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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第4章 王宮へ
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第65話・誰かこの状況を説明してください その8

これからも、がんばっていきます!!

誤字、脱字、感想などありましたら、どんどんお寄せください!!

俺のアイテム・ボックスに入れっぱなしになっていたルルアムは、その後、王宮の衛兵たちにしょっ引かれていった。

これから、裁判を受けて正式に罪に問われるのだという。


俺のせいで、性格が変わってしまったようなので、またアリアを殺そうとかはしないだろう。

ひとまず安心。

でも、三日も暗闇に閉じ込めてしまったのは、いくらなんでも、かわいそうだった。

今度会ったら、改めて俺も彼女に謝ることとしよう。


「しかし、カイト殿はラウゼン家の屋敷に一人で急襲したのもしかり、ルルアムを収納していたことも然り・・・・  ずいぶんとお強いようだ。 どうかな私にも一つ、その実力を見せてくれんかな?」


王様が、とびきりの笑顔をコチラへ向けてくる。

その言葉に呼応するように、この部屋へメイドさん四人が、大きな水晶の玉を運び入れてきた。

ギルドにある登録用の水晶の、デカい版だ。


「カイト様。 これは強制ではありません。 純粋な、われわれの好奇心によるものです。 個人のステータス表示は、プライバシーに関わるので、国王といえども他人のステータスをのぞくことは禁じられています。」

アリアが、俺に対し水晶のことを話してきた。


それは初耳。

そうか。 だから、登録時以外はステータスを見られる事がなかったんだ。

でも、俺は実は他人のを見ることができる。

当然水晶なしで。

犯罪だったのか・・・・・・・・

実は今回、ルルアム邸に進入するときも屋敷内の人間の戦闘力を見るために、使ったのだが・・・・・・

今後、禁止案件だな。


とりあえず、ここでは俺の発言が尊重そんちょうされるらしい。

断る権限が、俺にはなさそうな雰囲気だけどね。

周りの空気とかが。

いいさ。

見られて死ぬことはないだろうし。

俺は黙って、目の前に置かれた水晶にギルドのときのように手をかざした。



こんなん出ました。


名前: カイト・スズキ

年齢: 17歳

種族: 人族

レベル: 8

HP(体力): ∞

MP(魔力): ∞

STR(筋力): ∞

DEX(機敏): ∞

スキル: 好きなものを好きなだけ♪(※取得したものの表示は省く。)


ん~~~~~??

数字、どこ行った?

そして(∞)このマーク、何?

駄女神様がダルくなって、表示をテキトーにしたのかな?


誰かに聞こうと辺りを見回したら、室内のほぼ全員が固まっていた。

イリスさんまでもが、絶句している。

なんか、まずい表示があったのかな?

まあ、『好きなものをものを好きなだけ♪』とか、意味わからんしな。


対して、王様やアリア、それに王様の左隣にいる女性(王妃様?)は、大変満足そうな顔だ。

何か、企んでそう。

ノゾミは、別にステータスを聞かれることは無く、そのまま水晶は撤収てっしゅうされた。

ノゾミは、どうでも良かったんかな?

まあ、見られたら種族表示で困るからいいけど。


「いや、想像に勝るものであった。 さすがはカイト殿。わが・・・・・」


ここまで言ったところで、左隣の女性に何かを目で制される王様。

すると、途端に笑顔が消え去り咳払せきばらいをした後、一転して真剣な表情になる王様。


「カイト殿。 今回こうして、来てもらったのは他でもない。 あなたにはこの国、いやこの世界の『勇者』になってもらいたいと思っている。 ステータスを確認したが、実力も申し分ない。」


「は、・・・・・勇者ああ???」


突然の提言に、一国の王様に対し、スゴイ態度を取ってしまうカイト。

って言うか、勇者ってたまに日本でも聞いていたアレですよね??

魔王を倒すとか、世界を救うとか言う・・・・

日本では、鉄道以外興味が無かった俺は、友達から聞かされていたおぼろげで漠然ばくぜんとした知識しかない。


「実は、この世界の魔王がこの頃、不穏ふおんな動きを見せていてな・・・・・・・・ 伝説にもあるとおり、魔王の進攻があるかも知れん。 それをどうか、食い止めてほしいのだ。」


ちょー真剣に俺にそう言う王様。

魔王、いるんだ・・・・・

いや、駄女神が、そういえば、そんな事を言ってたな・・・・・

イリスさんも、俺が視線を向けると、うなづいてきた。

もしかしなくても提言したの、あなたですね?


だがしかし、俺は嫌だ。

日本にいる友達だったら、『俺が勇者!? ヒャッフー!!』とか言っていそうだが、俺は温室育ちの平和主義者だ。 そんな怖そうな相手と、戦うなどごめんだ。

やるなら、俺の知らないところでやってほしい。

俺にはこの世界で、鉄道を作るという夢があるのだ!!


そう王様に言ったら、思いのほかあっさり受諾じゅだくされた。

残念そうにうつむくが、それでも俺の意思を尊重してくれるようだ。

『鉄道』の発言に関しては頭に、『?』が浮かんでいたが・・・・・・

どちらかというと、『ええ! そんな・・・・!?』と、イリスさんのほうが、ことのほか驚いている。

すいません、イリスさん。

俺は勇者なんて、嫌なんです。


でもこの国の国王は、いい王様だ。

上からものを言わず、きちんと一冒険者の意思を尊重してくれる。


きっと国民からの信頼も厚いことだろう。



・・・・そう、思っていた時間もありました。


うつむいていた王様は、何かを決定したかのように顔を上げて、口を開いた。

なぜか、さっきよりもとびきりの笑顔だ。


アリアや、王妃様(?)はじめ、室内の多くの者が、俺に期待をこめた・・・・・・・

いや、獲物を見つけたような黒い笑顔を向けてきた。


何?

勇者を断るってワード、実は地雷??

混乱する俺をよそに、王様がこんなことを言った。


「実は、カイト殿が勇者を断るのはなんとなく、分かっていたのだよ。 だから気にする必要は無い。」


んん~~~~???

俺が、断ると分かって『勇者なりませんか?』って聞いたってこと?

ますます、分からん・・・・・・・

あれか?

だめでもともと、って感じか??


しかし王様は、俺のそんな予想をあざ笑うかのように、トンデモ発言をしてきた。


「カイト殿。 アリアと婚儀こんぎを結び、君に爵位しゃくいを与えよう! なに、領地はもう決めてあるから心配するな!!」


すごい笑顔な王様。

右隣のアリアは、すごく恥ずかしそうに赤くなっている。

左隣の王妃様(?)にいたっては、すごいドヤ顔だ。

貴族たちは、パチパチと拍手はくしゅを送ってくる。


「「ええ・・・・!??」」


俺とノゾミの声がハモった。

この王様たちは、なにを考えているのか・・・!???

次の更新は、明日になります。

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