遁走よ
「魔法不細工戦隊!!満月の夜ばかりだと思うなよ!!次に会ったら必ずなかせてやる!!」
サギリィが言ったわ。
「ホーホケキョ。ケキョケキョケキョ」
御望みみたいだから鳴いあげてみたわ。
「うぁあん!馬鹿にしやがって!弩畜生!!」
⚪雀の用具一式の入ったバッグを背負って、段ボール製の折り畳み式雀卓を抱えたサギリィが、泣きながら捨て台詞を残して、空間にヌッタリと消えて行ったわ。
「サギリィ殿!わたくしはインダオ殿を回収して後を!」
蟹もヌメッと消えたわ。
つまり、両方逃げやがったの
よ。
「ぎ、義妹、あんた中々ヤルわね。お陰でヴァーチャス達を撃退出来たわ」
ニナルが苦虫を噛み潰したみたいな顔をしながら言ったわ。
「それに引きかえ、新人さんよ。ふたりとも弱すぎ!何のために来たのよ!?そもそも、何でディーヴァになれたわけ!?」
ニナルが壁際に並んで正座させた新人ふたりに言ったわ。
「「すいません」」
「シー……プリンシパルが期待の大型新人に成れたのなら、有能な我々が仲間なら更にナノが楽になるかと思いまして」
どす黒い魔法美少女が言ったわ。
「そこで、眉唾なシーノの勧誘を承けまして」
茶ばんだ魔法美少女が言ったわ。
「「思い上がってました」」
うちのママばりの抑揚の無い棒読みセリフがユニゾンで聞こえて来たわ。
「そうよ、魔法美少女の任務はそんなに甘くはないのよ!!今回はあんた達が助けるべき、その義妹に助けられたような気がしないでも無いような気がするんだし、本末転倒でしょうが!そもそも、あんた達のパートナーは、極普通のどぶねずみに見えんだけど!?喋らないし飛ばないし!チュチュチュチュ鳴くし!豆とか食べないでチーズとかサラダチキンとか普通にかじってるし!あれがマスコットってどういうことよ!」
ニナルはどす黒い魔法美少女のコスチュームと茶ばんだ魔法美少女のコスチュームのふたりに文句を垂れたの。
そう、新人の魔法美少女はふたり居たのよ。
そしてどっちもシーノじゃなかったのよ。
茶ばんだ衣装のが……。
「そうだ、義妹に報告しとくわ。焦茶のがButlerSteelCommonよ。どす黒いのはStewardIronNormalよ。ふたりとも、義妹はしってるわよね」
そう、スチール・コモンがルイだったの!
アイアン・ノーマルはイクヨちゃんよ!
ふたりの足元には、鼠色のどぶねずみが4匹も蠢いてるわ!
確かにサラダチキンを食んでるわ。
ドラウト達はヒマワリだのカボチャだのスイカだのの【種】を食べてるのに。
そもそもヒデリィやらシメリィ、クモリィ何かは地球では食べないし。
うぞうぞしてるだけで普通にキモッツよ!!
「まぁ、新人には川さらいでもしてもらおうかしらね!」
ニナルが言ったわ。
そう、今回のヴァーチャス・サギリィが狙った水場は、多分川よね。
だけどキュー・ティーが水場キーになるっていう情報は眉唾って言ってたのよ。
つまり、別にヴァーチャス・サギリィなんかほっといてよかったのよね。
つまり、ルイもイクヨちゃんも川なんかさらう事はしなくて良いのよ。
「今回は初陣なんだから、おおめにみましょうよ」
ルイとイクヨちゃんへの、あたしからの助け船よ。




