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 宇宙スキーム         シンポジウムの異星人たち  作者: K レイ


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第1章 スタンリー教授の話

 「人間は弱すぎる。」

 

 「今日はスタンリー教授のお話を最後までお聞きして帰ります。仕事そっちのけでごめんなさい。」


 ラインでそうアニメーション制作スタッフ責任者に連絡しました。締め切り真近な状況ですが、この日の宇宙シンポジウムでは、科学的根拠を逸脱してSF話みたいになっています。こういうのをずっと探していました。一緒に来たアニメーション会社の上司リュウにも帰らない旨を報告しました。


 リュウは複雑な心境で、志保を置いて帰る訳にもいかず会社に許可は取って来たのだが。


 「みんな激怒してるだろうなあ。もう一度連絡しておくか。」


 でも言えないけど張り詰めた環境から解放されて今とても楽しくて気分転換になっている。複雑だ。

 

 (ここで話を聞いているこの2人はアニメ制作会社クリエーターの志保さん。今制作中の他銀河に有るであろう「カッコいいイケメンばかりの地球」の情報集めを手伝っている女性です。もう一人は同じ会社の上司で営業担当のリュウさん。元反社。何事にも動じず表情を変えないポーカーフェイスなグイグイ行くタイプ。一見怖そうでも、情に熱く皆んなから頼られ慕われている人物です。格闘技で負け無し。)


 2人は以前勤めていた会社の頃からの仲間です。この会社の以前社長を務めていた人とは2年前からの仲で、元は医療関係の社長で、その頃から大の仲良しでした。出会った頃に騙されて壊れかけた2人の人生を立て直した大恩人でした。


 しかしその社長が行方不明になってしまい、機会を見つけては今日の様に探しながら内緒で情報を集めていたのです。          

 (会社業務が違い過ぎる件はまた後程。)

 

 (この教授の話を聞きに数百人程度の人が集まっていた。スタンリー教授は現在某大学宇宙科学専攻の教授。50歳。以前の経歴は全く不明です。一年前日本に来て、日本語もペラペラで話声がでかく、宇宙話が面白いと巷で話題になり、本日はこの大きな会場での講演にも呼ばれました。別名ベイベ教授。—そして以降の話が続きます。)

 

 ベイべ。そう、つまり、我々地球上の人類は呼吸をし、骨格、筋肉 内臓 血液で構成され基本大体の動物がそうね。その中で人間の頭脳は地球上で上位にはいる。悪い事やズルい事を考える能力は見事に地球一。(笑いが起こる。)

 

 —中略。ベイべ、じゃあ地球上に人間より強い、動きの早い 頭が良い動物はいくらでもいる。ではなぜ動物界最弱の人間が今地球を支配出来ているのはなぜだと思う? 例えば他星が地球と同じ時代背景に人間が誕生していたら地球と同じ様な人間の歴史をその星でも作れると思う? 答えを先に言っておくね。地球と同じような発展は遂げられないよ。


 人間型がそれぞれの地球型惑星にいたとしても地球と同じ様な高度な人間の文明発展はあり得ません。同じ皮膚の同じ内臓を持つ人間もいない。人間も地球の人間より凄いの作れるんじゃないの? そう思うかも知れませんが、自然環境の協力も不可欠です。それ以下はあってもそれ以上はいろんな問題をクリアする必要があります。


 人間自体がまず違う。星の条件が同じではないから。空気や水の成分や配合も違うし、太陽の距離や質量も重力等全てが地球と同じである星はまず無いと思います。人間型と言っても地球人と同じ人間ではまず無いですね。猿かもしれないし、トカゲかも。


 地球の温度が変わるだけでも違うでしょうし、空気に毒素が含まれていれば、狂暴な爬虫類みたいな顔になるかもだし、戦いだけしか無い可能性もあります。


 例え空気や水等全てが同じ環境であっても人間が誕生する可能性は低い。地球の人間の前の住人は恐竜だったしね、同じ地球でも全然違うでしょ?


