第17話 事情とかどうでもいいんだが?
「私は……父を見返したかった。私の事を認めてくれない父の事を」
メスティアがなんか、聞いてもいないのに自分語りを始めた。
ほぼ興味ない上に、そんな話を聞いてやる様な間柄ではないんだが……なんか深刻そうな顔しているので一応は聞いてはやる。
話を無視して去ったらどんな顔するだろうか、とかちょっとは思わなくもないが……
俺も鬼じゃないからな。
「父が私に言ったの。お前の様な無能には何もできないって。だからバルター家の末席として、何もせず静かに生きろって……汚い物を見るような眼で」
不意打ちで俺を殺して英雄気取ってる奴の癖に、偉そうな話である。
厚顔無恥極まりない。
「だから私は見返したかったの。大きなギルドを作って、私は出来損ないじゃないって……」
「お嬢様……」
メロウスがメスティアに寄りそう。
なんかこう、悲し気な話をしいてるが……すっげー軽いと思うのは俺だけか?
あと――
「その結果がチャーム使ったりダンジョン内で仕掛けるじゃ、全く同情する気になれんのだが?」
メスティアのやってる事はただの輩でしかない。
自分がちょっと不幸だからって、他人にやりたい放題やっても良いって思ってるんなら、流石バルター娘だとしか言いようがないんだが?
「返す言葉もないわね。私、焦ってたの。勧誘はなかなかなか上手くいかなくって」
チャーム作戦はどうやらダメダメだったようだ。
まあスキル効果が弱い上に、俺の時の様にいきなり声をかける方式で上手くいく訳もないか。
静かに暮らせなんて言われてるから、親父の名前も出せないだろうしな。
「そんな時に……まあ自分勝手な話だけど、貴方にスキルを見抜かれ塩対応されて腹が立って……ちょっと痛い目を見せてやろうって……悪かったわ」
メスティアが頭を下げた。
謝れるだけ偉いとかそんな馬鹿な事を言うつもりはないが、やらかしても謝れない奴が腐るほどいる事を考えると、そういう奴らよりか多少はマシな人格をしていると言えるだろう。
「まあいいさ。自分の行動が卑小だってわかってるなら、もう同じ事はするなよ。輩みたいな真似で作ったギルドじゃ、父親は認めてくれないぜ」
「ええ、そうね。肝に銘じるわ」
ま、あくまでも一般的な父親では、の話ではあるが。
逆に手段を択ばず伸し上がった方が、褒められる可能性も考えられる。
本人は思いっきり俺を裏切ってるわけだし。
まあそれは一般には知られていない事なので、俺は英雄の体で話をしてはいるが。
「時に、父親に認めて貰うって事は……Aランクギルドの資格を取る算段は出来てるって考えていいのか?」
ギルドにはランクがあり、これが結構重要だったりする。
何故なら……Aランク以上のギルドには、高レベルダンジョンへの入場権利が与えられるからだ。
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