かにこれはエミィ達には聞かれたくない話だな。
「僕はここに来たときあっちの世界の記憶がないんですよ。だからあまり無いですね、もしかしたら家族がいるかも知れないと思ったこともありますけどこっちでの生活は楽しいし」
まあ最初に来たとき持ってたものがポテチと爪切りだからな、あっちの世界では何してたかわからないし今が楽しいならそれでいいと思ってる。
「そうですか、でも迷い込みの人はあまりこの世界にいるのも危ないですし、やっぱり帰れるのなら帰った方がいいと思うんです」
「でも帰れる方法がないじゃないですか、あったら話は違いますけど」
それからまたエリカさんが言うか言いまいかと悩むような顔をした。それからすぐに
「実はあるんです、帰る方法が」
それを聞いて僕は一瞬、いや数秒は固まっていたかもしれない。まったく知らなかった帰る方法があると聞かされて困惑する。なんでこの人は知ってるんだろうとも思った。
「なんで知ってるんですか?今まで出会った誰もが知らなかったのに」
「それは……迷い込みの呼び出しの儀式を知っているからです」
脳が沸騰して破裂するんじゃないかと思った。呼び出し?儀式?三十から五十年周期で勝手に現れるんじゃなかったのか、少なくとも僕はそう聞いた。目の前にいるこの人に。
「黙っていたのは悪かったです、急に今まで旅をしてきた人と別れて帰れなんておかしいですよね。本当にすいません」
「待ってくれ、僕は謝ってほしいなんて言ってない、一番聞きたいのはなんで呼び出しの儀式なんて存在するのかってことだ」
「そうですよね、世界をまたいで異世界まで人間を呼び出す意味、それは……」
どんな言葉がくる?何をするためだ?ただ見つけたから文書にのこっているなんてことじゃないだろう。そんなことならこんな空気で話さない。
「生贄です……」
なんだって?
「なんのための……生贄に?」
「魔女が奇跡を手に入れるために召喚するんです。悪魔のとの契約には魂が必要ですが、魔女は自分の魂なんて差し出しませんし悪魔は獣の魂なんて受け付けません。魔女のために魂を差し出す者をもちろんいません。なのでこの世界に人間を召喚して魔法で操り契約の言葉を紡がせる、そんな風習があの村にはあったんです。」
「じゃあ前の死んだ迷い込みはまさか……」
「悪魔に魂を差し出して死にました」
なんてことだ!僕はそんなこともしらずほいほいとこんな村に居ついて、教えてもらえなければ確実に死んでたじゃないか!
「じゃあ早く逃げないと、エミィとレキを連れてこないと!」
「無理です、魔女はあなたが帰ってくるのをもう待ってます、今すぐ逃げるかここで返還の儀式をしないと」
「嫌だ!あいつらとは別れたくない、あの二人は……ずっと一緒にいてくれた、かけがえのない家族なんだ!」
「でも……」
「教えてくれたことには感謝します、僕は村に行きます」
「待っ…!」
たぶん待ってと言おうとしたのであろう言葉が途中で途切れた。後ろを振り返ると小さな獣がエリカさんの横腹に噛みつきエリカさんは血を流して倒れていた。周りを見ると同じ獣が何匹も群がっている。もうすでに囲まれているようだ。
「くっそ、どけよお前ら!」
エリカさんの方へ走っていく、獣は小さく群れで狩をするようで一匹なら楽に倒せたが三十匹ほどいる。どうやって切り抜ければいいかまったくわからないけど、とにかくエリカさんを連れて村に戻ることが優先なので気絶したエリカさんを担いで村の方まで走る。走っている方向にいる獣は魔法で薙ぎ倒して道をつくった数匹追いかけてきたし腕を軽く噛まれたがそれでもどうにか村に到着した。
そこで見た光景はひどいありさまだった。建物が倒れ何人かの死体も見える。その真ん中には僕を待っていたであろう魔女が手のひらに火の玉を乗せて立っていた。
「誰か、エリカさんが怪我を!」
「おいなんで戻ってきた!エリカからの警告は受けたんじゃないのか!」
「エミィとレキを連れとぃきます、それに魔女の狙いは僕でしょう。二人を連れてそのまま逃げます!」
「無茶言うな、あの魔女は300年の間魔術を行ってきた曰くつきの腐れ野郎だ!お前らなんかで逃げれるはずないだろ!」
確かに感じられる魔力もレキとは桁違いに強い、僕たちも混ぜた村人全員で倒しにかかっても負けるかもしれないけど、それでもあの二人だけは助けないと。
「エミィ!レキ!どこにいるんだ?」
「ヘル兄!」
「お兄さん!」
隠れていたのか瓦礫の中から二人がこっちに走ってきた。二人は無事みたいだ。
「今からダッシュで逃げるぞ。戦うことは考えるな、守ることだけ考えろ!」
「「わかった」」
「おい、念のためだ、これを持って行け」
一人の村人から渡されたのは古びた一つの魔導書のようなものだ。部族の村に魔導書があるのはおかしいと思うけど今はそんなことにツッコんでる暇はない。
三人で森の奥に駆けだした。ばらけないように、誰も失わないようにしっかりと三人の場所を確認しながら走り続けた。
ねえ本当に最終回近いの?
わからないけどそろそろなんじゃないか?
ちょっと寂しいかも
でも章分けされてるしもしかしたら続編あるかもな
あって欲しいと願うしかないね
ああ、じゃあ次回もお楽しみに!