 この地球内でも人間誕生は偶然なんです。ことごとく条件は変わるし、その時の時代背景や気候や環境等の条件、タイミングで毎回変わる。


 同じ地球でも同じ様に文明発展を遂げる事は難しいです。年月も要しますしね。以上の事から、他所の地球と環境が似た星でも、人間が暮らしている訳ではありませんよ。


 今日の話は他の星にきっといるであろう生命体を考えた時ほとんどは微生物で,、もしいても知能の低いアンモナイトの様な小動物か気持ちの悪い虫みたいな生命がほとんどじゃないかな。


 たまたま我々が人間だったからね、他の地球型惑星と言ったら自然と人間をイメージしちゃいますけど。 基本想像力は見た物から生まれます。経験の無い中からは作れません。


 4次元てあなた想像できますか? 出来ないでしょ? 近い事を言える人はいますよね、でもまだ可視化は出来ずに見た人もいません。現実の存在している宇宙人はほぼ人間では無く、水や土が喋っているかもしれません。

 

 地球上の動物には内臓が有るから、他所の地球で暮らす生物にも内臓が有る。と思いますが同じ様な内臓は有りません。これが条件変化です。この地球での人間は奇跡、この文明も奇跡です。私はそう思います。


 ベイべ、最初の質問の地球最弱人間が現在支配出来ているのは、動物達は地球を支配する事なんか考えていません。地球の大きさもわからないでしょう。


 生きる為に自分の匂いをつけた領域に入ってきた動物を攻撃する事はあっても、地球支配となると圧倒的な大きさと強さが必要です。それで力の支配は可能になりますが動物たちは戦いしか無いので支配したという達成感や実感は持ちません。


 ふんぞり返る生き物は人間だけです。うちの猫もふんぞり返って寝ていたりしますが、悪意が無いと可愛いです(笑)。


 人間は他の動物と比べても最弱だったので他より器用になった。地球の知能が高い動物は、人間より頭が良くても水の中に住んでいたら、そこで建物を建てようとはならないでしょ。手や足はいらない。そういう条件で全然姿形も変わってくるし、呼吸も変わる。知能の使い方がそもそも違うのであります。またその為に骨格も最も良くなる様に進化を続けています。


 人間は弱くても会話をし、火を起こし武器を持ち村を作り、個々の力では無く集団の力を選んだ。


 人間が体をめっちゃ鍛えても決して熊には勝てないし、逃げても足の速さも到底敵わない。凄まじく弱い。


 でもそれは人間が絶対熊には勝ちたいと思った訳ではないし、力は無くても木登りが出来なくても大丈夫と思ったから運動神経は伸びなかった。中には稀に絶対熊を倒してやるという闘志を持つ方もいたりしますがね。(笑)

 

 ベイべ。ゆえに、人間は頭を使い現在の文明を築いた。車や電車に乗り、スピードをアップさせた。飛行機で空も飛べるようになった。最近は病気も治そうと医学も進歩を遂げている。ここまでの進歩は奇跡と言って良いレベルです。でも宇宙的評価はまだ今始まったばかり。

 

 宇宙で人間を考えた時、宇宙には宇宙服無しで出られないし、呼吸もしないといけない。月まで有人で行けたのは凄い事ですが、本宇宙はそこから先の話です。


 ちょっと変なものを食べたら食中毒にもなるし、病気にもなる。ちょっと寒いともう無理。暑いのも。6ヶ月以上の火星への有人宇宙旅行も今は厳しい状況です。内臓が持たない。


 とにかくデリケートに出来過ぎなんだよね。地球でも最弱、宇宙でも最弱な生き物。あと費用が馬鹿にならない。とんでもなくお金が掛かります。アメリカが月に行った時も3兆8千億円程の莫大なお金がかかっている。

 

 ベイべ、今の現代人はそんな事別に考えないで地球で暮らせればよい。このままで良いと考えるかも知れないですが、いずれ地球は無くなる。なのでこれから必要な人間の能力は、人間の骨格、内臓、弱い皮膚他全ての構造のアップデートが必須だ。


 アップデートはこれから宇宙で何年も活動するなら人間の体を宇宙にすれば良い。それか、無駄な余計なものがいっぱいある体を切り離せばよい。魂だけで動けば良い。経費も月までの百分の一程度以下で隣の銀河まで行ける様になれると良いの。


 次に人間型の宇宙人を考えてみよう。地球に来る遠い遥か彼方の銀河からやってくる宇宙人がいたとする。果たして人間と同じ様に内臓が有り、呼吸をして食事をするのだろうか? 性別もあるの? 最弱なの?

