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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第5章 大公様とベアル
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第84話・返品できませんかね?

これからもがんばっていきます!

感想など、ありましたらどんどんお寄せください!!

ここでおさらいしよう。


俺の領地となったベアルは元、住民数千人が住んでいたらしい、大都市。

魔の森が近く、帝国とも国境が接していたところから、貿易の要所としても機能していた。

城壁は二重に囲われ、外部からの進入も容易ではない。


そして今のベアルと言う街は、住民が38人の村と言ったほうがいい街。

魔の森が近いことから、土地がやせており、農業中心の産業にしては収穫も少なく、かなりひどい。

城壁、街の建物は穴だらけで、どこからでも容易に進入可能。

いくつかの建物には、盗賊団がはびこっている。

住民が納めている税金の行方は、現在調査中だ。


あ、そうそう、半壊していた屋敷は直したんだ。

俺の魔法で。

新築同然に復元した。

ジャングルと化していた庭も、きれいに整備したんだぜ?

すごいだろ。


そのせいで、ボロボロの周りの状況がより一掃、悲惨な感じに見えてしまっているのだが・・・・・・



「ほう? あの街はそんなことになっていたのか。」


「もう、無理ですよアレは。」


街のヒサンな現状を目の当たりにして一夜。

約束どおり、今は少し暇ができたので、ダリアさんの元を訪れている。

もちろん、ノゾミと一緒に。

ついでに、このダリアさんと、昨日焼け野原にしてしまった森を再生させた。


それはさておき。


はっきり言って、あのベアルの状況はひどすぎる。

着いたら王都へ変える予定だった騎士の皆さんには、瓦礫がれきの片付けや、盗賊団の摘発をしてもらっている。

メイドさんたちも、同様だ。

魔法で直すのも良かったが、町全体に修復の魔法をかけてしまうと、中にいる人間まで修復されてしまう。

主に、盗賊たちの体力回復とか。


それは困るので、今は騎士の皆様に、摘発をしていただいている状況だ。

そうして俺は、ダリアさんに相談を持ちかけてみたのだ。

・・・・ドラゴンに、人間の町の事を聞くっておかしいかもしれないけどさ。


「無機物たる、建物のみに作用する魔法を行使すれば、良いのではないか?」


「それが・・・・・」


「?」


それは考えた。

と言うか、屋敷の修復で使った魔法がまさにそれだった。

これがうまくいったので、早速街全体にこれをかけようとしたら、

『カイト様。 無粋なまねはしないでください。 これからこの街は、我々の手で復興、いいえ。  大陸有数の巨大都市へと生まれ変わらせるのですから。』

と、とても男らしい発言をされたので、ヤメにしたのだった。

あのときの、何かを決意したような満面の笑みは、有無を言わせない感じだった。


崩れた城壁くらいはどうにかしたかったが、それすら許されなかった。

どうやら彼女の何かに、火がついてしまったようである。


とはいえ、今の住民は38人しかいないんだけどね。


「むう・・・なかなか人間の生活と言うのも、難しいものなのだな。」


ダリアさんが、理解したように数度うなづく。

難しいのは人間ではなく、アリア一人の思惑だとは思うが、それは言わずにおくことにした。


カイト的には、鉄道の夢がついえたので、壊れた街は修復すればいいや、位にしか考えていなかった。

この街をでかく発展させるなんて、考えてもいない。

むしろ、今すぐ爵位しゃくいごと王様に返還したい。


「私にも、何か協力できることがあれば、いつでも言って欲しい。」


「ありがとう、助かるよ。」


ダリアの優しい言葉に、こうべを垂れるカイト。


言わせてもらうが、ドラゴンが人間に対して、こんな態度をとるなんて普通はありえない。

ドラゴンが人間に、協力を申し出るなど普通はありえないのだ!!

・・・大事なことなので二度言った。


「ねえ、ダリアさん。 どうして翼があるのに飛べないの?」


俺たち二人の真剣な話し合いも、ノゾミにとっては取るに足らない内容らしい。

いつものペースで、ダリアさんに質問をした。

って言うかそれ、禁句じゃなかったっけ?


するとダリアさんも、とたんに肩を落とす。

巨大なドラゴンの、そうした光景は見ていて、かなりシュールな光景だ。


「・・・確かに、私には地竜なのになぜか、翼がある。 だがあくまで私は地竜だ。 翼はあっても、飛ぶことはできない。」


哀愁漂あいしゅうただよう感じに、細々とそう言ったダリアさん。

『鑑定』でダリアさんの種族を見てみるが、確かに『地竜』と書いてある。

昨日、アリアに聞いたら地竜というのは、翼のない大きなトカゲみたいな生物、と聞いた。

知能はあまり高くないが、魔力や力がかなり強く、寿命が恐ろしく長いらしい。 群れて生活しているのだとか。 体表は赤いのが特徴。


対して目の前のダリアさんは、見た目はトカゲと言うより立派な空飛ぶドラゴンだし、知能も人間並みか、それ以上。

う~~~ん・・・・・・・・・。

分からない事だらけだ。

群れからつまはじきにされてしまったのも、その見た目が原因なのだろうな。

このことは、彼女の心に大きな傷を残しているらしい。


なぜ、自分はほかの個体と見た目が違うのか。

彼女自身、よく分かっていないらしいので、詮索せんさくはここまでだ。


「元気出してください。 今は俺たちがいるじゃないですか。」

なんかクサイが、ダリアさんがあまりにかわいそうに見えたので、このセリフが思い浮かんだ。


「む・・・・ありがとう。 一緒に住めないのは残念だが、こうして会えるだけでもうれしい。」

パタパタと、でかい尻尾を左右に振るダリアさん。

空中でやっているので、地面が揺れることもない。

少し、そよ風程度が吹くくらいだ。


おっといかん!!

また長く話し込んでしまった。


「じゃあ、俺たちは今日はこの辺で。 また来ます。」

ノゾミの手をつかんで、帰る事を伝える。


「早いうちにきてくれよ?」

ダリアさんも、手を振って見送ってくれる。


俺とノゾミは、ベアルへと転移で戻った。

急がないと、またアリアに怒られる・・・・・・

ダリアちゃんの素性ですが・・・

設定はあります。

なぜ、地竜なのに空竜みたいな姿なのか。

それはでも、本人も知らないことなので、書く機会があるかどうか・・・・

どうにか、そういうのを探したいと思います。

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