自分探しの旅
運命の出会いとはなんだろうか。
今のあなたは何回目のあなたなのだろうか。
本当の自分はどこにいて、何をしているのか。
決めろ。
「んっ? 」
ハッと目が覚める。
誰かの声が聴こえていたような気がするが
夢だったのだろうか。
「····本当の自分はどこにいてか。」
紛れもなくここにいるではないか。
普通に大学生活を送る、3年生の
桐崎蓮 21歳は1人暮しのアパートのベッドの上に
いる。
「自分はここにいるけどね。」
毎日が普通に過ぎていき、就活が始まる歳になってしまった。
「何を言ってるのだ自分よ。」
そういいながらベッドから出て学校へ行く準備をする。
大学までは自転車で20分程度でいける距離だ。
大学は経済学を専攻している。
将来何をやりたいかまったく見当がつかない。
ただ、それなりに大学生活は充実している。
親しい友人もいるしバイトも楽しく過ごしている。
準備も出来たので、自転車にまたがり漕ぎはじめた。
「今日は天気が良くなさそうだ、急いで行ったほうがよさそうだ。」
10分程経ったところで1匹の黒い猫が飛び出てきた。
「危ない!」
急いでハンドルを切り避ける。
しかし運悪く電柱にぶつかる。
「うわっ」
「痛っ。これは胸を打ったか…」
そう思いながらさっきの猫のことを思い出した。
「黒猫、大丈夫だったか?」
そこにはこちらを見ながら近づいてくる姿があった。
「すまない人間よ。」