 

 もしもそれが人間と同じ様に呼吸をして内臓もある生き物だったらとんでもない科学技術です。今の地球人が現在持てる科学の全てを結集、駆使してもまず到底実現不可能だ。そんなのが地球にやってきたら? 


 地球の文明は高度だと思うけど、宇宙的にまだ文明レベルは0、6程で1にも満たない。先程の遠い彼方から地球にやってくる宇宙人がいたとすると、文明レベル6か7のテクノロジーかも。


 今我々が考えられる現実レベルは、有人宇宙船の中は空気があって重力があり、水や食料を積んで風呂も付けて、太陽光などの放射線を害の無いレベルまで下げて医者を同伴させて地球で住んでいるのと出来るだけ同じ環境にする事が必須だと思う。


 光の速さより遅くしては広すぎる宇宙で全く辿り着けない。仮に光速以上出せたとしても、隣の銀河まで数千から数百万光年かかる。


 光速では遅すぎるのよ。それにはワープなどの瞬間移動が必要になるが取り付けたら恐らく内臓が持たない。人間が次に必要なテクノロジーは瞬間移動、タイムトラベルそれと弱い人間の体のアップデートだ。内臓はナイゾーが良い。今からリニアモーターカーを作るレベルでは余りにも遅い。

 

 ベイべ、やはり宇宙にいるかも知れない異星人が地球に来られたとしても、それは内臓等を持っていない可能性が高いし皮膚も強いし目は潰れない様に出来ていると思う。最弱では無い筈。人間型で無い方が宇宙旅行に向いているね。

 

 内臓の無い宇宙人がいた場合。呼吸もしていなければ? 宇宙に出るのは難しくないです。ここでは時間の都合上問題は少なそうなので省きます。本日は人間だと宇宙に出るのは大変だという話をしています。実際に内臓所有の人間スタイルの宇宙人は我々だけでした。と言って本日は終了したかったのですがね。

 

 ベイべ、さあここからが今日の本題です。実は地球より遥かに早いスピードで進化を遂げたプルナ星の異星人がいます。この星の異星人は地球で生まれた人間と祖先が同じなんだ。


 銀河系の中心から太陽系の位置する場所の反対側に地球より遥かに進んだ知能を持つ星が昔あった。その星をここではXと名付ける。しかしながらそこは流れブラックホールの影響で滅んでしまった。流れ星がブラックホールの現象。衝突前に多くがX星から逃げてそれぞれが宇宙船で彼方此方に避難した。その時の数体が地球に辿り着いた。


 人類は猿から進化して人間が誕生したと思われているが、実は人間は比較的近隣の惑星Xから来た宇宙人だった。なんて言えないでしょ? だから誰も言わなかった。


 当時は地球に避難した数体の宇宙人以外に言葉を話せる動物はいなかったので、地球に避難して生活を始めて今日に至る。という事にしたのだが、ホモサピエンスの最初の30万年前より遥か昔の5千万年前から6千万年前頃にも別の宇宙人が生活していたのがわかった。


 更に恐竜が誕生する2億3千万年前の地球初期の頃から何度も他銀河の宇宙人が飛来して来ていたそうだ。X星の避難民はそれらと関わる事は無かったので特にそれ以上は調べなかった。


 これはプルナの文献に記録があり、これは地球上の鉱物や土、海水を使って地球の歴史の記録をこういう古い鉱物から映像化して地球の歴史をプルナ人は調べたのです。タイムマシンで過去に行く事も出来るが、プルナの科学技術でも1千万年以上前に戻るのは体にリスクを負う。


