第10話・駅が無い。
拙い文章で申し訳ありません。
後この作品は、実験的要素が高いので、内容におかしなところが合ったらぜひ、教えてください!
オア大陸の東に位置するアーバン法国。
その国の地方都市、シェラリータはシェラリータ辺境伯が治める自治都市である。
ここは大陸中央に位置する魔族領に近く、希少鉱物や魔物が多く、それを目当てに冒険者や商人が多く、
国中からやってくる。
その都市の一角で、一人の少年が呆然と立ち尽くしていた。
「駅が・・・無い・・・」
そんなバカなと言った感じで、そうつぶやくカイト。
正確には駅はあったのだ。
そう、駅は。
だが、それは馬車の駅であった。
前述のとおり、シェラリータは大陸でも有数の大都市である。 そのため人の往来も多く、当然
馬車の往来も激しいのだが、人の多く行き交う大通りを馬車がとおるわけには行かない。
そのため、都市にはたいていこのような馬車の駅があった。
人々はここで馬車を降りて、町へと繰り出すのである。
・・・のだが、カイトが探していた鉄道の駅では当然ない。
あの女神には、確かに鉄道がある世界に行きたいと言ったはずである。
カイトは未だ気がついていなかった。
あの女神が馬車と鉄道を同じものと考えていたことに。
何人か往来の人に聞いたのだが、「鉄道?そんなのこの都市には無いぞ?」と言われるにとどまった。
彼らがこの都市に、無いと思うのも無理は無かった。
この街はあくまで、この世界の中でも中規模な部類に入る都市なのだから。
この街に住む者は、王都へ行ったことが無い者も多かったので、知らない言葉などは、『王都にあるのでは?』と考えてしまうのは、至極当然と言えた。
カイトはなんだか、一気に何もする気が無くなった。
この世界のお金なんかもっていないので、他の都市へ鉄道探しにもいけない。
ここでやっと、自分が今置かれている状況に気がついた。
「そうじゃん!俺、これからどーやって生きてくんだよ!?」
当然、お金が無ければご飯は食えない。
宿にも泊まれない。
そもそもこの都市から出て行くことだってできない。(通行料を取られる)
そこでやっと、今日するつもりだったことを思い出した。
「そうだ。 ギルド行こう。」
『そうだ、京都行こう』のパロディーである。
◇◇◇
「新規の方ですね? 登録料は銅貨五枚になります。」
「え”・・・・」
あれから市場の人とかに、ギルドの場所を教えてもらい、やっと着いたら衝撃的事実を突きつけられた。
ちなみに受付は金髪碧眼の美人さんである。 女神様より綺麗かもしんない。
でも目が半開きで実に眠そう・・・ 残念系美女さんだ。
ちなみに銅貨一枚で柑橘系っぽいジュースが一杯飲めるらしいので、感覚的に銅貨一枚は百円ほどである。 登録料は五百円。 普通であろう。
が、カイトはお金を持っていない。
重ねて言う、びた一文持っていない。
大事なことなので二度言った。
「えっと俺・・・お金がちょっと・・・」
冷や汗が、だらだらたれる。 これは弱った。
はっきり言って、あのゴブリン襲撃のときよりピンチである。
「ああ。お金を持っていらっしゃらないんですね? たまにいらっしゃいます。
では、こちらの書類にご記入ください。 あ、文字はかけますか?」
お金が無いと、なにやら書かされるらしい。
女神様に頼んだおかげで、日本語を書く感覚でこの世界の文字がかける。 ノープロブレムである。
ありがとう、女神様。 この世界に来てはじめて、あなたに感謝してます。
「こちらの書類はある種の誓約書のようなもので、あなたが冒険者となった後、討伐報酬などから、
登録料分を割り引かせていただくとの内容です。 と言っても銅貨五枚分ですが・・・」
なるほど、借用書みたいなものか。
金利とかは無いので、実に安心である。
「はい。受け付けました。手続きに少々お時間をいただきますので、その間にこちらの『冒険者手引』
をご覧になってお待ちください。」
そうして薄い、マニュアル本を渡された。 受付譲さんは、カウンターの裏では、テキパキとなにやら忙しそうにやっている。
見た目は眠そうだが、できる人なのかもしれない。
手引には、冒険者の心構えとかが載っていた。 要約すると次のとおりである。
・冒険者ランクは、SS~Gまである。 普通の人はC~Eランクぐらい。
・依頼はひとつ上のものまでしか受けられない。 下限は無い。
・死んでも文句は言わない。 ギルドは関わらない。
・依頼はどれを受けてもよいが、失敗すると違約金を取られる。
・発行されるギルドカードは、身分証明書になる。常に携帯せよ。
・討伐した獲物の数などは、自動的にギルドカードに明示される。部位を切り取るなどはしなくていい。
・ギルド組合員として不適格と判断された場合、除名処分されることがある。
大まかにはこんなことが書いてあった。
そうこうしているうちに、受付譲さんが戻ってきたようだ。
さーて、いよいよ冒険者登録だ!
文章量を二倍にして見ました。
あと、お金の価値は以下のとおりになっています。
白金貨・・金貨十枚分(おおよそ一千万円) 国家間などの貿易などに使われる。一般流通はしていない
金貨・・・小金貨十枚分(おおよそ百万円) 滅多に見ることは無い。大商人などが使う
小金貨・・銀貨十枚分 (おおよそ十万円) 主に給料などに使われる。両替必須。
銀貨・・・小銀貨十枚分(おおよそ一万円) 以下、よく使うお金。
小銀貨・・銀貨十枚分 (おおよそ千円)
銅貨・・・小銅貨十枚分(おおよそ百円)
小銅貨・・最小単位 (おおよそ十円)




