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オタクはチートを望まない  作者: ひゅうが さいおーま
第5章 大公様とベアル
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第83話・ここがベアルだ!!

これからもがんばっていきます!!

感想など、ありましたらどんどんお寄せください!!

「な・・・・・なんだ、ここは!?」

アリアと共に、ベアルへ到着したカイトは、目の前の光景に、言葉を失った。


「カイト、ここ、恐いよ・・・・・」

ノゾミもまた、半ベソをかいて、カイトの右手にギュッとしがみ付いていた。


「ここがわれわれの、『新居』ですわ。」

ため息交じりに、皮肉をまじえてそう言い放つアリア。


三人の前にある建物。

それは、前大公様が住んでいた屋敷があった。

その大きさはカイトが通っていた、日本の三階建て校舎の高校のものよりも、大きいかもしれない。

屋敷というだけあって、それは、とても豪奢ごうしゃな造りであったと思われる。


・・・・・建築当初であれば。


三人の眼前にあるその屋敷は、草が屋敷の壁全体にし、窓は割れ、半分は倒壊していた。

庭だったと思われる場所は、ジャングルと化している。

屋敷を囲っていたと思われる壁は、ベルリンの壁のごとく、土台を残して何もなかった。

ちなみに今でも、パラパラと、屋敷の外壁の一部が崩れ続けている。

夜、ここを通りがかったりしたら、絶叫モノかもしれない。


「だいぶ長いこと、放ったらかしにされていたようですわね。 この街の監督を任せていたものは、どうしたのでしょうか??」


プンプンと、怒りをあらわにするアリア。

そう、彼女が怒っているのはこの屋敷に限ったことではない。

それは、ベアルの城壁が近づいた頃から気付いたことだ。


もと、王都のように二重に街を囲っていたと思われる城壁が、あちこち崩れ落ちていたのだ。

っていうかむしろ、残っているところのほうが少ない。

番兵さんも不在だ。

交代で偶然・・・とかではない。

もともといないって感じだ。


街のメインストリートを通っても、人間一人とすら、すれ違わない。

町全体が、ゴーストタウンといった感じだ。

着いて早々あれだが、帰りたくなってきた。


その上で、住む予定だった屋敷が半壊しているといった状況だ。

『鉄道が作れる♪』とか浮かれまくってた数日前の自分を、呪い殺したくなる。

これはだめだ。

鉄道とかそういう以前の問題だ。

ここは住めないって。


そうアリアに進言しようとしたところで、アリアはとてもいい笑顔を俺に向けてきた。

「何もなくて、むしろ好都合ですわ! ここは自治領として国王からも認められているので、好き勝手に法整備も街の整備もできますわよ? 文字通り、一から。」


俺は、どこの大統領かと言いたい。

法律を作るとか、無理です。

そもそも、この街に国民・・・もとい住民はいるのか?


すると、遠くから騎士の一人が、なにやら紙を持って、こちらへ向かってきた。

「アリア様、遅くなって申し訳ございません!!」


「かまいませんわ。 調査は済みましたか?」


「こちらに、すべての報告を載せてございます。」


なにやら、アリアがこの騎士さんに調査をさせていたらしい。

いま、帰ってくると言うことは、徹夜で調べたのかな?

でもアリアは、いったい何を調べさせたのだろうか?


「ふふふ・・・・」


「!?」

突然、みをこぼしたアリアに、ちょっと驚いてしまった俺。

するとアリアは、「カイト様も、ご覧になりますか?」と、自分が目を通していた一枚の紙を、こちらに差し出してきた。

俺が読んでも、分かるような内容なのだろうか?


しかしアリアから受け取った紙を受け取り、俺は絶句してしまった。

内容を簡単にまとめると、以下のような内容だった。


人口: 38人

主な産業:農業と採集

徴収税金:7割 (行方知れず)

公共施設なし(ギルドなど)

街の家の数軒が、盗賊の根城に。

医者とかもいない。

街にいたはずの警備兵団、及び監督官は行方不明。

買い物は、三ヶ月に一度、旅の商人が来たときだけ。


ざっとまとめると、こんな感じだ。

下手な村のほうがマシである。

街の人たちは、この重い税金に苦しめられ、スゴイ貧困生活にあえいでいるとの事。

街から出て行かないのも、お金がないからなんだろうな・・・・・・・


そして、街の警備兵団が行方不明って・・・

どこに失踪しっそうしたんだよ!?

警備兵団は、町を守るのが任務なのに。


「カイト様、どうやら警備兵団の者たちは、街の外で起きた魔物災害の事態収拾に出て、帰ってこなかったようですわ。」

間髪いれず、アリアが俺の疑問に思ったことに答えてくれた。


「じゃあ・・・この街は、魔物災害のせいでゴーストタウン化したってこと??」


「いいえ、少しの被害くらいはこうむったようですが、この街は無事だったようですわ。 原因は、監督官でしょう。」

監督官とは、この領地が王家直轄おうけちょっかつになった際、王宮から派遣されるこの街の、財務などを一切に取り仕切る人物だ。


「彼は、王家に無断で街の税率を上げ、街の備品を売りさばいて金に換えたようですわ。  屋敷や、城壁のレンガとか。」


街が荒れているの、納得だ。

っていうか、そんなやつを監督官にしちゃだめだろう。

ん?

でもそれならその監督官っていうのは生きているのか??

さっきは行方不明って聞いたけど・・・・・・


「結局彼は、何者かに暗殺されたようですわ。 いつ、どこで、だれに、などはまったく分かりませんが・・・」

うん。

彼は悪者の末路をまっとうしたようだね。

めでたし、めでたし。


じゃなくて!!!


「この街のゴーストタウン化って、そいつのせいなのか!??」


「どうもそのようですわ。 父上も知った上で、ここを我々にお任せになったようですね。」


あの、腹黒国王・・・・・・

無理やり俺に爵位しゃくいとか押し付けてきたりして、おかしいと思ったよ。


「ああああああ!!!  いますぐ、クーリングオフしてえ!!」


前途多難な状況に、カイトは、頭を抱えるしかなかった。






鉄道がまた、遠くなりました・・・・・

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