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集宴-虚ろなる祈りの果て-  作者: くゆー(蜘蛛蘭燈)
IF 溢れ落ちた祈り

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16/20

If ファーストコンタクト

大変お待たせ致しました。

続きできましたので作っていきます。

半年前のあの海難事故。

俺は、海の底に1度沈んだ。

人間を辞めることで生き延びたんだ。


そして、ようやく退院できたと思ったら、昨日…正確には、半年前だが。


あの不気味な旧道の神社でさらにわけのわからない怪異に巻き込まれた。


あの異形の女に触れられた「左腕」が、今でも、皮膚の奥まで凍りつくようにずっと冷たいままだった。


完全に、あちら側の世界に目を付けられている。


そんな、最悪に不穏な翌日の昼時。


大牙は、宴市商店街にある大きめのパン屋へと立ち寄っていた。


併設された賑やかなフードコートの片隅で、一人、テーブル席に腰を下ろす。


注文した調理パンとコーヒー。



自分の冷え切った左腕をさすりながら、大牙は小さくため息をついた。



「……ふぅ。昨日はマジでトバッチリだったな……。これから俺の身体、どうなっちまうんだよ……」


一人で頭を抱え、愛車のバイクでどこへ行こうかぼんやりと考えていた、その時だった。


「……にゃあ〜。」


「あ?」

足元に、何かが擦り寄ってきた。


白い子猫。


首輪のない、ひどく綺麗な毛並みのそれが、大牙のワークブーツに何度も愛おしそうに頭を擦り付けている。


大牙は、自分が半年前のあの海底で異形へと作り変えられた際、その場に切り離して置いてきてしまった「人間だった頃の温かい残り滓」がこの白猫だとは、露ほども気づいていない。



「野良か……? どっから入ってきたんだよ、お前は。……腹、減ってんのか?」


しゃがみ込んで猫の頭を軽く撫でようとした

大牙の視界に、少し離れた席の光景が映った。


そこに、彼女たちがいた。


ハッとするほどスタイルの良い綺麗な女性


刻野亜利亜(ときのありあ)


そしてその向かいで、神経質そうに手を拭いているを男──桐上直斗(きりじょうなおと)


一見すれば、それはよくある男女の昼食の風景だった。


だが、その場の空気は妙に歪んでいた。


見た目は完全に成熟した大人の美女なのに、その女性が漂わせる気配が、あまりにも幼く、浮世離れしている。


周りの喧騒からそこだけが切り離されたような、異様な雰囲気がある。


大牙が何気なくそちらを見つめた、その瞬間。


亜利亜(ありあ)の視線が、大牙の足元で嬉しそうに喉を鳴らす白猫へと向けられた。



亜利亜はパッと顔を輝かせると、直斗の制止を聞くよりも早く席を立ち、スラリとした足取りで、トコトコと大牙のテーブルへと歩み寄ってきた。


「……おっきい猫だね?」




「……は? どちらさんですか。ていうか、猫なら足元にいますけど」


唐突に話しかけてきた奇妙な美女に、大牙はスッと初対面用の丁寧な(しかし警戒を含んだ)口調に切り替える。


昨日あんな目に遭ったばかりだから

尚更だ。


だが、亜利亜は少しだけ首を傾げ、綺麗な顔のまま、子供のように無邪気に笑った。



「ううん、おにーさんのこと。おにーさん、おっきい猫みたい。……なんか、ちょっと……冷たい匂いがするね」

スンスンと鼻を鳴らしている亜利亜



「なっ……!」


大牙の「昨日触れられたばかりの左腕」をじっと見つめる彼女の瞳は、大人の深みと、10歳前後の子供の純粋さがバグのように混ざり合っている様に感じた。



「……お腹すいたな。……あ、それ、美味しそうなパン」



「あ、いや……これ、俺のなんですけど……」


女に、子供っぽい口調でおねだりされ、大牙は完全に調子を狂わされる。



「刻野……! また勝手に席を離れて……」


慌てて追いかけてきた直斗が、二人の間に割って入る。


(ちなみに彼は、完全なペーパードライバーであり、先ほどもこのパン屋の狭い駐車場に車を停める際、何度も切り返しを行って白線からはみ出し、激しい緊張のあまりすでに疲弊してげんjy冷や汗をかいていた)



「すまない、うちの者が迷惑をかけた。……刻野、行くぞ。もう戻らなければならない時間だ。」


「あ、いえ……別に迷惑ってほどじゃ……」


直斗は、何かを測るように、大牙の「冷え切った左腕」を一瞬だけ鋭く見つめ、それから小さくため息をついた。



「……お節介かもしれませんが、夜の出歩きは、ほどほどにしておきなさい。特に、この街の夜はね。……さて、ここの駐車場を出るのが一番の難関だな……」


ブツブツと独り言を呟きながら直斗は、亜利亜を促して歩き出す。


亜利亜は名残惜しそうに大牙を振り返り、

身体を少し揺らしながら、直斗の後ろをついていった。


彼女が抱えるバッグの隙間には、かつて(直斗)がデータ化してくれたタブレットと、大人びた古い腕時計が静かに収まっている。


パン屋の自動ドアを抜ける間際、彼女はガラス越しに、大牙に向かって小さく手を振った。


大牙は気づかない。自分がただの偶然で、勝手にこの「見た目は大人、中身は子供」の不思議な女性に惹かれていったのだと思っている。


けれど、すべての歯車は、この白昼の喫茶店で、すでに噛み合っていた──


こちらは集宴のIfシナリオとして 作成しました。

リプレイベースではないですが、プレイヤーの皆様のキャラをそのまま導入させてもらってます。

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