 つまりずっと昔からこの星地球の生活には多くの宇宙人も興味を示していることから、最適な星だと思ったみたいだ。


 住み始めて地球上にある宇宙人の記憶を消す作業をしたが、洞窟のイラストに何個か描かれてしまった。後に発表される進化論の歴史に書き換えた状況です。


 現在はそれを信じられている。人間誕生はそれが始まりで、宇宙人とばれない様に猿からの進化に見せかける為、その頃住んでいたホモサピエンスよりネアンデルタールの様な人間寄りの様な体にしたのが最初とされている。例えホモサピエンスが進化しても今の地球の様な高度な文明を築く星には成れなかった。


 そこからいきなり急激に文明が進化を遂げているでしょ? これは宇宙人が人間に成り代った瞬間から起きている。プルナ星に行った当時の宇宙人は初め猫や犬の様な生き物しかいなかったので、プルナ人は猫みたいな顔から進化している。


 地球でもエジプトとかの壁画でよく犬や猫が描かれているでしょ? 祖先がプルナの犬猫を地球に運んだとされている。プルナ人は地球文明の発展の速さよりも圧倒的に早かった。


 プルナ星には原子力など無く、人工光のエネルギーが主だった。プルナ人は、争い事を好まなかったし、しなかった。


 プルナ人は地底で生活する地底人だ。反対に地球人は地上で暮らす。お金を奪い合う醜い争いばかりを繰り返し、勝ち負けで己を磨いて来た事で進歩を進めた。それは現在も続いている。


 虫や動物も争いばかりなのが地球の歴史。こういう争いの中でもみ合って競い合ってレベルを上げ続けて文明を作り上げたのが功を奏した。ここまではそれが正解。


 だがここからは次のレベルにステップする必要がある。文明レベル1を突破したければ今すぐ核開発は止めないと滅びる。これ以上の発展は望めない。経済も勝つ人より勝てない人が急激に増えている。


 この争いはこの先も続けると間違った道に進んでしまう。この先の文明発展の大きなブレーキとなってしまうのだ。因みにプルナ星にはお金が存在せず、王の命令で国民が動く。助け合う人達で温厚だ。物の価値観が違った。

 

 全ては国王と取引して決まる。これを作ってくれたらお礼に貴方の望みを1つ叶えます。みたいなやりとりが進化を早めた。卑しさや醜い争いが無い世界。地球と全く違う。


 そしてプルナ国王の能力と個々の持つ能力が物凄い。


 人間は全て同じ力と能力しか持たない。鍛えて多少の強弱はあるがね。なのでわれ先にと卑しさと潰し合いの戦いばかりを繰り返す。


 プルナ国王は女王蟻の様な特殊な力を持っている。プルナ国王は魔法を使える。プルナ国民も優秀だ。

 スタンリー教授が言った。

 

 「ヘイ、ユーガイズベイべ疲れたかな? 今日は日本の科学技術におけるこれからの目指すべき目標と課題を論理的根拠を使って話すのでは無く今日友達が来ているので、話をもっと砕いて火星以上の旅を可能にする人間のアップグレードの話。」


 「プルナ星の話は参考になると思いました。プルナ星て何? みたいな。 少し休憩を入れます。この次に実際にプルナ星に行った方から話を伺います。」

 

 そういうと突然会場が騒がしくなった。

 

 「地球人がプルナ星に行ったのか? 火星にも行けないんだろ、我々人類は。どうやって? 馬鹿らしい。」

 

 等の声が飛び交った。それでも志保は非現実的な物語の方が好きなのでここへ来る前にスーパーで買ったお菓子を食べながら喜んでいた。

 

 スタンリー教授はなぜ地球の人間の歴史が宇宙人だと知っているのか? 仮説ならわかるが口調がまるで経験して来た様な話し方だ。この時話を聞いていた宇宙人否定派の物理学者アレックスが疑問を抱いた。

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